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2010.08.18

制作者の才能と制作できる環境の整備

 両輪だとは思うのだが、タイトルを売ろうとするとどうしても制作者の顔を出して「うちはこんなクリエイターが頑張ってタイトル作ってるんですよー」的なマーケティングをやりたがるパブリッシャーが多いのもまた事実で。

クリエイターやメーカーを神格化するのはやめようぜ。
http://dochikushow.blog3.fc2.com/blog-entry-1668.html

板垣 「日本ゲーム業界は終わる」 塊魂作者 「未来は暗い」 小島・稲船「業界危機」
http://blog.esuteru.com/archives/755955.html

 確かに据え置き機業界が厳しくなって、大規模投資をしなければコンテンツを作れない、売れるゲームが出せない状況になっているいま、旧態依然とした組織体で開発環境を維持できなくなっているというのは分かる。

 何しろ、環境が激変しているしなあ。

 で、川下側の環境変化はこちら。黒執事の作者が吠えております。もっとも、コンテンツの違法ダウンロード自体は先のエントリーでも書いたとおり構造の問題でもあるので、違法ダウンロードのない事業環境を整備するためのオンラインゲームでありソーシャルアプリだったりする部分はあるとは思うのですが。

「飢えて死にます」――「黒執事」作者、ファンからの「海外動画サイトで見た」メールに苦言
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1008/17/news048.html

 ゲーム、アニメに限らず、著作権や制作環境、流通、あらゆるものが再整理されるべき状況なのは間違いなく、クリエイター個人がどうというよりシステムの問題になってしまっているので、どこかの事業者が好調だからみながわーっと真似てすぐ陳腐化して、また別の事業者が好調になって、の繰り返しにならないような何かが必要なんだろうと。

 それが、アメリカ式のハリウッド型制作技法なのか、欧州式のギルド型のネットワークなのかは分からないけれども、環境を整備する法人とモノ作りをするクリエイター、そこにリスクマネーを提供するエンジェル的なアプローチ、収益を逸脱なく回収できるもう少し効率の良い流通、といったところを業界横断的に本来は考えるべきで、対中パクリ対策も含めて、これは業界団体なり行政にももっと仕事をしてもらいたいところです。

 言い方としてはやはり過渡期としかいいようがないんだけれども。ずっと過渡期であり続けるのかもしれないが。でも、最終的には大資本に集約されていく過程で、中堅のデベロッパーやスタジオが成長の途中で必ずどっかに買われないと環境の変化に対応できるだけの体力を蓄積できないというのもまた問題だろうと。

 関係ないが、世界に冠たるentrypostman村井氏はどう見てもサンドウィッチマン伊達みきおの弟分にしか見えない。

AppBankの村井でございます。よそいきのスーツだ。
http://www.appbank.net/2010/08/17/iphone-news/156795.php


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Comments

ネットというか、PCに関しては
必要の無い奴に必要の無い物を売りつけ過ぎた、それだけの話。
 
資本主義の弊害だろ。
 
 
あと終末論を言う奴はアテにならん
ぶっちゃけそいつが困るから焚付けているだけだ。

世の中のシステムを変革するのは、たった一人の天才だと思うよ
で、必ずしも良くなるわけでもないのが問題。
 
そして、凡人が何を言っても変わらないのが現実。
 
 
アニメはもう数年前から結構それなりにどうにかなってるよ
隊長はゴンゾーさんばっか見てるからアレなんだろうけど。
 
ゲームはやばいね、一回全滅して組みなおすくらいでいいんじゃない。

>制作者の顔を出して「うちはこんなクリエイターが頑張ってタイトル作ってるんですよー」的なマーケティング
Twitterですね、わかります。

神格化されたクリエイターは「排除できない属人性」の最たる物ですが、それ故に属人性の排除を毛嫌いする制作者達の憧れになっている面があるのかもしれません。

>制作者の顔を出して「うちはこんなクリエイターが頑張ってタイトル作ってるんですよー」的なマーケティング
Twitterですね、わかります。

神格化されたクリエイターは「排除できない属人性」の最たる物ですが、それ故に属人性の排除を毛嫌いする制作者達の憧れになっている面があるのかもしれません。

クソ芸がなさすぎるから、独創性につながらんのでは?

あと、コードを書く前に、設計の段階、つまり言葉だけの段階が弱くて、すぐゲームをつくってしまう。

アメリカの映画界って、ジェームズ・キャメロン監督のデビューを見ればわかるように、わけのわからない映画もつくっている。

それに、金のかかる映画ほど、シナリオにたっぷり時間かけたりするんだよね。

というわけで、トータルコーディネートしたゲーセンをつくりつつ、クソ芸はクソ芸にも金をはらいつつ、西部開拓みたいに、まったく未知な世界への遭遇なんじゃねーの。

パクられようが、バックられようが、尊敬に値しないようなことを制作側していつつ、楽しむ側はもっと楽しめず、自分は一切努力もせず、狂気のさたでのめりこむわけでなく、ケチをつけるだけでしらけているってのが、現状でしょ。

オレは、あんなに楽しそうにあみだくじをしている人を見たり、夫婦喧嘩ショーをしていたり、ああいうなかに遊びが芽生えているのではと、楽しくてしょうがない。

特定の個人を神格化することで、その人の創造物ないしその人自身を売れ筋にしようというマーケティング手法は90年代邦楽やスポーツジャーナリズム(特にサッカー)に顕著で、日本人を釣るのにそれ以上効率的な方法も無いように思いますね。弱点はそうした神格化情報は日本語で提供されるからガラパゴス化を助長することにあるわけですけど、それを愚痴ったところで仕方がない。

黒執事の作者の件は、望巨大掲示板でもネタになってるわけだが、マンガはともかくアニメのほうは、とっとと地方局含めて売れよ、というのと、円盤の値段は中間マージンを安くさせて定価下げろよと。

 TV局から軍資金手当てされるからコストが逆にあがるのかね?

