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2013.12.10

飛鳥新社の言う著作権に詳しい弁護士って誰だよ

 結構な反応が飛鳥新社公式から出てきました。これはもう一度潰れないといけないのかもしれませんねえ。

「昆虫交尾図鑑」について
http://www.asukashinsha.co.jp/news/n7377.html
女子芸大生の『昆虫交尾図鑑』のトレース疑惑が熱い
http://kirik.tea-nifty.com/diary/2013/12/post-5cbc.html
話題沸騰中の新発売された女子藝大生が描いた「昆虫交尾図鑑」の絵が写真のトレース疑惑ッ! 炎上へ…
http://uhosoku.e-sakenomi.com/subject/201312086163

 今回、著作権者が非常に心の広い方だったので問題にならずに済む程度の流れだったのですが、当の作者が抗議の申し入れ、その後著者が謝罪という流れをしていることを考えると、本来ならば話にならん展開だと思うわけですね。

Notice_131210


 本来ならば、このトレース疑惑をかけられた女子芸大生よりも、編集者の側が著作権の確認をするべきところを結果として怠って問題となったとも言えます。ぶっちゃけ、初めて書籍を出版する学生が、ネットにある素材を参考としてトレースをしてしまったとしても、それは模写であり、本来の写真の著作権を持つ人の承諾を得られるのであればそこまでの問題にはならなかったわけです。

 しかし、実際には今回飛鳥新社の公式にあるとおり弁護士がそういっているから問題とはならないのだとはなるはずもなく、そもそもトレースにおける著作権侵害の問題については過去複数の事例を元に一定の見解がまとまっている世界であることを考えると、その「以上の弊社見解は、著作権に詳しい弁護士の検討を経たものです」というのは具体的にどの弁護士がどのような事例を元に下した結論であるのか大変興味深いところです。

 一連の指摘においては飛鳥新社が言うところの「理由のない中傷」とは程遠く、場合によっては出版差し止めも可能であるレベルの唐沢俊一級やらかしであることは言うまでもありません。著者がお騒がせしましたと謝罪をしているのに、版元の飛鳥新社が編集の責任をないがしろにして開き直っている理由がいまひとつ理解できないわけですが、”角度が違ってるから著作権上OK”とかクソみたいな言い訳してないで現物の写真を無償で公開しておられた著作者に補償のひとつも申し出ろよと思う次第でございます。

 今後ともよろしくお願い申し上げます。


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    やまもといちろう

    ブロガー・投資家・イレギュラーズアンドパートナーズ代表取締役。
    著書に「ネットビジネスの終わり (Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など多数。

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