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2011.04.22

【日刊】泥酔の日々

 震災やら原発爆発があった割には業務自体は順調で、為替も言うほど円安にならず、具体的な影響は二ヶ月ぐらい先になるのかなあという雰囲気のしてきた昨今ですが、ここのところ泥酔する晩が多く、またその翌朝は必ずヘビーな朝会が続くので大変しんどいところであります。明日から三泊四日の休肝日に入ろうと思っておりますが。

● ドル格下げ祭

 まあ、今週はこれに尽きるんですけど。

http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2011041800867

 何というか、オバマ大統領をコケにしたいんでしょうかねえ、そのままトリプル安に、と思っていたら、米国債だけ復活、まるでどっかの国の債券市場みたいな内容になってて不思議でしょうがないわけです。何か不思議なパゥワーが市場に舞い上がっているのかと感じましたが。この前、ロジャースさんが「総悲観は買いだ」と突撃していかれましたが、どうなったのでしょう。

 突撃といえば、チャンスと思ったのか東電を三階建て全力ショートしてみたら、まさかの東電株大復活で千数百億円の運用元本ごと吹っ飛び、日本どころかアジアから撤退に追い込まれた面白欧米資本がありましたが、蓋を開けてみたら中国がオランダ経由で突っ込んだホットマネーだったんですねえ。

 なんか全体的に悲喜こもごもな感じでしょうか。

● ラッカー総裁が風呂敷を広げたまま収拾がつかなくなっている件について

Economic Outlook, April 2011April 14, 2011
http://www.richmondfed.org/press_room/speeches/president_jeff_lacker/2011/pdf/lacker_speech_20110414.pdf

 話題になっていたのでしこしこ読んでおったわけですが、景気回復の途上は堅調と豪語する一方で、消費増大には雇用や家計のバランス改善が必要とか、それって全然堅調じゃないってことじゃないのか話があるなど、経済文学ともいえる読み取り方の困難な作品に仕上がっており好感が持てました。

http://www.richmondfed.org/press_room/speeches/president_jeff_lacker/2011/lacker_speech_20110414.cfm
[引用]Most importantly, newly industrializing economies will want to acquire more capital goods in order to allow workers to move into more productive activities. For all of these reasons, export demand is likely to contribute strongly to U.S. growth for the foreseeable future as we produce goods and services that the world wants to buy, especially the most rapidly growing parts of the world.

 どんだけ楽観的なんだ…。

● で、我らが白川総裁でござんすが

Great East Japan Earthquake: Resilience of Society and Determination to Rebuild
http://www.boj.or.jp/en/announcements/press/koen_2011/data/ko110415a.pdf

 セントラルバンカーとしては海外からの評判は高く、国内からの評価は微妙な白川さん、ご講演をなされた内容についても海外からは納得され、国内からは面白論評の対象になっていて微笑ましいわけです。

 "Tasks Ahead for Japan's Economic Rebuilding"以降とか読みますと、まあ内容は普通の普通の普通すぎる感じですけど内容は充分であり、かつ「お前らが考えてるほどジャパンは混乱してもいねーし、回復は順調だから心配すんなよボケ、っていうかご支援いただきありがとうございました」という感じで好感が持てます。

● 法務省が

 法務省が、言ってることは間違いないんだけど、ゆるキャラを貼って権威が台無しになるという伝統芸能を披露しているというのでサイトを見物に逝きました。

放射線被爆についての風評被害に関する緊急メッセージ
http://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken04_00008.html

 確かに、人KENまもる君 人KENあゆみちゃんが深刻なメッセージの挿絵に添付されていると心にグッと来るものがあります。個人的にはキャラクターの二次利用が認められるのであれば適切な価格でお借りして格闘ゲームにゲストキャラクターとして登場させてみたいと思いますが。

 なお、私どもも遅まきながら国際的な風評被害を減ずるためのサイト設立を準備中で、予定より遅れていますが近日公開の予定です。

● ポルトガル経済危機祭り

 冒頭の米国債もそうだけど、ポルトガルが楽しいことになっていて、昨日のサマリー貼っとくけど凄いことに。

http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-20754220110421

 PT10YTが10%超えなんて夢のよう。嘘です。で、赤いヘリコプターがやってきております。

WRAPUP1: 中国、ユーロ圏周辺国の国債買い入れ拡大の可能性を示唆
http://jp.reuters.com/article/domesticEquities4/idJPnTK889134920110421

