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2010.08.07

我が国で報道されない海外事情って、文脈に対する理解の問題じゃないか

 「きっとfinalvent爺が取り上げるだろうから、別にいいだろう」と思っていたら、爺が貫禄のスルーをしおったので、備忘録的にここで書く。何を書くって、ASEANでHillary Clinton国務長官が無双をやらかした話である。かなりはっきりとアメリカの対中戦略の転換の可能性を内外に示したものであったし、何よりも中国のここ十年ぐらいの「穏やかな膨張」と「人民解放軍の良く分からない増長」とのバランスで成り立ってきたアジア外交を文字通り面罵した形になったからだった。

 この手のコミュニティでは、あまりにも明確すぎるメッセージをクリントン女史が投げかけたことに対する是非であるとか、いままで意外に不鮮明だったアメリカの対アジア外交がここにきてにわかに分かったことへの戸惑いといった声がたくさん上がってて興味深いわけである。たぶん、次のForeign Affairsやpolicy watch系のところは米中の対立軸を探る動きや、決定的な事案を避けるための当局の狙いと落としどころを考える記事が乱舞するんだと思う。

 文脈としてはもう宮家邦彦せんせの論述が余すところ無く語り尽くしていると思うのでそれを読んでもらうとして、やはり問題意識としては日本のメディアでこの手の話を正確に認識し解説している記事がとても少ない点である。

Hillary Clinton Changes America's China Policy
http://www.forbes.com/2010/07/28/china-beijing-asia-hillary-clinton-opinions-columnists-gordon-g-chang.html
大失態演じた中国外交、米中対立どこまで
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/4147

 どちらかというと、「北朝鮮批判の合唱だった」という記事ばかりで、どうもなあ。クリントン国務長官が国務長官就任後、今回初めてASEANの会議に参加したことは、海外で非常に注目を浴びたけれども、ASEANの場でクリントン長官が語りたかったことは「北朝鮮の非核化による国交正常化の示唆」というようなローカルな話ではなく、明らかに南シナ海の領有権問題を題材に中国のアジアでの影響力拡大に一定の歯止めをかける意志があることの表明と考えるべきだと思うんだ。

 一方、我が国の鳩山前首相やそのブレーンは、ある意味で理想主義的なアジア迎合を企図していたこともあり、あまり現実を考えずに「日米中は正三角形」とかほざくなど赤面したくなるようなことを言う傾向が強かったし、何より国内の関心が北朝鮮問題に寄っているので報道がどうしても南シナ海に向かないのは仕方がないのかもしれない。

 だが、菅政権になって、菅首相、というより仙谷官房長官の一定のリーダーシップの下で広島の式典にて菅首相の発言がかなり「修正路線」になったことは、一連のパワーバランスの変化や、アメリカの率直な意志を受け取る能力が今回の政権には備わっているのだろうとは思う。ルース駐日大使もいたわけで、彼らがどのような気持ちやリスクを持って広島にきたのか、広島入りを認めたオバマ大統領とその周辺の日本やアジア外交に対する考え方ぐらいまでは、読み取ってやらなければならないのだろう。

菅直人首相「核抑止力必要」
http://obiekt.seesaa.net/article/158675199.html

 いわゆる今秋の世界経済の二番底警戒を考えるに、どうしたってこの手の文脈は報じるべきだし、国内の政治的状況よりもより上位概念である以上、ある程度国民には事態を知らしめる努力を払うべきなのだが、というか今回ほど明確すぎるメッセージをきちんと日本人だけが受け取らないというのは不思議なことなのだが、もう少しどうにかならないのだろうか。


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Comments

日本のメディアはずっとこんな感じだったと記憶してますが。
それに日本国内で正確な情報が必要な人達は
とっくに海外メディアへ情報源としてのメインを移したみたいだから
わざわざ指摘する人も少ないだろうし。

隊長がいまさら指摘すること自体に驚きを感じているのが本音。

日本のマスゴミ程度低すぎ

まで読んだ。

相手に対して自閉しているからじゃないの。

たぶん、中国の成長を喜んでいるのは日本だけであって、まわりが見えていないのだと思う。経済のことしか見ていないのだろうな。

それと、アメリカだって、第二次世界大戦中のドイツのようなことをしだす可能性を否定できないはず。雇用が回復しなければ、失業者の若者は軍隊に入隊して、発言力も強まるかもしれんし。

