せめて一年ごとに『何をするか』をまとめておくのをお奨めします
ゴールデンウィークだそうですが、普通に働いております。
ただ、日曜日ですし相手さんが休んでいたりするため、連絡は少なく、個人的な業務や考え事をしたり、整理をして一日を過ごしているわけですが。
先日、自己啓発書を解説したり批評したりするテーマでイベントをやったんですが、結構反響が個人的にあったんですよ。基本的には「自己啓発をありがたがる奴は自分のアタマで考えることが出来ないケースが多くてとてもキモい」という目線で語ることが多いんですが、一方で、私自身は自己啓発書の古典的な方法論である”ステートメント”を毎週、毎月、毎年作成して管理しています。
といっても、仕事のto do管理の延長線上で「そういえば、今月自分はどんなテーマで生きようとしていたんだっけ?」という備忘録的なものであり、また年間スケジュールというのは意外に忘れがちであるので、この辺を整理しておくと取りこぼしがなく、また直前になって慌てることもないというだけの話なんですけどね。
「ビジネス書ぶった斬りナイト7」で取り上げた本
http://buttagiri-site.cocolog-nifty.com/blog/2014/05/7-a614.html
漆原直行さんが、取り上げた本の中で、いわゆる自己啓発書の「古典」として取り上げている本があるわけなんですけれども、私個人としましては『人を動かす』(D・カーネギー著)だけまずは読んでおけばOKじゃないかと思っております。「それ以外は要らない」という話じゃなくて、いろんな本を読んできた中で「これを読んでおけば、残りは個人個人の好みや意欲によって受け取り方が異なるというバリエーションの話になる」という意味です。
ここのリストにはありませんが、イベントでも取り上げた本はこちらです。どちらかというと、カーネギーの『人を動かす』よりもかなり「処世」に寄る本ですが、状況によって人は何を思うのか、気を遣うときにに何を旨とするべきかという自己反省のために読み返すと面白いのです。
また、同じ「処世」でもバルタザール・グラシアンの『賢者の知恵』は趣が若干違います。これもリストにはありませんが、どちらかというとこちらは己が超絶した他者とは違う何かで、それでも生きていくために他人との関係性を持たなければならない、憂鬱なものだ、というクリスタニティな考え方からすると物凄く理解しやすいです。
そういう本を読みこなしていたとしても、自身の行動によってしか物事は改善せず、良きにせよ悪しきにせよそれは本人の心の持ち方で万事変わってくる以上、健やかな心身の追求というのは実に大事なことでもあります。簡単に一言で書いちゃってますけど、自分の人生や、進むべき道を考えたときに、ある種の二元論に陥ってみたりとか、総体で考えたりとか、いったりきたりしやすい、そしてそこで悩むのも人間だということなんでしょう。
二元論で言うならば、だいたい4象限あって、「なりたい自分」と「いまの自分」というto beとcan beの違いがあり、さらに「受け取る自己」と「作用するべき他人、環境」とに分かれる。ベストセラーとなった『7つの習慣』については、漆原さんが今後ありようをまとめると思いますが(期待)、3つの習慣を自己のために、3つの習慣を環境のために分けて論じています。あざといけど、しかし自己と他人のかかわりのなかで社会性が成立し、成功も失敗も客観的には他者からの評価が、主観的には個人の考え方が作用する以上、それの摩擦で人間が常に悩む関係を理解しなければ人間は苦悩から解放されないのだ、というのは自明のことなんですよね。
で、私自身がこの5月のことを整理してみますと、この一年いろいろありました。例年、出会った人と別れた人(疎遠になった人)リストを作って見比べるわけなんですけれども、やはり人間厄年になると考え方も変わり、また結婚と出産が私の人生を非常に大きく変えたのだということがここ数年如実に感じられる結果となっております。読者の大半には無関係なことですが。
そういう気づきも自己反省と軌道修正も、長年に渡って自分なりに考えてステートメントというか「今年したいこと、去年どうだったか」をちくちくと作って読み返してきたから分かることであって、デスクトップの片隅でメモ書きファイルで良いから「何になろうとしているのか(何を価値としているのか)」「誰を重要と思っているのか」「どういう優先順位で物事に取り組もうとしているのか」といったあたりは整理して置いておいて、日付振って見返してみるだけで随分違うんじゃないかと思います。
あ、良く分かりませんがイベントでご一緒している中川淳一郎さん、漆原直行さんとも『ビジネス書ぶった斬りナイト』関連のnote.muでも立ち上げてみようかという企画も考案中です。ビジネス書関係なく書籍紹介サイトになっちゃうかもしれないけど。ご関心のある向きは是非に。
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