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2012.08.17

政権末期の韓国と政権末期の日本と政権末期の中国が凄すぎる

 いろんなもんが終わりつつある三国間の外交を見ていると、とてつもなく面白いんですよ。
 ロシアからもいろいろ言われてますけど、このロシアのどうでもいい扱われっぷりというのは、きっとロシアは政権末期ではないからなんだろうとすら思ってしまうのです。

 もちろん、日本が中国に比べると国威を衰退させて政治が混乱し続けているので、外交面での当事者能力をやや失っていることもあって領土問題で強く出られやすい状況にある、というのも織り込んだ上での話ですが。

日本の目、私が覚まさせようと…韓国大統領
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20120815-OYT1T01091.htm

 韓国系のアホなメディアがさかんに煽っているのを見ますと「あっ、これは普通に話しても通じないな」と思うのは当然のことだと思うのです。もちろん、アジア問題を話し合う英語圏のフォーラムなどでは在外韓国人自体が「いまの李政権は末期で必死だし、国民も政府に強い姿勢を求めることしかできない状況だから、申し訳ないけど次の政権ができるまでは日本には我慢して欲しい」みたいなことを言うわけなんですけれども、こちらはこちらで野田さんが「そのうち解散総選挙」とか言いましたので、求心力の低下はちょっと酷い感じで国民の支持率が2割を切ったとかいう報道も出る始末なのです。それでいて株価が9,100円回復してたりするわけで、なんなんでしょう、わが国は。

韓国 「天皇が韓国人に土下座して真の謝罪をしなければならない秘密文書を発見した」
http://www.idaegu.co.kr/gisa.html?uid=253501

「日本は独島侵奪野心を中断して、私たちの固有の領土である対馬を返還しろ」
http://www.kbmaeil.com/news/articleView.html?idxno=262159

 この歴史的な風情にあって、財務大臣の「小物」こと安住せんせが燃えております。ある意味で、何も考えなく財務相になったからこそここまで言えるという意味において、まさに難局における適任、有事の人だったのかと思うほどであります。

安住大臣「看過ならぬ」と韓国への融資枠縮小へ
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20120817-OYT1T00632.htm

 もちろん、日韓間のスワップ協定の締結については、締結された当初から効果のほどには疑問がありましたし、日本にとって得策かどうか、いろんな議論があった代物です。これが一応10月にきれるというので、その目前のタイミングで更新しない白紙撤回も検討となると、確かに韓国政府筋からすると驚天動地です。ファイナンスが滞りますから。しかも、珍しく安住大臣が「国民の支持が得られない」とはっきり言っちゃったわけです。何も考えていないだけかもしれませんが、条約の履行の有無など極めて外交的な部分において、とりわけ二国間(バイ)の問題で担当閣僚自らが引き返しのつかない文言を言うというのは画期的なことだと思います。

 竹島が明確な領土問題になってくれれば実効支配している韓国からすれば痛手ですんで、とっとこ勝ち手に乗じて外交圧力を韓国にかけるだけかけておけば良いという話になりますし、当然そういう流れになります。

「竹島」提訴で玄葉外相、韓国に共同付託を提案
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120817-OYT1T00597.htm

 断られ上等で、言うだけ言っておくというスタンスはとても大事だと思うんですよね。もう一歩踏み込むのかどうか、悩ましいところではありますが、現段階では日本外交としてはかつてないほどの満額回答に近い内容だろうと思います。なんか譲歩出てこないかなー的な。

 然るに、掛け金も上がっていくわけです。

竹島に「李明博」名前刻んだ標石、19日除幕式
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120816-OYT1T01066.htm

 このあたり、領土問題はない、という前提で粛々と対応しておくのが筋のこの手の問題にしては、韓国が立て続けに日本を挑発し、天皇土下座問題まで持ち出して政権末期がどうとか関係ないレベルでの関係悪化をどーんとやるのは画期的なことです。たぶん、反日をかきたてないと政権が持たないということで動いていることなのだろうと予測されるんですけれども(韓国専門家によって意見が違うみたいですけど)、一連の問題を見て思うのは日本側が折れない限り、解決の道筋は韓国の一連の外交の全面敗北以外ないよなあというところで。
 今回、うっかり日韓間の問題を日本が譲歩する形で納めるよう橋渡しする馬鹿が出ると、文字通り売国奴扱いをされてしまうことを考えると、本当にリスクあると思うんですよね。

 逆に、中国の尖閣諸島問題については日本が実効支配であり、台湾も含むマルチである以上は日本側が無理に事を荒げず、粛々と国内法によって対応しておき、もう少し掛け金が上がるようであれば送検という話になるのだろうなあと思います。もちろん、石原都知事や猪瀬さんが仕掛けている土地問題もあるわけなんですけれども、撹乱要因は別としても尖閣諸島の入国管理法違反については「あまりにも上陸企図が立て続けにあるようであれば周辺事態法認定」みたいな掛け金の上がり方ならないようちらちらと進めておけば良いように思うわけですね。

 これが尖閣諸島の問題だけだったら、日中間の問題だけがクローズアップされて、面倒くさいことになっていたわけですけれども、韓国が竹島で大統領自らが訪問とかいうビッグニュースをやらかしてくれたお陰で、中国尖閣諸島の問題を棚上げにしておいて韓国だけを取り急ぎ譲歩せず叩いておけば失点が少ないということで、実にありがたいお話となった次第です。

 そういえば、韓国はサッカー関連でも面白い事件を起こしておられ、なんつーかオリンピックそのものよりもこっちのほうがかなり面白いです。引き続きヲチしていくということで、よろしくお願い申し上げます。


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    やまもといちろう

    ブロガー・投資家・イレギュラーズアンドパートナーズ代表取締役。
    著書に「ネットビジネスの終わり (Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など多数。

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