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2016.02.11

AppBank社の巨額横領&恐喝事件で、コンプライアンスについて補足するんじゃ

 先日、こんな記事を書きました。
 居酒屋でいえば、お通しのような内容です。

【修正あり】AppBank社、元役員の横領金の流出先に「暴力団関係者」の疑い 調査報告書に記述せず
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yamamotoichiro/20160206-00054186/
【追記あり】AppBank社への公開質問状(暴力団がらみ)
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yamamotoichiro/20160208-00054232/

 個人的にはもっといっぱいAppBankマックスむらい信者が凸ってくるかと思っていたのですが、意外と少なかったので燃料の爆発性が少なかったのかと凹んでおります。

 AppBank社の調査報告書では、恐喝3,000万から3,500万と書いてあって、信ぴょう性に乏しいとしながらも、追加調査した経緯がなかったので、他の使途不明金も含めて追加調査ちゃんとやれよ、社内調査委員会ではなくて第三者委員会組成しろよって思うんですよね。

 なぜ第三者委員会をAppBank社が立ち上げないかというと、不正会計の見落としも一緒に出てきて決算期を遡って修正しなければならなくなり、社内調査委員会で信ぴょう性が乏しいとしていた恐喝の可能性が指摘されれば、AppBank社は漏れなく監理ポスト行きになります。
 もしもこれが確定すれば上場廃止ですね。AppBank社は「日本最速上場廃止銘柄」&「日本で初めて反社がらみで上場廃止」というダブル称号の栄誉に預かることになります。

 もっと物騒な話ですが、そもそも反社の話が出たときの調査というのは特殊です。例えば、社長が駐車場で射殺されてしまった餃子の王将の場合は、事件が発生し警察庁が捜査を開始した後も、事業に対する影響を検証するためにきちんと第三者委員会を組成し、一部を公開しています。

王将フード、反社会勢力の関与を第三者委員会で検証…前社長射殺事件で
http://www.sankei.com/west/news/151228/wst1512280086-n1.html

 企業にとってコンプライアンスは大事で、とりわけ不祥事が発生したときには会社組織から独立した第三者委員会を組成することが基本になります。すなわち、AppBank社のように事業内容をよく理解した関係者を交えて組成する社内調査委員会も大事だけど、一般的には会社業務から独立した第三者委員会を作るのが筋のはずです。

 例えば、ワンオペなどで問題となった革命家・小川先生の率いるゼンショーでも、かなりしっかりとした第三者委員会を作り独立した立場から調べた結果、お前らこんな非人道的な職場で経営してきたのか馬鹿じゃねえのか反省しろとばかりの素晴らしい調査報告書が提出され、しかもそれがしっかりゼンショーのサイトに掲載されています。

調査報告書
http://www.sukiya.jp/news/tyousahoukoku%20A_B.pdf

 普通ならこの手のものは適切な開示期間を経たら引っ込めて非表示にするのですが、小川さんというのは凄い豪胆な人で、本人曰く「俺がやったのは事実だから」といまでも誰でも見られます。

 そういう社長さんもいる傍ら、仲間内でまずまずの調査報告書を開示しただけでほとぼりが冷めるのを待とうというような姿勢にも見えるAppBank社が、その自社の商品である「マックスむらい」こと村井智健さんが動画に出てきて質問に答えるでもなく何か怒ってたのは革新的でした。彼が言うには、私は村井さんを恨みに思って悪質な記事を書いてるんだそうです。

 私は、そのAppBank社の関係者や退職者にきちんとヒヤリングをし(これは村井さんも動画で認めてましたね)、取材をした結果、現職関係者から証憑類を入手して「これはちゃんと調べないと駄目だろう、社内調査委員会や警察庁に相談するだけではなく、上記のような第三者委員会組成しないとおかしいだろうということで記事にしたわけですね。

 また、記事を書いたときに、入手した証憑類の一部を画像にして証拠の存在を示唆したところ、村井さんが動画の中で「その書類を持っているのは調査委員会と廣瀬さんだけ」と実在をいきなり認めてきたのでおいお前、って感じです。まあ、否定したら後から実物を公開することになるので彼にとっては良かったのかもしれませんが、普通はね、こういうスキャンダルやられたときは「コメントできない」とか「実在しない書類」などと言うものなんだよ。

 まさかこんな記事が、私のLINEブログ移籍第一弾になるとは思いませんでしたが、今後ともよろしくお願い申し上げます。







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    やまもといちろう

    ブロガー・投資家・イレギュラーズアンドパートナーズ代表取締役。
    著書に「ネットビジネスの終わり (Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など多数。

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