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2012.04.30

しんぶん赤旗の橋下徹批判が、読む人にとっては絶賛にしかなっていない件

 ネット上で定点観測していた共産党員が複数湧き立っていたので、何だろうと思ったら共産党機関紙赤旗の記事を賞賛するために集っていたのですね。アカは嫌いですが、こういう生真面目な政治姿勢には好感が持てますし、頭が下がる思いです。

 で、肝心の赤旗渾身のまとめ記事がこちら。

橋下「改革」の危険 4年の実態に見る
市長になっても 全世代への負担増
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-04-24/ftp2012042404_07_0.html

 うーん、何と言うか… 橋下徹さんの府知事時代の「お金を使うほう」の能力はクズでしたが、「支出を削るほう」の能力は良かったんじゃないの、と思えるような見事なコストカット無双ぶりであります。

 「主な市民サービスカットの内容」なる項目を見ますと、確かに共産党が激怒しそうな市民への支給が軒並み削られているものの、聖域なきコストカットが至上命題とされる財政再建においてはある意味で王道な感じであります。

 「自治体の財務状況が悪いのだから、大盤振る舞いのところは見直そう」という政策にも受け取ることができ、やり方については独裁批判はあるものの、コストカッターとしては民間から見るとそれでもまだ甘いというレベルなんじゃないかと思うんですよね。もちろん、地方自治体と民間企業ではやり方も考え方も違うので一概に批判はできないと思いますが。

 一方で、例の脱原発とか段階的な廃止ならともかく「いますぐ止めろ」的な言動を繰り返すあたり、ポピュリズムの手法で支持を焚き付けつつ組織化を進めて権力基盤を固めていこうという姿勢が見られ、危ねえなあとは思います。橋下さん一派が国政に関心があるからこそ電力問題に首を突っ込むんだと思いますが、安全保障に類する部分や、エネルギーブレンディングのような全体最適を考えるべき政策が、一大消費地であるはずの大阪の突出した意見で左右されるのは困る気はするんですよね。

 エネルギー調達費用も年間3兆だの5兆だの増という試算も出る中で、「電力は足りてます」とかそういうレベルの議論で大雑把に語るのはどうなんだろうと思う次第。
 橋下さんのコストカットで浮かしたお金の使い方が馬鹿っぽいのは周りの大人の事情のようなものでもあるんでしょうかね。

 それ以外は、地方自治体の財政健全策がどこまで容認されうるかのモデルケースみたいな感じになってて楽しいので、直接的な治安活動や安全保障に関わらない限りにおいてはコストカットをじゃんじゃんやってみて欲しいです。


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    やまもといちろう

    ブロガー・投資家・イレギュラーズアンドパートナーズ代表取締役。
    著書に「ネットビジネスの終わり (Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など多数。

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