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2015.09.29

フジテレビ系ネット放送ホウドウキョク『真夜中のニャーゴ』の放送時間が一時間繰り上がりました

 ということで、今夜放送のフジテレビ系ネット放送ホウドウキョク『真夜中のニャーゴ』ですが、今週から一時間早くなって、23時05分スタートになりました。っていうか、今夜私は出番なんですよね。東京に帰れるんでしょうか、私。

ホウドウキョク
http://www.houdoukyoku.jp/

 また、いままでもNOTTVやフジテレビオンデマンドではない普通のストリーミング放送を行っていましたが、これからも無料で私の番組を観ることはできます。こんな夜中に何で白髪おっさんの顔を拝んでるんだお前ら。

 ということで、今回はネットリテラシーがあると自認している人でも意外と知られていないネット銀行の仕組みと、最近急増しております口座の一時凍結について説明いたします。

 元ネタはこちら。

ネット銀行経由での詐欺が多発している件で
http://kirik.tea-nifty.com/diary/2015/09/post-9b53.html

 問題は、法律事務所ミライト・パートナーズの代表弁護士・山田祥也さんがご説明されているように、基本的には「疑わしい取引」に関わる部分です。

「疑わしい取引」を理由とする預金口座の凍結等について
http://milight-partners-law.hatenablog.com/entry/2015/09/28/103546

 逆に言えば、前回ブログでも書きましたようにこの「疑わしい取引」が検出されれば、何らかの犯罪に巻き込まれた口座と見られて自動的に一時凍結の措置が取られます。今後、報じられると思いますが、今上期は前年より件数は増加傾向にありまして、これが8月中旬以降、9月いっぱい(つまりいま)に疑わしい取引の通報件数が急増しました。このあたりは、放送でも取り上げますし、内容についてはヤフーニュースにも書きたいと思うのですが、ちょっとしゃれになら無い数です。

 その背景には、偽造ブランド品販売の数が増えていることと、空き家などを使った取り込み詐欺(偽装売買)が横行していることなど、いわゆるC2Cビジネスを使った犯罪が増えたよという話でありまして、これらはだいたい誰かの口座を乗っ取って使っているわけでして、まあどうしようもないんですよね。

 で、オークションやC2Cサービスのヘビーユーザーはどうしてもこの疑わしい取引の閾値をクリアした上で、問題のある口座にひっかかりやすいというジレンマがあります。金融庁のガイドラインにも、細かく実例は記載されております。

疑わしい取引の参考事例(預金取扱い金融機関)
http://www.fsa.go.jp/str/jirei/

[引用]

第1 現金の使用形態に着目した事例

(2)短期間のうちに頻繁に行われる取引で、現金又は小切手による入出金の総額が多額である場合。敷居値を若干下回る取引が認められる場合も同様とする。

 端的にいえば、ヤフオクなどのオークションサイトや、メルカリやminneなどのC2Cサービスです。しかしながら、これらのビジネスが一般的になっている以上、ネット銀行側も利便性を追求する目的で、多少の回数であっても容認してきた歴史はあります。

 しかしながら、ここにきて上記本格的な犯罪がオークションサイトやC2Cビジネスで増加したってことだと話は別です。いままで何となく認められてきたオークションでの頻繁な個人からの入金についても、疑わしい取引と見繕われるものについては自動的に一時凍結の対象となります。

 ここから先が重要な話ですが、実際の問題として、これらの措置により凍結された口座のうち、実に9割以上は凍結されたままです。つまり、本当に乗っ取られて、本人確認が取れないためそのまま封鎖されてしまって預金保険機構預かりになる口座ということで、現在この数がおそらくは激増しています。

 全銀協も指針を出していますが(私は全銀協の回し者ではありません)、まあ要するに「2ストライクアウトだけど、加盟各銀行は疑わしい取引があったら積極的に凍結しろよな」ということであります。それだけ、おかしい取引の検出は精度が高いです。

振り込め詐欺救済法における
口座凍結手続きについて
http://www.caa.go.jp/planning/pdf/1115siryou1.pdf

 したがって、貰い事故はたくさん発生し得ます。というのも、その口座が「疑わしいか」は、疑わしい取引をしているという傍証があって初めてブラックリストに載るからです。つまり、犯罪行為に口座が使われて初めて、その口座が黒だと分かるわけです。

 逆に言えば、どんなに銀行側が厳密にブラックリストを作っても、口座が一度犯罪組織に奪われてしまうと、一度は何かに使われて、被害が出て、「やられたー」となってから対策が取られる、ということになるんです。ネットでリテラシーの無い人だと、そんなもの先回りして抑えられるだろという意見もあるかもしれませんが、その方法が見つかるようであれば是非教えてください、実装しますんで。

 いまは、ネット銀行がボコスカにやられるタイミングですが、このまま問題が放置されて凍結が行われないと、一般の銀行口座もやられる可能性どんどん上がっていきますし、セキュリティレベルの低い信金などはネットバンキング自体が停止になります。まあ、実際になってるんですが、このブログを半笑いで読んでいるような人は信金の口座をメインで使うことなど無いので気づかないでしょう。ただ、預金保険機構に対する払い戻し照会数は今上期は信金の判明分だけで15億円以上に達しているはずです。つまり、実際に乗っ取られて不正に利用されている金額はその10倍以上になっている可能性さえあります。そのぐらい、やばい話なんですよ、この銀行の一時凍結問題というのは。

 という話を詳しく真夜中のニャーゴで話しますので、よろしくお願い申し上げます。







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    やまもといちろう

    ブロガー・投資家・イレギュラーズアンドパートナーズ代表取締役。
    著書に「ネットビジネスの終わり (Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など多数。

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