 まあ、あくまで示唆であって、実際どうなるのかは二週間ぐらい経ってみないと分からないわけですが、いままでの傾向からして中国はアナウンスするころにはすでに着手しているケースもまた多いので(ぉぃ)、もう突入しているんでしょう。恩を売り、影響力を確保して対中批判を抑えようとか高次なレベルでの判断があったんだろうなあと妄想するわけですけれども、欧州の弱い地域と中国経済のリンクが幾ら強まっても危機が起きる場合は起きるんで、あんまりカップリングの議論はしたくないよねえと思うところであります。

 ついでに、お前のところもそんな堅調でもねえだろむしろ危機前夜だろみたいなフィンではポルトガル救済スキーム発動にオブジェクションが。もちろん、個人的にはフィンランドには同情も共感もするわけですけど、どうしようもないんですよね、これが。

ポルトガル救済反対への支持が拡大=フィンランドの反ユーロ政党
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-20736020110421

 まあ、それどころじゃないよね。マンネルハイム元帥とシモヘイヘさんを世に出したフィンを応援します。

● 「またサーチナか」と思ったら、結構マジにフィリピンと中国の状況がヤバイ

 欧州では債券買いに出つつ、アジアでは緊張を激化させてる中国、なんか遠交近攻の現代版みたいな流れになっておりますが、サーチナがやらかした記事かと思いきやforeign affairsのフォーラムとかでも随分議論になってて、おいマジやんのかという感じで。

フィリピンが中国との領土紛争が激化、アキノ大統領「頼れる友は米国と日本」
http://news.livedoor.com/article/detail/5507965/

 若干「こっち見んな」感はあるものの、フィリピンの海軍は発展途上、というか超弱体で、中国が本気で漁船とか繰り出してきたら本当に収拾がつかなくなることを考えると、少なくともアメリカはフィリピンとの米比相互防衛条約の発動に応じるでしょうし、次なる冷戦に向けて駒が一個進むことにもなります。上記の欧州経済危機やら日本の復興がスムーズにいかないなどの世界経済鈍化やら過剰流動性の破壊的是正やらが進むと、第一次世界大戦前夜みたいなことになるのかなあと思うわけですけれども。


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Comments

Paradox社が現代世界を舞台にした未来予測ゲームを作れば当たる気がしてきたw

つーか休めよ。
サバトの恩恵は継続中ですか。
ビタミンとって寝ろ!

 二日酔いには迎え酒ですよ隊長!!

>中国

 相変わらずイカしてるなぁ。でもポルトガルなんか買い支えしてもなんかメリットがあんまり思い浮かばないような。

>まるでどっかの国の債券市場みたいな内容になってて不思議でしょうがないわけです。何か不思議なパゥワーが市場に舞い上がっているのかと感じましたが。


円債も外債も同じパワーが働いているでしょう。というか、隊長ともあろう方が、十数年前に日本でとられた会計制度が日本国債市場に与えたのと同じ力学を昨今のIFRSが世界の債券マーケットに与えるようになったことをお知りでない?

あと、日本が見捨てられるのでもない限り、災害や経常黒字縮小は円安要因になりませんし、復興事業は円高要因ですから、円安にならないのは当然かと。まあ、経済学の教科書通りに動いてくれるほどマーケットは甘くないですが。

>円債も外債も同じパワーが働いているでしょう。というか、隊長ともあろう方が、十数年前に日本でとられた会計制度が日本国債市場に与えたのと同じ力学を昨今のIFRSが世界の債券マーケットに与えるようになったことをお知りでない?

隊長氏の話は、トリプル安からアメリカ国債だけが一足先に買い直されたことを指摘してるだけじゃないんですか?

買い主導に入ったのは中国系ファンドだったという観測になぞらえての話だと思いますけど。

>トリプル安からアメリカ国債だけが一足先に買い直されたことを指摘してるだけ

違うでしょ、悪材料があってもお構いなく上がり続ける(金利が低下を続ける)様子が、まるで日本国債そっくりだということが主に言いたかったのでは?違うのかな。
で、金融機関の保有債券の評価方法の変化(日本はずっと昔に、アメリカはIFRSで)がマーケットに多大な影響を与えているという、同じ力学が働いている結果だからある意味当然でしょ、と返したわけです。

侵略戦争と植民地化が否定された?現代社会だから、経済支配とごり押しによる侵略にでるとか、中国はそんなに中華思想の実現を今でも望んでるんでしょうかね?

東電上層部につうか電力業界上層部に息のかかったのがいるんでないか。小牧だって根絶やしには出来ないようだし。

「お知りでない?」×

「ご存じない?」◯

余計なお世話であることは百も承知で申し上げますが、アルコール依存症にはくれぐれも気をつけてください。
意外と簡単になってしまうものですよ。
そしてとても厄介です。

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    ブロガー・投資家・イレギュラーズアンドパートナーズ代表取締役。
    著書に「ネットビジネスの終わり (Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など多数。

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