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2015.10.31

中国関連で、これは読んでおけば大丈夫という最近の書籍6冊

 このところ、アメリカのイージス艦一隻が南シナ海にある「中国の主張する『領海』」に無断で立ち入ったと言うことで、このゲームも新たな展開を見せておる次第ですが、いろいろと安全保障周りの執筆依頼をいただくなかで「これは読んでおいたらいいという本はありますか」というオーダーが良く来ます。

米中、南シナ海対峙で各国に支援働きかけ
http://jp.wsj.com/articles/SB10631682899670053547704581324243962294936

 人に原稿依頼しておいて「良い本あります?」もないもんだと思いつつ、ここ最近の中国解説本は比較的定番も研究物も良本が増えてきたなあと感じるので、ここ半年出た中でお奨め本などを掲載してみようと思い立ちました。

 どれも、吸い込まれるほどに良い内容なので、ご関心のある方はぜひご一読を。

■中国グローバル化の深層 「未完の大国」が世界を変える (朝日選書 デイビッド=シャンボー・著、加藤祐子・訳)

 ぶっちゃけ「なぜこの本が売れていないのだ」と思う好著。外交の各方面に対するプレゼンスを総覧できるだけでなく、国際的に中華を垂直統合するようなグローバルガバナンスに対する適切な論評を加え、経済面、文化面(とりわけソフトパワー)から安全保障にいたるまで、中国という国と関わりのあるルートは総じてきちんと網羅してあります。

 単なるエピソードではなく実際の中国が置かれている現状と、中国が醸し出したい雰囲気や虚像とのギャップ、また時間軸も見事に繋ぎ合わせており、ある意味でこの本をレファレンスに中国関連の記事を読むだけで立体的に現代中国の考えや意図が掴めるであろうというぐらいにちゃんとした内容です。

 ディプロマティックな方面ではウォッチャー程度の知識しか持ち得ない周辺国国民にとって、この本が手助けする現代中国の外交の有り様の解説は見事で、それは冒頭にあるように中国が世界の中にあってどのようなインパクトを持ち、また世界は中国にどう関わろうとしているのかという具体的な変数によって説明されている凄味があります。この本の最高の良さでもある、猜疑心や恐怖からの過大評価、過小評価を極力廃して、実際の関わりの中から中国の影響力の盛衰、中国中南海から地方政府その他の権力闘争と意図を読み解こうというのは、実に優れたアプローチだと思うのです。

 個人的に専門とするサイバー攻撃に関する記述が薄いのは残念ですが、それは差し置いても充分すぎるぐらいの品質と適切な情報量で、現代中国外交事情を一冊選べと言われれば近著ではこの本をお奨めします。このクオリティで2年に1冊ぐらいずつ継続して出して欲しいとさえ思う内容でした。


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2015.10.19

AppBankからenishに熱い何事かが吹き荒れ騒ぎが拡大→(追記)元関係者から真相が暴露されるの巻→(追記)消されたのでこの辺に魚拓でも置いておきますねの巻

 先日AppBank Gamesが消滅したんですが、そこの棟梁として頑張っておられた宮川義之さん(hotmiyacchi)の懇親のブログが話題になっております。あくまで一方的な話なので断定するのも問題あるかと思いますが、ここで問題視されているはいったい何崎啓眞さんなんですかね…。

消滅会社 AppBankGAMESを終えて・ゲーム作りで大事なこと
http://hotmiyacchi.hatenablog.com/entry/2015/10/19/105940
enishの人事異動…岩崎啓眞氏が執行役員ゲームデザインディレクターに就任
http://gamebiz.jp/?p=145807

 個人的には誰崎さんから具体的な反論が出るようであれば聞きたいところですし、彼が宮川さんのところにjoinしたという話はかねてから聞いていたので、てっきりそれなりに双方納得で円満にあれこれ処理されていたのかと思っていました。誰崎さんとは正直面識はなく、あくまで彼が関わった仕事の共同開発先のプロジェクトが炎上した際に、I&PではなくEuphoros(子会社)としてサルベージしたことがあるだけなので、あまり詳しく知らないんですよね。Unityのセミナーであれこれ喋るようですが、妨害する意図はないのでリンクは貼らないでおきます。

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2015.10.14

インフォバーンとかメディアジーン、ベクトル社のステマ営業の具にされてブチ切れ

 久しぶりに素敵な記事を見ました。

ベクトル社資料におけるメディアジーンのメディアに対する不当表記に関して
http://www.infobahn.co.jp/news/5809

 そのベクトル社資料については、私もすでに入手しているので、今日ちょうどnippon.comで記事を書いておきました。

日本のウェブメディア「ステルスマーケティング」事情
http://www.nippon.com/ja/currents/d00199/

 オフィシャルな面での問題で言うと、ベクトル社に限らず「やればやったもん勝ち」になりやすいPR会社独特の体質がバックグラウンドにあると思います。要するに「おたくの商品、メディアジーンの媒体に売り込みますよ。場合によっては、PR表記なく掲載してもらえるかもしれませんね」と営業してお金を先にクライアントから貰う。そしてメディアジーンに売り込みをして、無事掲載されればメディアジーンはノンクレやステマはやらないので、あたかもPR会社がステマの広告記事の売込みに成功したように見せることができる、という点で、裏口入学の詐欺とあまり変わりありません。

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2015.10.06

ミュゼが陥落

脱毛ラボ「ミュゼがやられたようだな…」
TBC「ククク…奴は脱毛大手四社の中でも最強…」
銀座カラー「駄目じゃねーか」

脱毛エステ大手のミュゼ、任意整理 社長「事業は継続」
http://www.asahi.com/articles/ASHB63PJ1HB6ULFA008.html

 ということで、脱毛サロン最大手のミュゼを運営するジンコーポレーションが任意整理に追い込まれてしまいました。誰ですか、そんな通報をしたのは。

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    やまもといちろう

    ブロガー・投資家・イレギュラーズアンドパートナーズ代表取締役。
    著書に「ネットビジネスの終わり (Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など多数。

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