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2010.09.14

【雑談】菅さんかあ

 意外に票差がついてましたね。関係者の皆様、お疲れ様でした。

 以下、無責任に結果論を語ってまいりたく存じます。

● ゲンダイ

http://e.gendai.net/download/thumbnail

 なんか凄いことに。Gendai_100914

 やっちまったな、とかそういう表現を飛び越して、むしろ悲しみを感じさせるんですけれども、ゲンダイの読者はどう思っているのでしょうか。「小沢が勝つ」から「小沢が圧倒」になって、だんだん戦局が微妙になってくると「小沢に秘策」から「菅優勢のウソ」といった表現になってきて、果ては「小沢派に恫喝電話」、そして「菅ではダメだ」と、いったい誰に向かって報じているのか良く分からない状況になっています。これが大本営発表の凄味という奴なのでしょうか。

 今日は、いったいどんな紙面になるんだろう。「民主党は崩壊」とかでしょうかねえ。

● ネットで小沢氏支持が圧倒的優勢だった旨

 ネット世論は相変わらずバイアスがかかり放題で、どうにも参考にならんなあというところも多いわけですけれども、党員・サポーター票ですら菅支持大差だったことを考えると、ウェブでの小沢人気というのは何だったんだろうと思いますし、同じくウェブで座布団を敷いているも同然のジャーナリストがこぞって小沢支持の言動をネットで繰り広げてきた効果というのは極めて薄かった、ということなのかもしれません。

 もちろん、現象面を語るにあたっては「その程度の効能でしたね(ぷ」で済むわけですけれども、今度はそういう小沢支持を掲げていた人たちが「既存メディアに小沢への期待感を潰された」とか「ウェブこそ本当の民意だ」とか言い始めると、本格的に既存の世論の枠組みと、ウェブの世論の偏差が大きくなって、ウェブはやっぱり信頼できないという話になりかねないと思います。

 本当は、客観的、公平に総括するべきなんだろうと考えますが、あんまりそういう流れにならなさそうな感じがして、どうもなあ。

● 外人が外から見て思ったことが、日本人よりも正確に事態を見抜いてるでござる

 日本語版も出ていたので引用。

日本のキングメーカー、ついに首相の座に動く
http://jp.wsj.com/Japan/Politics/node_102145

 もちろん、小沢さんの「アメリカ人は好きだが、単細胞」という、本来ならば失言ではすまないレベルの放言をやらかした後に出た記事なので、若干は割り引く必要はあるものの、概ね小沢さんの特質から今回の選挙のあり方、党選挙に関する日本人のものの考え方など網羅していて、先読み記事としては極めて高い評価になろうかと思います。

● 週刊現代とか

 また現代か、と言いたくなるところではあるけれど、読み解けるものもまた多いので参考に。

もう止まらない小沢一郎総理大臣 菅陣営、なすすべなく敗北へ 民主代表選 そして総理がまた替わる
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/1159
歳川 隆雄歳川隆雄「ニュースの深層」
大胆予想! 菅首相に敗れても小沢一郎「離党・新党結成」はないNHKの非公開資料では菅再選だが・・・
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/1174

 前半の記事は無記名だが、投票の前日まで個別具体的な票読みを最後まで間違え続けているか、ある種特定陣営特定議員のネタ元に頼った記事構成になっていて空振りしている状況を意味する。

[引用]具体的な「票読み」については後述するが、小沢派中堅議員の一人は、本誌の取材に対してこう豪語している。

「412票ある国会議員票は、280対130程度の数でこちらが圧倒する。地方議員票や党員・サポーター票でいくら菅が善戦しても、大勢は覆らない」

 もちろん結果は菅さん203票小沢さん200票ということで、ここでも小沢さんはひっくり返すことができなかったことを意味するが、一方で、ネタ元になった中堅議員は選挙の最終局面まで「280対130」と考え、周囲に話し、敗戦前夜であるにもかかわらず”大本営発表”を続けてきたことになる。

 一方、歳川さんの記事にあっては、NHKの票読みをベースに、菅さん勝利と語っており、最後の最後で「僅差になるのでは」と余計な伏線を張って台無しにしているがそれ以外は概ね論説は当たっている。つまり、特定議員をネタ元にしないベースの調査さえしっかりしていれば、それほど選挙結果と予測にブレはなく、小沢さんから遠くて独自のしっかりしたソースを持っている人ほど「少なくとも菅さん勝利」という結論は得ていた、という話であります。

 このあたりを考えますに、小沢さん優勢、勝利を予測していた人の「根拠」に焦点を当てて一連の選挙前言説をきちんと見ておけば、誰がどこと繋がって、場合によってはどういうお金の流れがあったのかが良く分かるのだろうなあと思うわけですが、如何お考えでしょうか。

● 原口総務相、みんなの党・渡辺喜美さんを持ち上げるの巻

 おまけ的に、早くも「小沢家の御曹司」的扱いを受けていた原口さん、自身の身の置き方も考えてか、早くも局面打開のイニシアチブを取る方向に戦術をシフト、内閣改造前に着手ということでありまして。

 菅さんが思いのほか圧勝したこともあり、大幅な内閣改造をするのかどうか逡巡する可能性もあるので、本来ならば踏み絵をやるべきタイミングなのかもしれませんが、原口さんの大臣としての評価が大変微妙なのでこの転身の効果のあるなしには強い関心があります。どうなっちゃうんでしょう。いろいろあって面白いですね!

