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2012.05.04

大阪維新の会の新条例が面白すぎて笑える

 以前、大阪維新というか橋下徹さんを赤旗がDISろうとして事実を列挙したら、そこだけ読むと絶賛にしか見えん、アカは本当に馬鹿だなあというエントリーを書いたら、ネットにいる左翼や共産党員がにょきにょき出てきて顔を真っ赤にして反応をしていたのでクソ笑った。お前らに賛同されたくないので、彼らの否定は実に心地よいものなのであります。

しんぶん赤旗の橋下徹批判が、読む人にとっては絶賛にしかなっていない件
http://kirik.tea-nifty.com/diary/2012/04/post-b37a.html

 「他人事ですか」とか批判してきてて、こっちは東京都民で選挙権もないのに当事者になれといっても無理だろうが馬鹿どもがw と思いながら、都知事であるところの石原慎太郎閣下が尖閣諸島の土地を買うとかで寄付を募っててこっちはこっちで頭が痛いです。まあ、面白いからいいんですけれども。
 ともかく、橋下徹さんはコストカットや地方公務員を辞めさせるところまでは良かったと思うので、あとは無駄なところに浮いた金を注ぎ込む間抜けだけ改善していただければ立派なターンアラウンダーとして評価されると思うんですよね。

 そんな橋下徹さん率いる大阪維新の会が、いまどきすんごい教育関連の条例案を出してて、各所で爆笑が湧き上がっております。これはいったい…。

2012-05-02 大阪維新の会 トンデモ条例案の黒幕
http://d.hatena.ne.jp/michikaifu/20120502/1336026552

 我らのみちかいふ女史のところに概ね珍獣の生態が集まっていたのでご参照。まあ、親の数だけ教育法はあるんでしょうけれども、きょうびの保守主義者でもこのような微妙な教育論を振りかざす人は少ないと思うので、ある意味で真の教育カルト的な何かが台頭してきたのかと感じてしまいます。まさに警報装置がビービーでございますね。

 しかも、その後の橋下徹さんのツイートを読んでいると、彼が組織に対して「こうしろ」といったものではなさそうで、大阪維新の会におわします部下の方々の独走である可能性が高まってまいりました。軍靴ですよこれは。

 お陰で、潜水艦のようにしていたはずの罪山さんまで水面上にうっかり出てきてしまいました。

トンデモ教育論「親学」を推進してる人たちの話
http://d.hatena.ne.jp/tsumiyama/20120504/p1

 まとめとしては、実に揃っているのでこの辺を読んでいただければほぼ全容は掴めると思うのですが、親学とやらが科学的根拠に乏しいトンデモに近い代物であるとしても、あれは決して保守主義から導き出されたものじゃないよ、とゴリゴリの保守主義者である私のほうから強弁させてください。

 まあ、ある意味で復古主義というか、回顧主義というか、そういう代物でありまして、本来の保守主義とは「維持するために、改革すること」を行動原理とするものであり、守旧的で科学的根拠に基づかない現状回帰路線というのは保守の精神からすると遠いものであります。むしろ、中世的、前近代的な中央集権体制に戻るための教育思想のようにも考えられます。

 いまの初等教育が柔軟性に欠け、画一的な教育システムになってしまっていて、過剰に教師に負担をかけるものになってしまっているのは同意です。ただし、それから抜け出すためのアンチテーゼとして、いまの親学的なアプローチを行政が押し付けるというのはまったく間違っていると思います。あくまで、幾つかの選択肢の一つとして、そういう教育を選ぶ親があっても良い、というレベルが妥協できるせいぜいではないかと。

 これを、条例としてひとつの学区なり地域なりのすべての教育機関に行政が求めていくというのは、まあぶっちゃけ乱暴というか、むしろ失敗した後の揺り戻しが酷いことになるんじゃないかと思うので、強く反対しておくべきことなんじゃないかなーと考えております。

 それにしても、日本財団が完全に日本版ティーパーティーのバックボーンみたいな感じになってしまっているようで、どうなんだろうと感じるところなんですが… もう少し、中庸策といいますか、徐々に現代の教育を是正していくようなアプローチになりませんかね。このままじゃただの教育カルトと思われること確実です。抵抗も大きく、失う名声もハンパじゃないでしょう。

 先に出ていた、罪山さんの記事が、いつの日か戦犯リストのように扱われないよう願うのみであります。


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    やまもといちろう

    ブロガー・投資家・イレギュラーズアンドパートナーズ代表取締役。
    著書に「ネットビジネスの終わり (Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など多数。

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