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2013.10.01

医療のビッグデータに関して

 興味深かったので。本稿は元記事を否定するものでも批判するものもありませんが、一応。

「優秀」な医療機関はごく一部、
医療のビッグデータが示す現実とは
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/38789

 たぶん、この書き手の多田智裕さんは自明のこととして敢えて触れていないのかもしれませんが、論点としては2つ。ひとつはその症例が手術するべきものであるかどうか、次に、患者にとって「”優秀な”医療機関とは何か」です。

 もちろん、NCDで取り扱うデータは麻酔手術のものである以上、そこから導き出されるデータは疾患別の治療成績と一部の予後であって、これをもって有効な情報を導き出せるかというと微妙なところです。だからこそ、情報の読み取り方を理解できない国民が勘違いをして騒ぐ(あるいは週刊誌などで面白おかしく報道される)危険を考えて公表しない、となるわけですけれども、実際には、大きな生存リスクを負った手術を多く行う病院は平均以下の技量しかもたないと判断される傾向が出やすいのが実際だろうと思います。

 おそらくは、症例別、進行度別に分かれたさらに細かい属性データから「そこの執刀医は能力的に高いか否か」というジャッジも今後はされていく可能性はあるのでしょうが、この辺のスコアを気にし始めるとターンアラウンドの見込みのない患者は手術しない傾向が出てくるでしょうし、いったん落としたスコアは経年的に追えてしまうと二度とその医院や執刀医の名誉は回復しないということになります。

 したがって、今後この手のデータが意味ある形で活用されるとすると、どのような経緯のどういう進行度の症例が、どのような処置をされればどのくらいの生存率上昇に寄与するか、といった点と、卒2クラスからベテランにいたるまでのスキルカーブがどのように上昇し、どんな頻度で手術を経験すれば全体のスキルアップに繋がるのかといったシステムズアプローチが重要なのだろうなあと外野からは感じる次第です。

 なおmixiの外科手術はいつになりますでしょうか。


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    やまもといちろう

    ブロガー・投資家・イレギュラーズアンドパートナーズ代表取締役。
    著書に「ネットビジネスの終わり (Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など多数。

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