集団的自衛権強行で支持率が大変なことに
メルマガでも書いたんですが、ちょっと例の集団的自衛権の閣議決定を強行したことで明らかに安倍政権に対する支持の構造が劣化したように感じられるのでメモ風に。
興味関心の部分においては細谷雄一さんのブログに概要までは書いてありますけれども、中韓首脳会議前にブチ込みたかった件や公明党との鍔迫り合いその他で「この時期しかなかった」というのは分からないでもないんですけどね。
集団的自衛権の行使容認に関する閣議決定
http://blog.livedoor.jp/hosoyayuichi/archives/1865199.html
速報その他については読売が書いてますが…。
内閣支持率、5割切る…政府・与党に衝撃
http://www.yomiuri.co.jp/politics/20140703-OYT1T50197.html
アメリカなどと違い、日本の場合は投票に行く人と行かない人との差はあまり考慮せず、パンにバターを塗るようなやり方で支持率を数字で把握することも多いのですが、支持の中心である50代女性の支持率が大きく減少し、上の世代にも波及していくであろうことが明確なので、今後しばらくは支持率という点で結構なダウントレンドになると思います。同時に、支持政党なしが増えていくんだろうなあということで。
それだけインパクトのある内容だったんですが、ちょっと途上ではありますが聞き取りとかやったログ見てますと「説明が不十分」「理解できていない」など、政策そのものに対する理解が行き届かずに”集団的自衛権”という言葉の危険性だけがセットになって不信感を呼び起こした点は、政府広報のあり方の失敗であると断定してよいんじゃないかと思っております。マスメディアを通してだけでなく、充分な必要性や議論の中身を詰めて密度の高い論述を国民に対して提示する努力をもっと払うべきだったと。
一番困るのは、支持率低下傾向に歯止めをかけられる政策が見当たらないところであります。というか、今後日本が取り組むべき課題で言うならば、かなり本腰での財政関連の議論や社会保障費削減など、中年女性が一番ビビッドに反応するところで「身を切る痛い政策」を次期国会以降で打ち出す必要があるからで、最悪の場合、安倍政権が変な倒れ方をして揺り戻しでも発生したら目も当てられません。
某所でもお話しましたが、いまの政権運営に大きく欠けているのは「謙虚さ」と「充分な説明を国民に直接行う気持ち」なんじゃないかと思います。たぶんこのあと詳細な数字が続々と出てくると思いますが、おそらく集団的自衛権の問題について賛成、あるいは反対の態度を取っている国民の6割以上が「集団的自衛権の意味」や「背景」、「今後の日本・外交にかかわる影響」について理解しないままでいます。
必要だからと考えて行った政策が、国民からすればなぜ必要なのかきちんと理解しきれないままで何となく反対されて支持率を失うというのは、トレンドとして「どんどん信頼されなくなっていく」方向ですので、もうちょっと考えたほうがいいんじゃないかと思いました。
平和を志向する党であるはずの公明党が政権にいるのに、国際的には日本と中韓の対立が先鋭化して戦争間近と思われていることに対しても、もう少し国民の間で理解できる仕組みがあるといいなと。
誰かどうにかしないんでしょうか。
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