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2013.05.04

常見陽平なりすまし祭開催からの津田大介ネタ

 しょっぱい話であるが、POSSEという団体がありまして、今野晴貴さんという御仁やその周辺の身許がおかしいよ、という文書が出回っております。

【今野晴貴】新左翼カルト・NPO法人POSSEに注意!【ブラック企業】
http://matome.naver.jp/odai/2136367280864865401

 POSSEには、過日私も寄稿しておりますのよね。

【告知】『POSSE vol.18: ブラック企業対策会議』に寄稿しました
http://kirik.tea-nifty.com/diary/2013/04/posse-vol18-beb.html

 で、POSSEや今野晴貴さんが何者であり、どんな運動に身を投じてきた御仁であるかは、まあ、結構知られた話ではあります。そういうことを分かって付き合う人もあり、知らずに加担する人あり、その辺は文字通り様々であります。それは、私自身が保守系の慶應義塾大学文化団体連盟の委員長を二期務めさせていただいておりましたので、機微というものがあることは良く存じているつもりでいます。

 ただねえ、POSSEが革マル偽装団体と主張したい人たちの気持ちは分かるんですが、このいまの時期にどうのこうの言うというのは、二つの意味で間違っていると思うんです。ひとつは、ひょっとしたら無害化するかもしれないし、社会から認められていく中で変容するかもしれないこと。社会とのかかわりの持ち始めは社会運動だったかもしれないけど、大人になるに従って転向して保守的になり、普通に自民党に投票するような親父もたくさんいる。もうひとつは、偽装、というからにはいずれ得た影響力を何らかの形で本丸の活動に行使し始めようとするだろうから、そうなってから批判するなり叩くなりすればいいんじゃないの、ということ。まだ痩せた幼い豚を出荷するのは畜産農家としての自覚が不足しているのではないかという議論です。

 そして、それこそ湯浅誠さんのように、内閣府参与など公職につけてみて、その人の真価が分かることだってあるわけで。いろんな噂がまとわりついた湯浅さんではありましたが、結論から言えば、極めて善良極まりない御仁でありました。裏表も無く、安穏な人柄のようであります。もちろん左翼だスパイだいろいろ言っていた人はいましたが、蓋を開けてみれば人を疑うことを知らない優しすぎる人だったという。脇が甘すぎると言うか。

 当初は革命の闘士で最前線で戦っていた人が、数十年の時を経て一部上場の社長になったりするこの時代ですし、過去のいきさつは良く理解したうえでしっかりと定点観測して誤った道を歩んでいないかヲチをしながら行く末を生暖かく見守るのも大人の芸風なんだろうなあと思います。もちろん、あんな新左翼崩れが文化人や知識人の評価を得て一般社会での言論活動を繰り広げて信頼を得ているように見える、それはけしからん、という気持ちは分かりますよ。とても良く分かる。でも、世間はそこまで馬鹿ではないし、みんなちゃんと知っています。それが問題になるようであれば、加担した人も含めて認識をすれば、きちんと批判を氏袋叩きにすることでしょう。

 問題は、常見陽平さんやその他文化人の名前を騙って、POSSEや今野さん周辺が左翼系知識人の系統であるとメールなどで中傷をしている点です。や、新左翼がどうとか、その程度のこと匿名告発など頂戴しなくてもみんな知ってますから。

なりすましメールの被害のお知らせ
http://blog.livedoor.jp/yoheitsunemi/archives/54475741.html

 おそらくPOSSE方面に粘着している数人のうちの一人が、思い余ってやったのが、常見陽平さんらの名前を騙って、ウェブ系の有名人に総当りに近い形で風評をばら撒いたことであります。いやあ、そうしたい気持ちは分かるんですけどねえ… あんまり効果がないんですよ、それがどうしたとしか思いませんから。新左翼系知識人でも正論を述べ日本人や日本社会のためになる活動に従事し身を捧げているのであれば、経緯はどうであれ人によっては協力を惜しまないでしょう。

