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2013.02.01

柔道界が世界の谷亮子を挟んでプロレス化

 角界に続け! とばかりにスキャンダラスな話題を振りまいております我が国の柔道界ですが、なんでも暴力指導を巡って告発が天を轟き、呼び出された空に舞う龍が東京五輪を粉砕せんばかりの勢いとなっております。

 何が一番面白いって、谷亮子です。

谷亮子議員 監督留任は「賢明な判断」
http://www.nikkansports.com/sports/news/f-sp-tp0-20130131-1079064.html
園田監督辞任 暴力も「死ね」も認めた
http://www.nikkansports.com/sports/news/p-sp-tp0-20130201-1079346.html

 同じ日刊スポーツであるにもかかわらず、谷亮子が監督のことを庇った直後に監督が暴力沙汰を認めて自ら辞任という、まさに流れ落ちる滝のような予定調和でありまして、虹まで出ている感じで美しいです。

谷亮子氏「私は暴力受けた経験ない」 再発防止策求める
http://www.asahi.com/national/update/0131/TKY201301310106.html

 まるで田村亮子時代も含めて現役の頃は暴力沙汰がなかったとでも言わんばかりの物言いが素晴らしいのですが、当時出ていた『噂の眞相』では谷亮子自身がその練習で結構なことを相手にやらかしていたことが告発されるなど、彼女だけの責任ではないにせよ触れないほうがいいことがたくさん転がっているように感じられるわけです。

 それに引き換え、内柴正人被告の散りっぷりはなかなか壮絶で、味わいさえ感じさせる内容でありまして、やはり柔道界に必要なのはスキャンダルのネタを出し続け忘れ去られないために頑張る人材の層の厚さなんじゃないのかなと思います。

内柴被告「冷静に今後のことを考える」
http://www.nikkansports.com/sports/news/f-sp-tp0-20130201-1079562.html

 角界もそうでしたが、ひとつのキャリアに絞り込んで技を磨き、その中で上を目指して切磋琢磨していくことは、人間の成長にとって良いことである反面、そのキャリアの終了と共にいままでの常識が通用しない社会へ出て行くことや、時代の変化と共に自分が育った環境のメソッドが否定されたときに受け入れる心の磨き方というのはなかなかむつかしい、ということなのでありましょう。

 「殴って人は育たない」は当然として、しかし指導者として、あるいは父親として、我が子や生徒が練習や勉学に向き合わないときにどうするのか、というのは永遠の課題のように思うのです。せめて、目の前で一緒にいる20分なり30分ぐらいは集中してこれをやってくれよ、と言っても聞かないとか、相手も人間だからあるわけですし、私だって指導してくれる人にとってはやりづらい子供だったろうから、振り返れば殴られてどう思ったのか、練習なり勉学なりを強要されてやることの苦痛が本当に自分の成長に寄与しただろうか、ということを思い返すことなんだろうと。

 また、子供と同じく指導者もはじめから偉大ではないし、またベテランの指導者であっても教える相手との相性もあるでしょう。コーチってそういうもんだと思うんで。そういったところから考えて、どういう指導法が柔道だけでなく相撲や野球やサッカーなどのスポーツ、あるいは理系の研究室や企業の人事なども含めて方法論を考えないといかんのでしょうね。

 俗に言う、日本人の魂の脱戦後とか、近代化ってやつでしょうか。


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    やまもといちろう

    ブロガー・投資家・イレギュラーズアンドパートナーズ代表取締役。
    著書に「ネットビジネスの終わり (Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など多数。

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