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2012.03.26

GREEの摘発予想がダイヤモンドに掲載され、GREEおおいに咆えるの巻

 東洋経済が「FBライバルたちの今/ミクシィ-敗者・ミクシィが描く対抗軸」とかいう素晴らしい記事を掲載したとかで、一刻も早く帰国して読みたいと思う朝ですが、一方ダイヤモンドではグリーの摘発話を掲載したとかで、さっそくグリー広報が脊髄反射をしております。

FBライバルたちの今/ミクシィ-敗者・ミクシィが描く対抗軸
http://www.excite.co.jp/News/magazine/MAG12/20120326/191/
当局がグリーに重大な関心 正念場迎えるソーシャルゲーム
http://diamond.jp/articles/-/16762
週刊ダイヤモンド掲載の当社関連記事への対応と当社の取り組みについて
http://www.gree.co.jp/news/press/2012/0326_01.html

 政府関係者って誰やねんという感じもしないではありませんが、去年から着手してようやく煮詰まってきた状態で「重大な関心」というレベルで済ませているのはむしろ「どうにか着地をさせたい(着地させたかった)」という意向と読み解くのが普通なんですけれども、FACTA砲以降は「とりあえずGREEがファイティングポーズ取ったまんまだから摘発でいいんじゃないか」みたいなモードになっているのが興味深いです。

 当初は、ライブドア事件の二の舞を恐れて、成長産業への規制は青少年保護の名目であったとしても極力市場や経済論壇等の影響を少なくするべきということで、さまざま対応を進めてきておりましたが、先週だか大手6社がかごめかごめで対策会議をやるという話があってなお、いまだにRMT業者は普通に営業していて当該法人などから警告も出ていなければ営業の差し止めも段取られていません。

http://rmt.diamond-gil.jp/game.php/gameid/gree/view/sv/
http://www.rmt-king.com/game/118
http://rmt-assort.jp/

 グリーだけでなく、オンラインゲームのアイテム課金のレア度を活用したRMT業者や売買の場となるRMT専用サイトが、いまなお40個以上視認できる状態で、言うは言ったけどグリーも他5社も「特に何もしていない」という状態のようです。ダイヤモンドが何か書いたら即日IR出る割には、RMT業者への対策はまだ表出してこないあたりにさまざまな思惑を垣間見る思いなわけですね。

 もっとも、一般論ですが、これらのRMT業者の元締めはだいたい同じです。上記に掲示したRMT業者が暴力団関係と指摘するものではありませんが、ここ5年ぐらい、ずっと問題になり続けています。RMTは青少年にとってうんたらというお題目もさることながら、ゲーム会社やプラットフォーム事業者がいつまでもこういう交換業者を締め出さないので、いつまで経ってもRMT業者の元締めである暴力団にお金が流れ続ける仕組みになっているのはあまり望ましいことじゃないわけですね。

 ついでに、最近ではGREEに限らずソーシャルゲーム業者そのものが暴力団資本および開発部門のポジションに食い込まれているケースや、これらの部門から接待としてソーシャルゲーム業者の役員や幹部社員がソーシャルゲーム会社のカネで飲み食いをするケースがあるようです。全然駄目じゃねーかというのは前から分かっていたことではあるのですが、早々に対策せえと言っても何もしないので、そりゃあ摘発されても仕方がないんじゃないのというのが通り相場ではないかと思うわけであります。まあ、食い込まれているんですね、普通に。

 このダイヤモンドの記事どおり、RMTで消費者がお金を使いすぎて歯止めがきかないから、という側面ももちろんあると思います。その上で、通常であればゲームセンターやパチンコ・パチスロのように風営法的なものをデジタル・ネット方面にも適用させましょうという規制で終わるはずが、業者の摘発まで足が伸びる、伸びて仕方なしと思ってしまうのは、やはりある種の成長産業を自認する企業経営の傲慢が気になってるんじゃないのかなあと感じます。

 なお、インシデント的には2007年ごろからずっとある話で、それこそオンラインゲーム協会がRMT対策について相談をしてきた時代から問題視してきたものではあります。

切込隊長BLOG(ブログ) - RMTに暴力団大量流入の疑い&課税の流れ
http://column.chbox.jp/home/kiri/archives/blog/main/2007/01/05_105141.html
http://b.hatena.ne.jp/entry/column.chbox.jp/home/kiri/archives/blog/main/2007/01/05_105141.html

 この流れで人間関係図をずっと掘っていくと、韓国系のパチンコホール向けシステム開発会社さんや、北陸にあるAV最大手企業のメディアコングロマリットに辿り着くことになるんですが、少なくとも現段階では違法ではないし、単にRMTを業として営んでいる連中が単品で暴力団関連であるというだけの問題だろうなあと感じる次第。きっとFACTAがこの辺の話を書くだろうと思ったら、日経ともども見事にスルーしたので、不肖この私が改めてちろっとウェブに流してみたということで。

 もちろん、事実上の三店方式を実現するRMTだけが黒いわけではなく、オンライン賭博としての仕組み全体の問題ですということで、一刻も早い是正をお願いしたかった、というのが当局側の本音じゃないでしょうかね。

 蛇足ですが、RMT関連のシノギ方はいろいろと奥深くて、サイト構造とか見ていただければ一発で分かるとおり、URLの組成やランディングページの作り方等システムが一緒でサイトやブランド名、置かれているサーバーの国や地域が違います。で、まっっったく同じシステム構成でサイトを運用しているソーシャルゲーム会社があるんです。気のせいですかねえw

 個人的には、敗者Mixiの行方が気になって仕方がありません。保有株を売りたくても売れない状況から脱せる日はいつのことになるのでありましょうか。


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    やまもといちろう

    ブロガー・投資家・イレギュラーズアンドパートナーズ代表取締役。
    著書に「ネットビジネスの終わり (Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など多数。

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