えっと、眼鏡は衰退産業じゃないんだけど
ためにする議論をしたいわけじゃないんですが、一応。
立場上、語れないことは省くので、そこは誰か補足でもしてください。
対象は、内藤さんのこの記事ね。
JINSが衰退するメガネ市場で成長している理由は「ゲームのルール」を変えたこと
http://blogos.com/article/44728/
■ まず、眼鏡産業は衰退してません
せいぜい言って、眼鏡の小売が大手から機能別小売に分かれていく過程にあり、コンタクトレンズ市場、レーシック市場などニッチ小売がチェーン化するなど、家電量販店の進化とほぼ同じ経緯を辿ってきました。
文中、内藤さんは恐らく説明を端折ったのだろうと思うのですが、眼鏡産業という全体で言うならば、低価格化の進行は90年代からあるトレンドなので衰退前提で捉えられるとやはり困ります。
■ ゲームのルール自体は変化してません
恐らく一番アレなのはこの部分なんでしょうが… ファッショナブルな眼鏡や度なし眼鏡に関して言えば、商品のヒットによるものであって、眼鏡産業自体のゲームルールの変更は何一つなく、粛々と海外移転が進んで調達原価が下がり、小ロットで多品種生産が進んだ過程に過ぎません。
ゲームのルールが変わったとするならば、ぶっちゃけ眼鏡をかける人が劇的に眼鏡保有数が多くなったり、眼鏡をかけない人が眼鏡をかけるようになったり、商材の性質が変わってないといけないんですけど、そうじゃないんですよ。
単純に、幾つかのヒット商品に恵まれたと言う話であって、ユニクロのフリースでかの業態が伸びたというのと同様で、別に業界自体が変わるほどの商品構成の変動があったわけでもなく、輸出サイドは変化がないというのが実情です。
■ 衰退するマーケットで新しい市場を創出?
確かに、われわれで言うところの「アクセサリー市場/その他」は対日本向け輸出は二桁成長しましたが… ただ、元の数字が少ないのでねえ。それよりサングラス市場が8年連続前年割れしているので、眼鏡産業全体でいうといってこいです。
このところ、この界隈のトピックスはコンタクトレンズ需要の変容でありまして、JINS他が売り上げを伸ばす一方、コンタクトレンズを主商品に取り扱うチェーン店の苦戦がいろいろとあるようであります。要するに、新しい市場とかではなく、コンタクトレンズの維持費の高さが新規眼鏡利用者の増加や、コンタクトレンズと安くなった眼鏡の日常的な併用を促してるんじゃないのという気もするわけですが、私は多くを語りませんw
■ 真の二桁成長は年寄り眼鏡市場
敢えて老眼鏡とは言わない。
分かる人は分かってくれ。
■ ヒット商品の一時的ブームで業績が急拡大することをゲームルールの変更と言わないで欲しい
だるいから。
いや、言いたいことは分かるし、そのほうが持て囃されるんだろうけど、実態はたぶんコンタクトレンズ業界の低迷とか別のトレンドにヒット商品が当たって数年間の上積みボーナスがあるだけで、あんなチェーン展開の拡大はそんな続かないから。
もちろんヒット商品を開発できると言うのは立派だよ。需要を喚起できる商品が出ると言うのはとても素晴らしいことです。ただ、リテールのところだけ取り上げて勝ったの負けたの急拡大だ老舗没落だというのは、いかにも上っ面な議論じゃないかと思うわけです。
mixiは速やかにヒットサービスを開発するか、mixiの即座の崩壊を希望しています。
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