ライザップの健康被害隠蔽やらブラック企業やらの話
我らが人権蹂躙雑誌、週刊新潮でライザップの悪口が書いてあるというので見に行ってきました。
いやー、酷いことが書かれていますね。
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別に私も意識高いわけじゃないんですが、厄年を越えたのでいつまでもダラダラ飲んでいるのはやめようと酒を大幅に減らして4kg、身体にいいわけないのでやめようとラーメンを絶って2kgと、4ヶ月半で6kgも痩せました。世の中そんなもんです。
で、新潮の記事にはいろいろとブラックなことが書いてあります。誰ですか、こんな酷い記事を書いたのは。人間性を疑ってしまいますね。ただ、気になる点としましては、健康被害云々については諸説ありまして、補足したいと思います。
というのも、ライザップに入会されると結構な金額を払った上で時給千円未満のトレーナーさんから偽装マンツーマン的なフィットネスサービスを受けることができます。しかし、このメソッドについてはライザップを運営する健康コーポレーションもメソッドをパクったパクらなかった訴訟で多少主張していたとおり「運動だけで痩せられるわけではない」ので「食事療法をメインに痩身を実現するのが理想」としています。
つまり、ライザップに大金を払ってダイエットをするにあたっては、その主たるダイエットメソッドは完全な食事療法であり、ライザップのマニュアルに基づいた「栄養学」で会員は日々の食事を撮影し、ライザップの時給千円未満のトレーナーさんに報告しなければなりません。で、このダイエットの内容というのが実にキツいので、それを忠実に会員さんが守ろうとすると大変なんだろうと思うわけですが、会員さんはせっかく多額のお金を払ったので、たとえ指導してくれるのがたいした知識を持たない時給千円未満のバイトさんが相手だとしても払った金惜しさにあまり脱落せず、一定の期間、強力な食事制限を受け入れて実行してしまいます。
ここで、別に「もしアメリカなら」とか海外を持ち出して比較するわけではないんですが、当然のことながら、ダイエットを行うにあたり一定期間指導されることで対価を払うわけですから、ライザップに多額のお金を払って時給千円未満のトレーナーさんに食事内容を報告する日々が過ぎれば自由に食事をできるようになります。
当然リバウンドするわけですね。
ライザップは、会員としてお金の払われた期間中は返金保証をしてくれますが、このリバウンドに対しては「大多数の会員が契約満了後にリバウンドをする」と知りつつ保証してくれません。
「自己責任です」「ざまあw」という話はもっともなのですが、問題は、そういうリバウンドをする可能性をライザップは知っていてこのメニューを高い価格設定で会員にサービスを受けさせ、時給千円未満のトレーナーさんに面倒を見させていたのかという点です。
そして、ライザップが宣伝等で喧伝しているのは「理想のカラダを手に入れる」です。それは、繰り返しますが契約されている期間中のみの保証であるわけです。契約期間が終わって以降は自己責任で痩せた体を維持してね、という話であるので、ライザップ契約期間中、厳しい食事制限で無理やり痩せさせることにライザップ側は障害はありません。
しかしながら、会員がリバウンドをすることをある程度承知でライザップがサービスを行っている以上、常識的に考えて、減った体重を無理なく充分維持でき痩せたまま暮らすことのできるメソッドをきちんと会員さんに提供できない限り「理想のカラダを手に入れ」たことにはならないのではないかと言えるわけです。だって、リバウンドするのは当然であるような無理な食事療法を会員さんに強いるわけですから。ライザップに金を払い続けなければ維持できない体形というのは、それはライザップにとって理想の会員なのであって、会員が理想のカラダを手に入れたことにはならないのではないか、というわけです。
このあたり、ダイエット系の商法のむつかしさがあり、さじ加減ひとつで詐欺にもなるし、見ようによっては適法、リバウンド承知のサービスであったとしても自己責任だと言えなくもありません。消費者問題に詳しい弁護士でも意見が分かれているようですが… 個人的にはライザップが組織としてサービスをとめた際にほとんどの会員さんがリバウンドする危険性があると知っていて、なお実施に過酷な食事制限を会員さんに強いる運営をしているのであれば、問題のある取引であるという疑いを拭い去れないと思います。
なお、私自身は栄養学にはまったく詳しくありませんが、入手したライザップの食事指導の内容をもとに栄養士さんたちが判断するには、一日あたりのカロリーが決定的に不足する場合があり、痩せて当然という見解ばかりが出てきます。もちろん栄養失調やホルモンバランス異常になるようなケースは少ないだろうとのことですが、むしろ、ライザップの契約期間中に意識障害(過度な眠さや疲労)が出る会員さんは実は多いのではないかという印象をもたれるケースが多いようです。実はそれは過度な食事制限ダイエットによる健康被害そのものなんじゃないかと私なんかは思うわけですが、どうでしょうか。
逆に言えば、このビジネスモデルで急成長するのが分かっていて、しかし大手のフィットネスクラブその他が似たようなビジネスに参入しないのは、トレーニングと食事療法の組み合わせで時間をかけて体質改善をし、急激には痩せさせないで長くスポーツに慣れ親しみ食事を改善することによって末永く健康であるようサポートするのが正しいと考える会社が多いからです。
「もし『二ヶ月で10kg落としました』というのが本当に望ましいダイエット方法であるならば、とっくに参入していますよ」というのが業界関係者から聞かれたとても特徴的な台詞でありましたが、ぜひライザップを運営する健康コーポレーションにおかれましては週刊新潮を営業妨害などで提訴したりして騒ぎを拡大して心行くまで殴り合っていただきたいと切に願う次第であります。
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