 最後になりますが、このエントリーは雑談の形態を取ってはおりますが、ポジショントークです。


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Comments

ニコ動で小沢が生出演して小沢支持率が爆上げという怪奇現象の少し前のアンケートはこんな感じでした。
http://www.nicovideo.jp/enquete/political/nm11950004

> 新代表にふさわしいのは「菅直人」34.7% 「小沢一郎」8.1% 「どちらともいえない」57.2%

隊長には説明するまでもないでしょうが、ニコ割はアンケート実施時間帯中に動画を開いている人の中からランダムで抽出する方式なので組織票を動員しにくく、まあこっちが妥当な反応なのだろうなと思います。

まあしかし今回の代表選は異様でしたね。いつもは政治色を出さいないようなタレントもどきまで、必死に応援コメントだしてたりで。

党員・サポじゃないから投票資格ないだろうにさ。

衆参議院選挙でもtwitter解禁になったらこんな感じになるのかねえ。なんかウザイだけのような気が。

まあしかし今回の代表選は異様でしたね。いつもは政治色を出さいないようなタレントもどきまで、必死に応援コメントだしてたりで。

党員・サポじゃないから投票資格ないだろうにさ。

衆参議院選挙でもtwitter解禁になったらこんな感じになるのかねえ。なんかウザイだけのような気が。

党員サポーター票も票数では6:4です。こんなもんでしょう。

小泉旋風吹き荒れる中、民主党大敗北の中小選挙区で唯一の勝利になった英雄マジック ザ カン の威光は民主党内でもそれなりの影響力があったと・・。

これはこれで面白い結果かもしれない。
今後検察とのリターンマッチが濃厚となり楽しい展開が待っています。

検察がこれだけ強引に動いて不起訴というのも大問題だとは思うが、そこを華麗にスルーして審査会の報道に向かうマスコミ。リークなにそれ?状態ですが、審査会の勝利により矛先は検察へ。

構成要件とか,過去の例との整合性とかどうするのか非常に興味深く見守っております。

検察VS小沢  小沢勝利
管 VS小沢  小沢敗北
検察VS審査会 未定 審査会優勢
検察VS小沢  予定

サポーターは、強力なリーダーシップよりも、バランスを取ることに専念するリーダーを選んだ、ということだろう。
菅は官僚や自民党や共産党と仲良くやっていくつもりなのだろう。
もうこの先、小沢一郎が総理の座につくこともないだろうが、かえって小沢支持者たちが、よりカルトな方向へ突き進んで先鋭化して、セスナ機で児玉誉志夫邸につっこんだりするような騒ぎを起こしたりするかもしれない。

ネットで小沢が人気というのも、かなり眉唾ですがね。
2chやヤフトピの書き込み見ても反小沢、小沢嫌いの方が圧倒的でしたし。
どうも、そういう方向(小沢がネットで人気)に持って行きたい連中(小沢派のメディア人、ネットゴロ)が
工作や動員のかかった局所の結果だけ取り上げて喧伝してたのかな、と。

> ポジショントーク
代表戦/マスコミに関する、隊長のポジションって何だよ?
なんか関係あんの?
下流喰いに対する目くらましか?ww

これがメディアの正体だ。意外と国民は冷静です。
東スポのように最初から冗談という雰囲気をかもし
出してほしいね。所詮、タブロイド紙だからね。

たぶん、今後は小沢派離党とか新党旗揚げとか書きまくるぞ。。。それって結果的に民主党のあしひっぱんてんじゃないの。。。って気がするゾ。。

世論って動きますからね。小泉さんの時もそうですけど、TVしだいですかね。僕は大抵の人の政治的知識=TVでしゃべってる人の意見と見てるんで、TVしだいでコロコロかわるもんだと思ってます。
ネットでは関心のある人だけが意見を述べてますけど、全体からするとその人達だけの少数になって、大半はやっぱり無関心というか、知識がないというか、受動的に聞こえてくる情報をきいて、右往左往と導かれるままに。
政治に対して思想とか指針とか持ってれば別でしょうけど、余程明らかに問題が目の前に提示されない限り、何かおかしいと思ったとしても、大半は専門家の知識に翻弄されるのがオチじゃないでしょうか。

Googleの広告↓
「誰かかまって 反応率90%掲示板」

これが隊長のブログに表示されてるのが、一番興味深かった。

以上、ポジショントークです。

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    やまもといちろう

    ブロガー・投資家・イレギュラーズアンドパートナーズ代表取締役。
    著書に「ネットビジネスの終わり (Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など多数。

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