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2011.10.20

ハックル野郎こと岩崎夏海氏がフルスロットルで電波放出中

 「意外と面白いことになっている」というので、作家の岩崎夏海氏のはてなダイアリーを見物に逝ったところ、想像した以上に電波濃度が凄いことになっていたため、これは事故物件として取り上げざるを得ないということで釣られてみます。

 岩崎夏海氏というと、ダイヤモンド社の経営を根本から立て直したベストセラー「もしドラ」の著者であり、一見して超かっこいいハゲなんですが、中身はやはり相当風変わりな人物であります。

ベストセラー作家だけど質問があるよ?
http://d.hatena.ne.jp/aureliano/20111019/1318990671#seemore

 なんというか、岩崎氏の作家性ってのは、この質問の中身から見ても、自己承認欲求というか、絶望的なまでの「構って欲しい」渇望状態の継続に依拠していることは一目瞭然であり、もちろんベストセラーを出した実績は本当に凄いことであるのは間違いないものの、

”ベストセラーを出した俺を、お前らはなぜ認めないのだ”

 という、砂漠の旅人が如き渇きを感じさせます。

 いや、岩崎氏ほどの作家であるならば、仮に「一発屋だろどうせ」と揶揄されたとしても、売れている間は取り巻きができて、主成分が業界人からなる太鼓持ちや茶坊主の人垣ができ、最後の一銭にいたるまでしゃぶり尽くされるその一定の将来の間は心地よい絶賛の海で海水飲み放題となるはずです。クリエイターである限り、作品が売れ続ける限りにおいては末永く誰からもちやほやしてもらえるのが掟だろうと思います。

 なぜ、ネットの中でもとびきりの評価砂漠であるところのはてな村に、どうして岩崎氏は舞い戻ってくるのでしょう。

「なぜ ぼくのことをスティーブ・ジョブズのような人間だと思わないの?」

 この言葉を普通の人が受け止めるならば、アメリカの国家予算を超えるキャッシュを抱える一大企業を築いた人物と、ベストセラー作家がネットの片隅であるはてな村でクソのような記事を書いてるハゲとを似た類型と判断することは困難でしょう。共通することは薄毛であるということだけです。

 しかし、作家性、ある種のアスペルガー的な気質に起因した変わり者が、その変わり者であるがゆえに特異な着想を元に他者から評価される事業を(大なり小なり)成し遂げる、という点では確かに共通項はあると思います。恐らく岩崎氏は孤独で風変わりな真のアーティストであって、また同時に多額の寄付を行ったり、素直で率直な人柄という点ではもっと評価されてもいいのではないかと思うところです。

 それと同時に、周辺を見返してやりたいという純粋なパワーが創造性をかきたてているのだろうなあと思いますし、気が向いたときに砂漠に来て電波をビシバシと発することで、自己の存在を再確認しようとしているのかなあと感じるのであります。

結局ブログなんて根性だという話
http://d.hatena.ne.jp/aureliano/20111013/1318472256

 普通なら、売れた作家はどっか別のブログサービスを使っていたとしても、わざわざ”はてな”は使わないと思うんですよね。やはり、この時点で岩崎氏は変わり者だし、ある種の天才なんでしょうね。

 そういうわけなので、岩崎氏において終わってるのは発毛力だけだと思います。


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Comments

もしドラってダイヤモンドから出てたのか

まあ倒産が数年延びただけかも知れないけど

それはともかく、マジレスすると、
着想だけの電波本、読めば著者を評価しようとは思わないでしょ
売れると評価されるはまた別なんですよ。悲しいことに

彼には虚栄心が欠落している感じがします。

あんなクソつまらないラノベがなぜ売れたのか…
みんな釣られすぎですよねえ。

それはそうとして、薄毛のお方に対しては、「毛頭ない」というフレーズもお使いいただけますと甚幸です。

発毛力について、一郎さんの自虐成分が
もう少し入っていると、どこまでも反論できない。
強力なアオリ文章になると思うのですが。
(当然、私ももう自身の発毛力には期待をしていません)

まさかのハックルさんへのマジレス
http://d.hatena.ne.jp/orangestar/20111020/p

あんまりハゲとかアスペとか言ってっと、名誉毀損で訴えられても知らんぞ。アスペはともかく、人間誰しも禿げるんだからハゲハゲ言うもんじゃない。

企画立ち上げの段階から、はてなでやってたんだよ。
次の本のネタ集めにするんじゃね。
ネタと本心の境が分からないのは見事

やまもといちろうさんの文章は、いちいち皮肉たっぷりで面白いですね。
さておき、作家さんが変わり者なのはよくある事なので、ほっとけばいいんじゃないでしょうか。
本を読んでファンになった一般人が、がっかりするだけです。

一方的に投げ返すか、家庭環境に問題があったか、彼の父親が強烈に自尊心が強かったか、でも生きているのを楽しんでいるという面白さが人を引き付けるんだと思います
そういう熱意がすごく伝わってくるのが、逆に思わず反応してしまう位の期待をもたらすのではと思います
わたしは今日寝すぎました ニートがいかに地球を救うかという問題に直面します 仕事ド下手というのはコミュニケーションであり、たくさんの人と出会うことで成長していきます 母親は差別されています しかし中学時代はコクリコ坂のメルのようでした あだなはメラです ガリガリに痩せて一家を支えていました 父親は栄養失調で倒れ、しかし博士号をとりました 祖父は切り込み隊長そっくりです だからかもしれませんが尊敬しています ありがとうございます

岩崎氏と埼玉西武・渡辺監督。“一毛差”での勝利なんでしょうか。

薄毛の人が薄毛の人どうこういうのは見てて切ない

結晶化した自己愛を見てしまったようで、なんか眩しいです。
でも、自己愛自体は誰にでもあるものですし(私にも確かにあります)、それがちょっと強い人がいたとしても、あんまり笑えないです…。

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    やまもといちろう

    ブロガー・投資家・イレギュラーズアンドパートナーズ代表取締役。
    著書に「ネットビジネスの終わり (Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など多数。

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