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2011.10.01

会社の経営が続くということ

 先日、2002年ぐらいに仕事でご一緒していた税理士の方が亡くなったという残念なメールが来たので、当時異業種交流的に付き合いのあった80社ぐらいの社長さんたちと訃報を取り交わす機会がありまして。だいたい10年前に結構活発に意見交換していた会社がそのまま生き残っているのはたったの7社で、うち1社は私、もう1社は潰れようのない会社ということを考えると、経営を続けるというのはいかに大変なことなのか、と思ってしまいます。

 もっとも、事業を売ったり引退したりという幸せな経営の満了は幾つかあったようですが、連絡の取れなくなった先や、なんか残念な近況報告を聞いたり、あるいは福島に工場を建設した瞬間に地震が来てとかいう話もあって、浮き沈みというか、沈み沈みな感じで、物故もそうですけど同じぐらい残念なものがありました。

 なかでも、個人的に気になったのは数年前まで元気だった製造業の親父がた4社、随分仲良くしてもらったんですけど、5年ぐらい連絡が疎遠になっているうちに中国や東南アジアに進出してて、3年も経たずに撤退して、その投資損に持ちこたえられず会社を畳んでいたということ。外車乗ったり銀座で飲み歩いたりして、みんな豪勢に経営者ライフを楽しんでおられたように思ったんですがねえ。

 IT業界もゲーム業界もそうなんですが、一発当てた好調なんて3年か5年ぐらいしか続かなくて、むしろ成長しない時期にいかにうまく経営するかってのが経営者の本来の力量なんじゃないかと思うところです。いま現在絶好調で、派手にあれこれやっている会社が、いざ雲逝きが怪しくなってくるとどこからも相手にされなくなって静かになって、という話の繰り返しであることを考えると、セコい商売でも地道にやるのがベストなんだろうなあと思う次第。

 お通夜でもと思ったけど、出張中だったのでお悔やみのメールとお香典だけお送りしたのち、旧知の皆様がたとメール交換できて嬉しかったです。「お前もう働く必要ないんじゃないの」とか「お金貸してくれ」いうお話もいただきましたが、世の中そんなに上手い話は転がっていないし、時流に乗れてもそれは実力ではない場合も多いので、どうであれ地道に働き続けるのが最終的に一番賢いんだと思うんですよ。

 私自身、生活は派手ではないし、趣味も働くことやゲーム、野球鑑賞ぐらいで、結婚してからは夜に痛飲する機会もめっきり減って付き合いがなくなったわけですから、彼らからすると「つまんない奴」なんでしょうけれども、経営者なんて本当に困ったときに助けてくれる人なんてまずいないという前提で考えるべきだと私は思うんですけどね。はい。


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Comments

隊長、またブログ上で借金断りの再表明というのはいかがなものかと。いい加減先方の方も分かっていてネタで借金の申し込みしているように思えてくるんですが。

シンコ銀行のあとに、ジェネリック推奨の調剤薬局ができたでござる。シンコ銀行の前は、整体で、その前は、メガネだったかな。いいなぁ、薬が安くなるなんて、素敵だね。ただまぁ、このフロアを貸している人はたいへんだな。開いている期間は、あるわけで。ま、他のフロアもあることだし、利益はあるでしょ。で、かなり、はなれているところに、イオ建築中だから、そこにも銀行ができるのかな、来年春。世の中って、こんな感じかな。しっかり利益をコツコツ積み重ねている人たちと、失ってしまう人がいるってことで・・・

結局、地味に商売が最強なんじゃないか。金より大切なものがしっかりあって。金の魔力で商売しても、魔力というくらいだから、最後は悪魔に心を奪われて、気がついたら何もかも失うっていうオチでさ。イチロくんの強みは、金にもならないことに真剣なところなんじゃないの?

そういえば、メールがきて、広告にも+をつけるらしい。なんか、たいへんなことに。いまから、なにがおきるか楽しみだなぁ。ネバのまとめにもがんばってもらいたい。地味にやっていながらのびていきそうなので、まとめ作成者の利益をだせるような広告システムを。そういうシステムの探求はいろいろおきているようで、あどまくというのもなんかおもしろい。表示だけで一日5円に今のところなっていて、それが認められるなら、けっこう、ブログを書くモチベーションになると思う。ネバと違って、自社ブログに強制的にいれるようになったのだけど、分配がないみたいで、外に人を流して、自社コストを下げるねらいなのかなぁ。ここも、まぁ、地味だけど、とりあえず、表示だけの広告で確定するのか楽しみだ。

経営者の端くれとして全く同感です。
経営者なんて保証はほとんど無いんだから、立場はその辺のホームレスと一緒だと思っております。

初めまして。ツイッターからきました。
あなたのような思考の経営者の下で働くのは、とても幸福だと思います。

死ぬときゃひとり。前のめり。

経営って、大変なんですね。
サラリーマンで良かったと思える記事でした。
言うんですよね、2回目以上の入社で来た人が。
給料は安いが、恵まれた会社だと。
まさしく潰れようの無い親会社から来てると、その辺の感覚が分らず、そーなんだと思うしかないのですが。

>あなたのような思考の経営者の下で働くのは、とても幸福だと思います。

その代わり賃金はとてもシビアw

一瞬でも「社長」というラベリングで豪遊できたんならいいんじゃまいか?
そこから先に進むかどうかは本人次第。

会社だけでなく、お店についても数年で消えていくことが多い。店を立ち上げるために容易した資金を回収する前に潰れている店も結構ありそうだ。結局、お店や会社を立ち上げた場合、そこで働く人に数年分の給与は与えることができるが、経営者は資産的にひどい状況になっているのではないかと思う。
店や会社をやめた後、それぞれの経営者とその家族はいったいどう暮らしているのだろうかと疑問に思う。そういう疑問に思う人の数が昨今は増えているようで、日本の今後に憂いを感じる。

中小企業の経営者なんて人生かけてギャンブルしてるようなもんです。
会社の運転資金を借りる時は自分の財産を担保に
しなくちゃいけないし、部下が不祥事起こしたら
責任取るけどそれほど給料が高くもないし。
景気がいい時は不景気に備え、暇な時は忙しくなった時のために備える。
会社は存続させる事が最終目的なので、豪遊とか
本当に考えられないです。そんな金あったら不況に
備えて投資するか留保にしたいというのが本音。

設立して28年経過したが、フラフラ(笑)状態。
この景気下で、懲りずに(と言うか最後の踏ん張り)新規事業を計画中。
失敗は許される状況でないので、慎重に繊細に時間を惜しまず(余裕をもって)全精力を込め始める。
陳腐化のスピードが速いので、それにも対応することが継続するためには欠かせないのは承知の介。
気力…やる気は満々で、四六時中仕事のことばかり頭の中にあり、これは善いんだか悪いのだか まぁどちらにせよ、幸せなことでもある。

久々に隊長の記事で良いモノを読んだ気がする

経営者、社長、リーダー、隊長…

担がれてなったのでもなく、いつの間にやらなってたでもなく、なるべくしてその地位に就いた、という感じがすごくします。

先日の台風のエントリーでも感じましたが、良い視点を持って、良い会社を作り上げた、良い社長さんなんだな、と思います。

こういう話を起業する前に聞きたいね。。。ビジネススクールで話してみたら。。。

日経ベンチャーで掲載されていた「困った会社見本市」は面白かったのでぜひこちらでも書いてほしいです。。。

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    やまもといちろう

    ブロガー・投資家・イレギュラーズアンドパートナーズ代表取締役。
    著書に「ネットビジネスの終わり (Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など多数。

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