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2012.02.13

【告知】2月27日、阿佐ヶ谷ロフトAの「ビジネス書ぶった斬りナイト」にゲスト出演します

 なんか呼ばれたのでゲストで登壇するぞー。

ビジネス書ぶった斬りナイト
~で、結局ビジネス書読んで出世した? 年収上がった? 起業できた? 夢かなった?~
http://www.loft-prj.co.jp/lofta/schedule/per.cgi?form=2&year=2012&mon=2&day=27

 自己啓発書には私は馴染みが薄くて、あまりこういうものを個人的な願望ですがったことがなく、なのでどちらかというとビジネス書を書く側の人たちに知り合いはいてもあまり彼らの生き方や考え方に影響されることは少ないのでした。

 なので、それのDISり本を漆原さんが出されると聞いて「そんなネタ本のネタ本を書いてもw」と思っていたんですけど、発売前にゲラを拝読する機会を頂戴し、まずは一読してみるとこれがまた面白い!

 あとでじっくり書評を書きたいところではあるんですが(何しろまだ発売前でござる)、結構名著ですよ! これは。そういえば、なぜ自己啓発したいんだっけね、とかそういうプリミティブなところで人生の価値や自分自身との向き合い方、なぜ換骨奪胎したが如き成功本ばかりが日本で発売されるのかといった、問題点がきちんと整理して網羅されており、ビジネス本や自己啓発本のカラクリ(商売としての舞台仕掛け)だけじゃなく、結局人は何故本を読んで生き方を再認識しようとするのかといった根幹のところまで理解が進められる本です。

 とりわけ、ニューソートといわれるアメリカの人生観、仕事観や、自分自身および家族、仕事との調和の取り方から、人格主義にいたる解説と、その原点、言論から導かれる日本の成功本のクソさ加減の相対的な落差の部分は、本当に「ああ、こういう整理があったのか。読んで良かった」と思えるものです。

 むしろ、日本流の成功のあり方をあれこれ吟味するよりも、そもそも何故、成功にいたる道筋を執筆する書き手がいて、読み手もしっかりいて市場になってて「総崩れの出版業界の中の手堅い売れ筋カテゴリー」となり、いろんな書き手がセルフブランディングをして読み手を確保してここ10年ぐらい興隆しているのか、といったところが理解できます。

 イベントなんかどうでもいいので、この本を読んだほうがいいです。っていうか、漆原さんそんなに親しくないし。でも漆原さんの書いたこの本は素晴らしいです。暖房入れても氷点下すれすれの室内でベッドに横になりながらゲラのpdf読んでたんですけど、あまりにも面白くてコート着て正座して二度読みをしたぐらい面白かったです。

 欲を言うと、結局この漆原さんというのはどういう御仁で、どんなバックグラウンドでどういった価値観の人なのかさっぱり分からんので、そのあたりが書かれているとアレだったかと思うんですけど、でもそれだけビジネス本の全体を客観的に書き綴っているのだなあという点でコインの表裏な感じですのでまあいいかと言った感じです。

 要するにゲストに私や中川さんが呼ばれているという時点でこの本の揶揄の対象であるビジネス本の著者は呼んでも来ないかお声すらかけられる状況にないということで、当日は面白いトークが出来ればいいなと思っております。はい。


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    やまもといちろう

    ブロガー・投資家・イレギュラーズアンドパートナーズ代表取締役。
    著書に「ネットビジネスの終わり (Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など多数。

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