日本の伝統的な家族制度って、いつからの伝統なんだろう
暇ネタで恐縮ですが、NHKで婚外子に関する民法改正案を自民党が先送りにしたというニュースが流れてきまして。
自民法務部会 民法改正案の了承見送り
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131029/k10015646411000.html
[引用] 自民党の法務部会は、結婚していない両親の子ども、いわゆる「婚外子」の遺産相続を「嫡出子」と同等にする民法の改正案を先週から審査していますが、「伝統的な家族制度を崩壊させる」などと慎重な意見が相次いでいます。
この辺の話は確かにデリケートではあるため、一概に良いの悪いの言える立場にはないのですが、ただいまの結婚制度と日本の家族のあり方というのは、ここ半世紀ぐらいの制度であって、日本人の家族観は時代や状況により大きく変遷してきたというのもまた事実です。戦後といっても60年ほどであり、それをもって「伝統」というのも辛く、また明治から戦前の結婚制度というのはご存知の通り住民基本台帳制度や戸籍制度に由来する部分も多々あるので、何を持って日本の伝統的な家族制度とするのか実に悩ましいわけです。
その中で、嫡出子と婚外子に人間としての価値の軽重を図るのは制度上、人権問題とバッティングするのは自明なので、夫婦別姓問題や離婚後三百日問題といった別の家族制ジレンマとセットで問題となるのでありましょう。要するに、女性の社会進出が進めば「婚姻に頼って専業主婦となり女性は家を守るのである」的な価値観は想定的なものとなって、家長とか大黒柱などといった古き良き(良いのか知らんが)日本の伝統とは無縁の社会問題ばかりが引き起こされるという話です。
この問題には全員が納得する解決など当然あるはずもないので、政治がある程度線引きをするのは当然であるとしても、この自民党のいう日本の伝統的な家族制度というのがそもそも何で、婚外子の遺産相続の差別をなくすことがどうして家族制度を崩壊させるとするのか、良く分からんのですね。結婚へのインセンティブを高めよう、それに伴う出生率の向上や希望する女性の社会進出を進めて弾力性のある家族制度を作ろうというのなら分かりますが、ちらちらと本件調べて考えても何が問題なのかいまひとつピンと来ないのであります。
いったい何がどうなってしまうのでしょう。