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2011.08.22

日本のウェブメディアは二度死ぬ

 客に遅刻されて待っている間にどこまでエントリー書けるかなテスツ。

 ということで、日本人が日本語で日本の読み手向けにやるメディアが大変苦境に陥っているという話。一時期は、海外のウェブメディアがマーケティング代行するような形で日本のサイトを新設、これが収益化に苦しんだので、身売り先を探して日本の大手メディアに買われるという事態が発生したり、株主が支えきれなくなって増資を乱発したり上場を強行したりしておりました。

 あれから数年が経って、何が起きているのかというと質の低いブログメディアに読者の目玉を奪われて、煽り煽られというネット独特の世界で安かろう悪かろう競争が勃発。きちんとライターを雇って取材させて記事を作るよりも、適当に2ちゃんねるや業界人ブログやTwitterなどからログを引っ張ってきてコメントをちらちら載せて一丁上がりのメディアが、クリックさえ取れればそれでいいという安易な顧客としっかりマッチして小さな収益化に成功という地獄絵図になってきております。

 ぶっちゃけ、ライター含め4、5人が喰えればそれでいい程度の志の低い感じと異様に記事の煽り加減&質の低さとがシナジーを生んでいる感じでありまして、以前はまだ翻訳サイトのような多少手のかかるものだったのが、最近は2ちゃんねる記事のジェネレータを使うだけで簡単更新という手のかからなさでもタイトルさえしっかり煽れていれば、あとは相互リンクからゴミクリックはたくさん集まるという仕掛けに完全敗北といった趣で。

 もはや市場は圧倒的なクリック数と記事の質量を誇るヤフー様と、バブルどころかフロスのような細かいゴミウェブメディアが発泡スチロールクズみたいな状態で敷き詰められて、真面目に記事書いて運用している中堅メディアサイトを収益・PV両面で駆逐しつつあるという状態でしょうかね。

 持ちこたえられなくなった中堅メディアや、局面的に有利であるはずのフロスのようなミニメディアが生き残れず、記事更新頻度が下がったり(ああ、ライターや記者を解雇してるんだな)、広告単価がダンピングされたり(ああ、広告が入らないから値下げしてでも入れたいんだな)、突然煽りタイトル路線へシフトしたり(ああ、一記事あたりのPVが減少したからなりふり構わなくなってるんだな)というような状況になってます。

 手法として、煽るのはべつに構わないというか、しょうがないじゃないか喰うためだものという雰囲気でもあるんですけれども、やはり煽るというのはある程度以上の文学的素養というか、語呂の良し悪しを感じ取る絶妙なセンスが求められる分野であって、多少有利な局面であってもやっぱり「駄目な奴は何をやっても駄目」という雰囲気がします。低質なコンテンツを量産する世界でも優勝劣敗の世界があったりするんですね。

 どうも客にブッチされたような感じなのでこの辺で。


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Comments

メディアも民度を反映するんですなぁ

まあ最近は、なんかまともなことを書く人は
みんな有料メルマガに逃げちゃったという感じが

送客ビジネスをメディアとして展開しているところなんて、制作費をシステム開発費として5年償却してるような会社(媒体)もあるようだから3度目の死もあるよ…きっと。

いいかげん、ウェブのダメさ加減にもみんな気づく頃だしょ

今回のエントリーを読んで、「ニートが日本をダメにする。」という西村博之氏の過去の言葉を思い出しました。鬼女等の現実感が希薄な人達も含めたいですね。

>低質なコンテンツを量産する世界
低湿なコンテンツを量産する人達に侵食された情報を基に行動を起こした人達は、この先一体どんな結果を出し続けていくのでしょう。
そしてその先にあるものは何なのでしょうか。
ネット蝗という言葉が懐かしいです。

「細かいゴミウェブメディア」さんたちは最近どうやら、広告というよりは「大手ポータルに記事を売る」ことで収益をあげているようにも思えます。ポータルに表示されるのは1行のタイトルのみ、そこでやまもとさんのおっしゃるように「煽り競争」が発生している印象です。

ちなみにそのあたりのメディアさんがライターに払うのは1記事1000円前後でありまして、そうなるとライター側も1記事に30分もかけてられない。海外から記事をひっぱって翻訳するにしても、意味とか背景とか分析してられないわけで…。本職のライターさんは逃げちゃうから、ライターのワナビーだけでサイトが構築されていくという感じ…。「てにおは」からして身についてないって感じの文章が横行する原因ってこれかなあと思ってます。

2chのニュース系の板眺めてると煽りあいたいというのを通り越して
ウヨガーサヨガーシナガーチョンガーとボケ老人のような繰り言を何度も何度も書きこむきっかけが欲しいだけのような。
もう誰も>>1やそのリンク先読んでないもん。
だから記事の質の高低なんて誰も気にしてない飢餓w

この記事もっと掘り下げて欲しいです。
現状認識は完全同意、ですが、この先どうなるのか?
について隊長の見解が知りたい。

あれ系はおバカタレントを見る様な視点で見る限りでは面白かったのですが、
真に受けてデモまで起こしちゃう事態に至っては
何か違うなあという気がしてます。

おバカはおバカだから面白いんじゃん

そろそろネットマスゴミという言葉がもっと流行ってくる頃だと予想している

あほがどう自立して行くのかという社会病のようなものでしょうか それにしても地震の状況から社会変革を低エネルギーに切り替わって生活をするということのほうが深刻だと思います ニートボランティアの世界は平和ですが、そもそもが身の丈に合っているという状況なのか進化するのかわくわくしていきませんか?

ウェブメディアに限らず、マスメディア全体がダメダメ感たっぷりですよね。メディアが腐ると、国全体が腐るきがします。テレビみてもワッショイから揚げ足取りばかりの報道にはもううんざり。アナウンサーなどもテレビに限らず質が落ちた気がしてなりません。なんというか、タレント化というのでしょうか。落ちるところまで落ちないと、もう改善されないのでしょうね…。残念です。

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    やまもといちろう

    ブロガー・投資家・イレギュラーズアンドパートナーズ代表取締役。
    著書に「ネットビジネスの終わり (Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など多数。

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