FACEBOOKで回覧されていたネタが珍妙だったので、シェアしつつ調べていたら、どうも根本的なところに認識ミスがあったようなので、気になってメモ。なお、お話の振り出し元は堀江健太郎さんという方ですが、ご面識はありませんし、本稿は彼を批判するものではない、とあらかじめご認識ください。
で、これ。要するに「コーヒー農家はやっすい値段で商品を買い叩かれて、利益はコーヒーチェーンが持っていってぼろ儲け。そういうクソみたいなコーヒー農家の労働者になって搾取される側にならないよう教育すべき」という話ですね。

http://www.facebook.com/photo.php?fbid=3906564591039&set=a.2304578822396.135807.1487030623&type=1&theater
[引用]この絵、学校教育としてきちんと伝えるべきだと思う。
突き抜けないとこの絵の底に溜まったコーヒーしか飲めないよ、ということを。
コーヒー農家に限らず「一般的」な世界ではプレーヤーが違うだけで、個人に還元される利益はどこも同じような構造だと思うので。
俺はこういう構造に気付くまで多くの時間を要してしまったけれど、気が付いてからは違う目で世界を見ることができるようになったから。
こういうことを知ってるか知らないかだけで人生は大きく変わると思うし、少しでも若いうちにこういうことに気付き、自意識の高い人が生まれたら嬉しいな。
でもこれ、結論からいうと、「お前が飲んでいるコーヒー代というのは店舗の不動産賃貸代であり内装費用であり運搬費用でありブランドビルディングのための広告宣伝費でありバイトの雑給であり社員の人件費なのであって、常に代替需要に晒されている外食業界というのは構造的にそうなる宿命であり、仕入原価よりも問題とすべきはお前の座っている椅子やテーブルの時間貸しの性質であり、お茶などその店に立ち寄る口実に過ぎずテイクアウトはお前にとって根本的に損」という話で、フェアトレードとか搾取を喰らうコーヒー農家がクズだという話からはメカ次元の彼方にある議論だろうと思います。
っていうか、元の図は「小売業者」って一本でまとめているのが汚い。とても汚い。ミスリード誘発をガン狙いしている、四球狙いの鳥谷的アプローチですね。その肝心の内訳が大事だと言うのに。