アメリカから、金をよこせとさらにせっつかれて、中国からは、ハニートラップの連続で、とか、なるかもね。

そもそも、なんだよ、この為替。で、中国の通貨価値とくらべて。ロシアは穀物がきつくなってきているし。

だいたい、日本人は、先生とよばれたり、社長とよばれるだけで、ホイホイしちゃってさ。こういう連中のつけがみんな庶民にかかってくる。

アジア外交だと、キツイときつすぎ、ゆるいとゆるすぎで、とんちんかんで、どうかしてる。

大規模商業施設だって、中国一行大歓迎って中国語でだしている。この極端さってキモい。個人間の関係は、良好に保った方がいいけど、国家間は、嫌われているぐらいで調度いいと思うよ。そのうち、沖縄のことに、中国が口をだしてきたらどーーーすんだか。

そもそも、貶すのも、褒めるのも、下手すぎる。

家の中には女はいないから、家をでて女をみてこいっていったら、「お前はバカか」っていわれた。おかしいだろ。

日本をでて、よく外国をみてみればといったら、日本のことばかり見ている。おかしいぞ。

自分中心に単純な妄想しかしていないから、うまくいかないときに、損を重ねるだけだよ。

損が重なっているのに、自覚できないから、どうにもならん。損切りもできない。

ついでに中国は、食料はまだ大丈夫そうだけど、気候変動で飢饉がおきてしまうと、食べ物を確保とかに、当然、軍事が動くこともありえるだろ。それは、対外的でなく、国内だけかもしれんけど。

とにかく、中国もアメリカも力をもっている以上、その二つのバランスは大変だし、両国に平和的なスタンスでいれば大丈夫なんておかしいよ。そもそも、美女二人とだな、この二人にはさまれて恋愛しなければならなかったら、よっぽどうまくやらないと、男が潰れるだけなのに。両手に花がいかに難しいことさえわからない連中がいすぎだよ。

基本的に、外国の優秀な人は、才能もあるし、努力もしてるんだよ。日本側は、才能もなければ、努力もしない、本を読んで英語がしゃべればおkみたいな。おかしすぎる。とにかく、苦労をさけ、努力をしていない。あほだ。むかつく。

そもそも、貶すのも、褒めるのも、下手すぎる。

家の中には女はいないから、家をでて女をみてこいっていったら、「お前はバカか」っていわれた。おかしいだろ。

日本をでて、よく外国をみてみればといったら、日本のことばかり見ている。おかしいぞ。

自分中心に単純な妄想しかしていないから、うまくいかないときに、損を重ねるだけだよ。

損が重なっているのに、自覚できないから、どうにもならん。損切りもできない。

ついでに中国は、食料はまだ大丈夫そうだけど、気候変動で飢饉がおきてしまうと、食べ物を確保とかに、当然、軍事が動くこともありえるだろ。それは、対外的でなく、国内だけかもしれんけど。

とにかく、中国もアメリカも力をもっている以上、その二つのバランスは大変だし、両国に平和的なスタンスでいれば大丈夫なんておかしいよ。そもそも、美女二人とだな、この二人にはさまれて恋愛しなければならなかったら、よっぽどうまくやらないと、男が潰れるだけなのに。両手に花がいかに難しいことさえわからない連中がいすぎだよ。

基本的に、外国の優秀な人は、才能もあるし、努力もしてるんだよ。日本側は、才能もなければ、努力もしない、本を読んで英語がしゃべればおkみたいな。おかしすぎる。とにかく、苦労をさけ、努力をしていない。あほだ。むかつく。

日本にとって必ずしもアメリカの犬路線堅持が国益だとは思わんが、
それにしてもASEANのしたたかな外交は見事だ。

だからって「ほらヒラリー女史がアセアンでこう言ったじゃない」って感じで無邪気に日本が舵切ってもさ、平気で梯子外されかねないからねぇ。日本は世界秩序の不確定要素を増やさないためにも蝙蝠風にプラーンとして、矢面に立たないことだね。何を言っても睨み返されてたかられるだけだろうし。米中或いは日中或いは日米間での対立がもっと明らかに不可避になってからでイイでしょ。どうせ日本はサブキャラであってプレイヤーじゃないし。

中華人民共和国は、未だまともな選挙をしていないし、
する予定もない。

このことに対する感覚が、日本人と米合衆国人とでは、かなり違う気がします。

というか、日本のマスコミはどういうわけか、
昔々の大昔から、「選挙の有無という視点」を重要視していない気がしますな。

報道対象国・政府が、どれだけ「虐げられた人」(虐げられた人の基準は日本のマスコミ)の面倒をみようとしているか(「みているか」ではない)が、日本のマスコミの価値基準の最重要な点であって、
「選挙」は、あくまでも自分たち日本のマスコミが批評するための「道具」(無視してもかまわない)、
なのではないか、などと思ったりしている暑い夜なのです。

