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2013.07.06

ワタミ前会長・渡邉美樹氏は落選運動をするまでもないかもしれない

 一部TwitterやFACEBOOKなどで「自民党は応援したいけど、渡邉美樹は当選させたくない人たち」に対して、どうすれば自民表を傷つけずに渡邉さんだけを落選させられるか検証し、方法を推奨する連絡が出回っております。

 が、現状で見まして、すでに渡邉美樹さんは自分に対する投票の呼びかけを従業員に対して行ったビデオが多数流出しており、今週発売の週刊文春にもこのビデオがすでに報じられて、公職選挙法上どう考えてもアウトという状態になっています。ネット選挙解禁とか吹き飛ぶぐらい、ど真ん中の公選法違反の事案です。

ワタミ前会長・渡邉美樹氏が公職選挙法違反か / 週刊文春が証拠となるビデオを公開
http://rocketnews24.com/2013/07/03/346600/
渡辺美樹・ワタミ前会長の公選法違反証拠ビデオ公開 【週刊文春】
http://www.youtube.com/watch?v=cEbwaFAdww4

 問題は、当選した場合に連座して当選取り消しになるかどうかですが、各党陣営でも認識しているとおり、これも事件となれば連座は免れ得ないということになります。その意味では、どのような選挙活動を渡邉さんがしようと、またどれだけ得票しようと、現状で然るべき措置が取られるのであれば自動的に落選という前提で考えてよいのではないでしょうか。

 むしろ、公職選挙法違反であるというアピールを野党陣営や東京都民が然るべき粒度で行う必要があり、また、渡邉陣営としては「そのような事実はなかった」と強弁して対抗するわけでありまして、ビデオは捏造だ、あるいは立候補を決めるはるか前に撮影したものだ等の申し開きを準備し、証言が出ないよう細心の努力を払う必要があるように感じます。

 ただ、どこまで人望がないのか、この文春に持ち込まれたビデオ以外にも、印刷物や上司からの投票依頼(一説には強制)を疑わせるメモまで乱舞する始末で、もう少しどうにかならないんだろうかと思うわけです。

 個人的には、いっそのことバッジをつけてもらって、議員席に座った上で野党側から十字砲火のような質問攻勢を無尽に叩きつけられ、右往左往の挙句、壊滅的な打撃を蒙ってブラック企業と揶揄される企業の自発的是正を促すような歴史的事件を起こしたうえで、いろいろ対策が打たれたあとで公職選挙法違反を蒸し返すようなソ連時代の政治闘争ばりのネタを披露して欲しいと思うわけですね。

 自民党にとっては、うっかり公認してしまったばっかりにとんでもない地雷を抱え込むわけですけれども、学校法人しかり税金問題しかりさまざまな問題に取り組む姿勢を見せるために掛け金を吊り上げようとしている、という超高度なテクニックなのかもしれません。

 逆に、これで公選法違反で当選取り消しがされなかったのだとするならば、何らか別の力学が働いたと思われてもおかしくない物件であります。まかり間違って、ここで学校法人の税制を利用した脱税でも万が一発覚しようものなら大変なことになりますし、介護施設でコストダウンのために一食200円台の不衛生かつ自治体の定める栄養管理指針に満たない食事を入居老人に常態的に提供していたんだなんて話が万が一飛び出すとこれもまずいでしょうし、まさかとは思いますがいまどきになって店長をみなし管理職として休日出勤を組織ぐるみで強要し休日を報告しないよう指導していたなんて話が万が一出ますと、議員になってからのほうが大変だろうと思うわけです。まさかそんなことはしていませんよね。

 とりあえず、間を取ってmixiが悪いということで、人類すべての罪を背負ってmixiが崩壊壊滅する方向でお願いしたいと考えております。

 ぜんぜん別件ですが、文春が中国スパイ関連のスクープ記事を今週トップにもってきていますけど、個人的にはあれはもっとちゃんと掘るといろいろ出てくるんじゃないかと興味津々です。アンケート騒動に心を折ることなく文春には頑張っていただきたいと切に願っております。


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    やまもといちろう

    ブロガー・投資家・イレギュラーズアンドパートナーズ代表取締役。
    著書に「ネットビジネスの終わり (Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など多数。

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