 ネトウヨと呼ばれる人々であっても、その活動が誠実で正義の実現にコミットしているのであれば、その人が仮に過去に問題がある経歴を持っていたり、いま無職であったとしても助力することには抵抗が無い知識人も数多く居ると思います。もちろん過去の経歴を気にすることはあるでしょうが、いまその人が取り組んでいる活動に価値があるのならば、必ずしもそのすべてを否定する材料にはならない、ということです。

 常見さんもそういう考えの一人であり、また騙りメールとしてばら撒かれた先の人々は、等しく「まあいいんじゃねえの、意味ある活動なら」と考える価値観を持っています。80年代ならともかく、いまこの状況で公安に追いかけられているわけでもない人たちを、根元から叩こうといっても、あんまり賛同は広がらないんじゃないでしょうかね。将来確実に、暴力的で破壊的な活動に従事するという危険があるのだ、ということであれば、さすがにまずいでしょうが。そういう具体的な話はまだないです。

 なので、冒頭にPOSSE批判をしたい人たちが編集したと思しきTogetterをリンクしておきます。事態をどう感じるかは、読んだ人が自分自身でご判断いただければと思います。私は、POSSEを叩きたい人たちの気持ちも分かりますし、POSSEが取り組みたい社会問題についても理解できます。まあ、世間が不安定になるような画策に加担しなければ良しといったところでしょうか、私は。

 ついでに、津田大介さんの反ヘイトスピーチ方面も盛り上がっていたので触れておきます。
 POSSE関係者が新左翼あがりだと批判されておりますが、その論法でいくと津田大介さんは割れ厨方面のネトラン御用達ライターだと糾弾されかねず、それは単なる誹謗中傷になりかねませんのでお控えください。絶対にだ。

岡田ぱみゅぱみゅさんの津田大介氏炎上関連まとめ
http://togetter.com/li/496835

 ぶっちゃけ、荻上ちきりん女史がテレビで津田さんを煽ってみだりに朝鮮人の例示で使い「そんじゃーね」と言ったところまでは何となく承知していたのですが、私自身は岡田ぱみゅぱみゅ氏なる人物がどういう御仁なのかも良く知らないので論評を控えておりました。

 ただ、津田さんも自分からセンシティブワードを触りにいって揮発性の強い発言をした以上は、ある程度、送り火を頂戴するのも分かっていたように感じますし、その程度で残念がる人間とも思えません。最近太ったなあと感じるぐらいでしょうか。脂分が増えたカルビは炭火で焼くと油がしたたって燃えてしまい、表面だけ黒く焼けてしまっておいしく食べられないという焼肉愛好家の知恵を津田さんには授けておきたいところです。

 簡単にいえば、梅田望夫風の「残念なウェブ」の典型でありましょう。ただ、そもそもウェブでの著名人は煽られてナンボであります。ヘイト値が増えがちな分野での発言が津田さん自身にとってはどうしても増加傾向である以上、なるだけゴミ箱の中身を見て「ゴミがたくさん入っている!」と公衆の面前で語るような無駄は控えたほうが望ましいと思います。

 しかも、ネトウヨ方向というのは、嫉妬もあるかもしれないけど正義感や社会活動への貢献意欲もまた高いわけですから、そういう人たちが集いがちなまとめサイトに向かって遺憾ミサイルを撃ち込むのは逆効果なんじゃないの、と。

 津田大介さんもせっかく離陸したのに天候が悪くなってしまって、なんとももったいない限りです。代わりに、はてなあたりが飛行中に落雷を食らって火災を起こしバランスを崩して墜落しないものでしょうか。その墜落地点にmixi本社でも構えられていれば爆発炎上即成仏で、その結果、自動的に天下泰平が実現しそうで嬉しい限りです。

 とりあえず、ユニクロ社員に労働組合を作らせよう。


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    やまもといちろう

    ブロガー・投資家・イレギュラーズアンドパートナーズ代表取締役。
    著書に「ネットビジネスの終わり (Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など多数。

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