« 大学って、なんなんでしょう? | Main | 大胆な仕掛けほど、気づかないということ »

2012.05.25

警察「ユーザーを過度に誘引させるようなコンプガチャに類似するものって何や?」

 なんか、明後日の方向に馬群が走っていったように見えるのは気のせいでしょうか…。

NHN Japanなど6社、「コンプリートガチャガイドライン」を策定
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=310527&lindID=1

 もちろん、自主規制として業界の取り組みが見えてきていることは、一定の評価に繋がるのでしょうけれども。

 過度に課金へ誘引する望ましくない仕掛けについて、業界団体に申し入れを行えばサービスを停止してくれる、ということなのでしょうか。申し立ての手順が分からんし、基準もはっきりしないところがあるので、どう運用するつもりなのか、頭の上から「?」が取れません。

● ほぼ確実にセーフと思われるもの

 前半は凄い… 白いです…。

コンプガチャを失った、ソーシャルゲームの「次の一手」は
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1205/21/news089.html

 一方、後半のウルトラレアの確率をアホみたいに絞った件については、今後の議論が分かれます。

 なお、tenten氏がすでに言及しておりますが、今回の消費者庁の判断で、ガチャは一般消費者と事業者間の取引の対象そのもの、コンプガチャは顧客を誘引するための手段ということで、単なるガチャは適法の判断が下されて、従前のオンゲ協会の見解をほぼ支持する内容になっています。

コンプガチャ違法判断発表 これからどうなるか考える
http://d.hatena.ne.jp/tenten99/20120520/1337526358

 これがひっくり返るかどうかは、適法のガチャと、違法判断されたコンプガチャのグレーゾーンでどのような商取引が行われ、クレームが発生するのかに尽きます。消費者からクレームが増えれば、消費者庁は判断を変える可能性はあるかもしれません。

 ただ、原則として(よほど消費者からのクレームが増えない限り)消費者庁の出番はこれで終わりです。
 お疲れ様でした。

● RMTについて

 もうこれは、はよ全面停止できるようにシステム組めとしか言いようがありません。

 もしくは、公式RMTでなるだけ全量管理でき、ゴールドファーマー除去のための対策を打ってもらうほかないですね。3月から言ってるのに、まだ最盛期の3割も野良RMT市場が残っています。

 なぜか木曽せんせが熱く言及していたので、そちらをご参照。

ソーシャルゲーム騒動にはもう一幕あるよという話 - 木曽 崇
http://blogos.com/article/38873/?axis=t:4617&gi=4

● また新清士さんが何か言っています

 いまついでに読んでて何だこりゃと思ったんですけど。

オンラインギャンブリングの問題は世界から日本も近く巻き込まれる - 新 清士
http://blogos.com/article/39581/

 賭博の件についての所轄官庁は警察庁に決まってるじゃないですか。
 地方については各都道府県の公安委員会、資金決済法関連は金融庁です。

 以上終わり。

 総務省とか経産省とか、全然関係ないでしょ。というか、彼らに法令上の何の権限があって業者に関与するというんですか。意味が分かりません。

 「米企業はオンラインカジノのディファクトスタンダードを狙う」とか書いていますが、これもまったく関係ありません。各国が、ギャンブル条約でも批准してるなら話は別ですが、アメリカが何を言おうが治外法権の先である各国には政策上何の影響も与えません。

 例えば、アメリカのギャンブル会社がiPhone/iPadなどでオンラインカジノを世界的に展開したとして、日本人がそれをプレイして賭博を繰り広げて被害実態が広がったら、普通にアプリごとパージするだけの話です。出会い系アプリと一緒です。アクセス遮断の措置が取られるとか、国内法が対象で、ゲームを提供した会社も利用者も処罰を受けます。ただし、海外に鯖があるので日本の法律が実効しないので、という議論はありますけど、そんなものは昔からあるわけで、ソーシャル界隈だオンゲ業界だというものとは本質的に関係ありません。日本の業者が海外鯖でやったら普通に日本で摘発されるだけです。

● KPI関連や出会い関連

 話では6月中旬にも摘発される業者が出るようですが、管理ツールを使って確率を変更させ、イベント等で有価なレアカードの出玉率を変える等の話は昔から燻っておりまして、この辺はメルマガにでも書きたいと思います。

 また例によって読売新聞かと思うわけですけれども、これをやりすぎるとせっかく消費者庁が「ガチャは取引の対象」としてくれていた見解が根底からひっくり返ることになるので留意する必要があるわけですね。

コンプガチャ、カギはネトゲ廃人・搾り取り加減
http://www.yomiuri.co.jp/net/news/20120514-OYT8T00783.htm

 一般論ではありますけれども、最終的には冒頭に立ち返って「課金を煽るとはどういう仕様、演出か?」という部分になってきます。例えば、コンプガチャでなくとも、あと100円支払われればボスが倒せるように仕向ける、とかは、もう完全にアウトな演出と判断されるんでしょうね。

 何と言うか、もっとフツーにデジタルコンテンツを販売するというような方針にならないものなんでしょうかね。
 まあ、もう遅いのかも知れませんが。

 この六社にそもそも何故mixiが入っているのか不思議でしょうがありませんが、何かありましたらmixiだけ囲んで殴る蹴るということで、すべてmixiに罪をおっかぶせて落着する方向でお願いしたいと思います。


« 大学って、なんなんでしょう? | Main | 大胆な仕掛けほど、気づかないということ »

メルマガ

  • メルマガ広告
    やまもといちろうによる産業裏事情、時事解説メルマガの決定版!ご登録はこちら→→「人間迷路」
    夜間飛行
    BLOGOS メルマガ

漆黒と灯火バナー

  • 漆黒と灯火バナー
    真っ暗な未来を見据えて一歩を踏み出そうとする人たちが集まり、複数の眼で先を見通すための灯火を点し、未来を拓いていくためのサロン、経営情報グループ「漆黒と灯火」。モデレーターは山本一郎。詳細はこちら→→「漆黒と灯火」

プロフィール

  • Profile

    やまもといちろう

    ブロガー・投資家・イレギュラーズアンドパートナーズ代表取締役。
    著書に「ネットビジネスの終わり (Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など多数。

My Photo
無料ブログはココログ