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2013.04.16

政治に実業家が寄り添うにあたって気をつけて欲しい2つのこと

 おそらくはこの辺が元ネタになって起き始めている騒動だろうとは思いますけれども、老婆心までに。

日本に起業家が増える日
http://blog.livedoor.jp/daisuke_iwase/archives/6454906.html

 岩瀬大輔さんについては、こちらの名著がありまして、是非とも穴が開くまで読まれたい逸品となっております。


[引用] 新経済連盟の代表理事である三木谷氏が産業競争力会議に、同じく理事である金丸氏が規制改革会議に入っていることは、今後の経済再生にとって大きな意味を持つ。

 まさに、正論ですね。

 正論であるがゆえに、だいたい2つの方向からつつこうという勢力が出てくることを忘れてはなりません。もちろん、片方は、その正論が政策的に実現されようとすると割を食う人たち。またもうひとつは、その実現するパワーを発揮する人をコケさせたい人たち。いまは、後者の勢いが衰えているので画期的な話になりそうだという期待感でどうとでもなるところではありますが、どんな磐石な政権もいずれ終わります。「政商」と言われた西武方面やオリックス方面が時の政権に寵愛された後、どのような末路を辿ったのか歴史を良く見ておくべきだと個人的には思います。

 目立つ形で政治に絡むのであれば、身奇麗でなければなりません。新経済連盟には、おかしな人たちがかなり混ざっていますね。また、彼らが求める「起業家を増やす」というのは正論にせよ、これら起業家がどういう人たちから資金的な支援を得て株式上場させようとしているのか、受益者を良く見て判断していかなければなりません。私利私欲で政権に食い込み、商売上都合の良い規制緩和を実現させて盛り上がった産業がどうなったのかも、歴史が示すところです。人材派遣業界然り、リース業界然り、だいたい規制緩和をし数年を経て社会問題を起こした挙句に戦犯として社会に復讐されることになるのです。クリスタルグループ→コムスンであったり、フルキャストであったり、新経済連盟が単なる「お仲間グループの金儲け」の大義名分の旗で終わらないようにして欲しいと願います。

 そうであるために、2つの希望を書いておきます。

1. 起業家の「exit」を利権にしないこと

 企業化を育てるということは構いません。社会にはイノベーションが必要で、それを担うのは起業家以外の何者でもありません。その起業家が育ちやすい制度を作ることは、日本経済を強靭にし、次世代の日本を担う産業を育む素地となります。

 その一方で、起業家が成功していくには資金調達が必要です。政策の後押しを受けて、有望な起業家がこれらのお仲間経済団体の青田買いのような状態になると、結局は誰かのポケットにお金を押し込むために政権が利用されたという判断になってしまうことも考えられます。善意は善意のままで終わらないと、しょっぱいことになると思うんですよね。

2. 政権にぶら下がりすぎないこと

 日本の経済をより良くし、社会を発展させるために経済界から然るべき提言をし、政策を実現していくというのは大変重要なことであります。ただ、それは数年で帰着させるべきものではなく、社会の中であれこれ試行錯誤しながら十年、数十年のスパンで実現していくべきものです。

 確かに、現行下の安倍政権は経済政策に積極的ですし、支持率の原点ですから、空白であった三番目の矢の「成長戦略」を担うキャストとして最適であったと食いつくのは分かります。ただ、ご承知のように政権というのは変わり得ます。また、政権が移行すると、そこにぶら下がっている人たちは民間であれ役人であれ一掃されるのが普通です。その途上で、当然スキャンダルに見舞われることになります。

 せっかく良い主張をしているのですから、どうか全政党的、超党派的な、複眼のパブリシティを願いたいところであります。いずれ政権が終わるとき、それまで意味のあった取り組みが灰燼に帰するのは国益に資しません。

楽天・三木谷氏の「インターネット国有化論」に波紋
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130416/biz13041608320005-n1.htm

 議論としては、物凄く良く分かるんですよね。NTT再々編とか、国民生活で欠かせないインフラになっているのだ、中立性の問題もあるのだということも考えれば、物凄く意味のあるお話であります。こういう話を丁寧にフォローアップして、時間をかけてでもやりきるのだ、という決意がどこまであるんだろうか? ということでもあります。

Japan New Economy Summit: What is Disruptive Innovation
http://ow.ly/k5X8y

 もうこの辺までくると、三木谷さんがいま感じている全能感、万能感に、安倍晋三さんとの関係の良さで一気に調子付いているという状態なんでしょうね。変に足元掬われて、せっかくのイノベーション戦略が台無しにならないことを祈るのみです。

 …とまあ、そういうことなので、日本維新の会は対抗馬としてmixiを担いで国民総mixi制を提唱して国会で袋叩きに遭い簀巻きにされて荼毘に付されることで世の中が丸く収まり私たちの心の中でいつまでもmixiは生き続けるのであった、ありがとうmixi。


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    やまもといちろう

    ブロガー・投資家・イレギュラーズアンドパートナーズ代表取締役。
    著書に「ネットビジネスの終わり (Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など多数。

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