中華人民共和国は、未だまともな選挙をしていないし、
する予定もない。

このことに対する感覚が、日本人と米合衆国人とでは、かなり違う気がします。

というか、日本のマスコミはどういうわけか、
昔々の大昔から、「選挙の有無という視点」を重要視していない気がしますな。

報道対象国・政府が、どれだけ「虐げられた人」(虐げられた人の基準は日本のマスコミ)の面倒をみようとしているか(「みているか」ではない)が、日本のマスコミの価値基準の最重要な点であって、
「選挙」は、あくまでも自分たち日本のマスコミが批評するための「道具」(無視してもかまわない)、
なのではないか、などと思ったりしている暑い夜なのです。

池上さんなら、池上さんとテレ東なら15日の特番できっと何とかしてくれる…

えーと、日経新聞の6日夕刊1面に載ってた記事って関係してるのかな。
「米、公開に空母派遣へ 韓国と軍事演習 中国の反発必至」
ワシントン発で日経の駐在員名明記もの。国防総省は原子力空母「ジョージ・ワシントン」を半島西側の黄海に派遣すると発表。実際の行動計画などは内緒。黄海で米軍艦がうろうろするのを中国が嫌がるのでいままでは横須賀所属の「ジョージワシントン」はいつも日本海でだけ活動してたけど、なんかしらんが方針変更しますた。黄海は公海なんだから中国にガタガタ言われる筋合いないもんね、というのがホワイトハウスとペンタゴンの言い分。でも米中でなんか紛糾する原因にはなりそうだね。
という内容ですた。

米国ってアジアの国でしたっけ?
どこまで米国についていくのか分かりませんが、世界情勢は大事ですね。

個々の出来事の意味は、時間的・空間的な広がりを持った背景を理解した上でないと、全く把握ができないのですよね。
本件に触れたことを契機に、自戒のためにも、改めてそのことをここに書き記しておきたいと思います。

選挙の有無を神経質なまでに気にするのは欧米風ですね。
非民主主義国に無理矢理選挙やらせて国家の分裂を顕在化させる悪循環を何度繰り返すのか、普通の日本人にはなかなか理解できないところ。
国際機関出身の研究者(要はアメリカ的思考そのもの)の話を聞くと、あまりに非現実的教条主義で笑っちゃいますよ。
もっともその教条主義があの効率的な高等教育を実現してるわけですけどね。

個々のメディア人は話してみれば知性高く情報通なのに、マスメディアはなんであんなにあれなんでしょう

なんというか、日本に未成年がどれほど住んでいるかをネットの情報からの統計把握に時間がかかるほど日本の行政機関は統計情報に秘密主義的ですから、未だに肝心要の情報はアメリカにも中国にも人からしか漏れないようです。
そういうことを重要視するからハニートラップが有効に作用するのです。その情報がどこから誰でも手にはいるという状態の情報を軍事情報に限らず重要視はしないわけです。
サウジアラビアやUAEが自分に都合の悪い情報を得られる情報機器を監視下に置く様なもんです。
それをみて考えるとヒラリークリントンが言ったことはアメリカの総意というより、アメリカは相変わらず交渉に軍艦でやって来る国だということではないのですか。人は常に武器を携えているという前提であちらは話してるのですかね。
ペリー提督の頃とあんまり変わっていないのかも。その頃から大した失敗をしていないからかもしれませんね。

全く分かっていないのか、分かった上でスルーしている(orさせられている)
のかも検証すべきではないでしょうかね~。

沖縄海兵隊と直結した問題なのにね。
どうして取り上げないんだろう。

勉強になりました。

finalventoは今日、このネタがお題になってたよ。

ところで
>米国ってアジアの国でしたっけ?
と書いてる御仁がいるようだが、

ASEANには日本も中国もアメリカも入ってない

というのも覚えといて欲しい。
要するにASEANメンバーは中国が南シナ海にすさまじい勢いで進出してきてるのに釘を刺すためにアメリカを使ってるということで。

会見場で「おお、ヒラリー踏み込んだな」と思いつつ、ああーでもASEANが南シナ海で中国にがつんとかませたって話はきのう書いちゃったし、今日は北朝鮮のまとめもの書かなくちゃいけなくて時間足りないし、などとパニくっていたのが実情です。レベル低くてすみません。。。まあ、みんな米中がガチンコの世界に入ってきた現状(それがどの程度の深刻さなのかの見通しはあれこれありますが)は、1週間内外の時間差で、いろんな形で書いてはいるとは思うのですが。

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    やまもといちろう

    ブロガー・投資家・イレギュラーズアンドパートナーズ代表取締役。
    著書に「ネットビジネスの終わり (Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など多数。

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