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2012.06.14

売るためにオタ臭くする、という安易な企画の果てに

 まあ、もうしょうがないんですけどね。

 受け入れられる作家性ってのと、その作家性を受け入れてくれる購買層が持っている文脈とを考えると、絵柄やスタイルを売れるように寄せていくというのはもちろん大事ですし。

 でも、そのターゲットから少しでもこぼれると、一気に刺さらなくなるのですよ。こういう作品を作りたいという当初のテーマからずれて、売れるためにオタ臭さを突っ込んでいくのは構わないのですが、でもそれというのはその文脈を知るユーザーしか、商品を手に取ってくれんのです。

 もちろん、仕掛ける側からすれば、ゆくゆくはIP化して製作委員会組んでアニメ化したいとか考えは広がるんですけれども。まあ、もうそれは仕方がないというか、むしろ正しいのですけれども。

 でもそういう人に限って、日本の映画はつまらなくなったとか、キャスティングで女性のエロさを突っ込んで作品を台無しにすることを批難するんだよなあ。いや、正論ですよ。でも芸能でも映画でもドラマでも、やっぱりある程度のヒキは必要だということで、いろいろと試行錯誤した結果が、陳腐だけど効果的な方法を取るというアプローチなわけじゃないですか。

 ケータイ小説は廃れてしまったけど、でもああいう文脈というのは一定の客を掴んでいて、その客がそれでいいって言うならそれ用にモノ作りをするのは全然構わんかとは思うのです。最初から、そういうターゲットを狙ってやっているのであれば、全然構わない。むしろ、ブレるのは良くないと。

 でも途中からオタ臭さを突っ込むっていう話はなあ…。まあ、そうするぞということであれば、いいんですけどね。


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    やまもといちろう

    ブロガー・投資家・イレギュラーズアンドパートナーズ代表取締役。
    著書に「ネットビジネスの終わり (Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など多数。

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