ゲームも、突出して払う看板プログラマ?の手当てを下げた方がいいような気がするが、よくわからん。

本エントリの提起する問題点は多岐にわたりますが、著作権法制に限って言うと、中国域内でのenforcementの問題もありますが、より根本的には、著作権を物権類似の排他的支配権と構成した上で侵害行為者に対して差止請求・損害賠償請求をするという現行法の枠組み自体が現代のデジタル技術に全く適合していないという点が最大の問題源である以上、それを変えるまでは(つまり、ベルヌ条約の考え方を根本的にひっくり返すまでは)、過渡期は続くのではないでしょうか。
結局我々が生きている間には過渡期は終わらないのではないかという気もします。

関係ないですけど、髪を黒くしてダイエットしたサンドイッチマン伊達みたいですね。>村井氏

>>黒執事の中の人みたいなコンテンツ作者
まぁ過渡期なんで「飢えて死ぬのはソイツが適者生存できなかっただけ」でみたいなのが透けて見えるのはやはり隊長がご家庭を持ち、お子様もおいでになられる“経営者”って奴だからですかね。
(コンテンツ作者は独り身&全力全開のフリーランスが多いよね。それだけに傾注するせいだろうけど)

取り合えず社会学的ダーウィニズムが間違いってのは今のところ正解なんじゃね、ってこの国を見ると思うけど、今までが今まで企業によるダーウィニズムが正解だったんだからそこのスキームに一兵卒(コンテンツ作者)如きが口出すなや、ってのも“経営者”の心情としては理解。

でもそろそろ終わると思うんだけどね「合う靴を履くな靴に合わせろ」っていう旧軍的発想。

>>黒執事の中の人みたいなコンテンツ作者
まぁ過渡期なんで「飢えて死ぬのはソイツが適者生存できなかっただけ」でみたいなのが透けて見えるのはやはり隊長がご家庭を持ち、お子様もおいでになられる“経営者”って奴だからですかね。
(コンテンツ作者は独り身&全力全開のフリーランスが多いよね。それだけに傾注するせいだろうけど)

取り合えず社会学的ダーウィニズムが間違いってのは今のところ正解なんじゃね、ってこの国を見ると思うけど、今までが今まで企業によるダーウィニズムが正解だったんだからそこのスキームに一兵卒(コンテンツ作者)如きが口出すなや、ってのも“経営者”の心情としては理解。

でもそろそろ終わると思うんだけどね「合う靴を履くな靴に合わせろ」っていう旧軍的発想。

(A)
豊田薫監督はすっげえエロかったのに今ではウンコばっかり撮ってて悲しい

(B)
以前、今も云ってるのか知らないけど映画は娯楽フォーマットとして欠陥があると言われたことがある。
2時間拘束されるから「見ない」つうんだな。
映画好きはアレコレ見て何が面白い面白くないっていえるんだけど、他大勢は2時間のペナルティを恐れてハリウッド大作を見るのね。あるいは期待値が一定以下とみなして全然見ない。
そんでテレビで芸人の瞬間芸見てヘラヘラ笑う。
ゲームもペナルティが結構あるよね。そして以前ほど新鮮な効用って無いよね。
じゃあどうするってグリーみたいなゲームが流行るのかもしれないね。

どっち書こうか迷ったけど両方投稿する

古代祐三で売れる時代ではないね。

出版業界の話とダブるね。

確かに違法コピーとか厳しいけど、
それよりもっと大きな理由は
競争相手が増えすぎたのと、
金払ってまでほしい!と思うものを産み出せなくなったからじゃないかな。

豪華なムービー見て「おもしろそう!」なんて思う人はもういない気がするのに、
それでもクリエイターはとにかく飾り立てたものを作ろうとしてるような。

それと、映画のシリーズ物なんて3作続けばいいほうなのに
ゲームはやたら同じようなことを続けたがるような。
漫画だって「ドラゴンボール2」とか続編出しても、
すぐ飽きられていくのは目に見えてるし・・・

ゲームだと酷いものだと10以上続編が続いてるものもいくつかあるような。

山のような試行錯誤の中からしか新しいものなんて出ないのに、
真逆の「小数精鋭、大鑑巨砲、前例主義」にどんどん偏ってる気がする。

クリエイター(経営者?)やハードメーカーが勝利の方程式を勘違いして、自分の首を自分で締め上げてるだけ…って部分もあるような。

別にムービーだのCGだのシナリオだの声優だの
遊ぶ上において飾りの部分なんて全然重要視されてないと思うんだけどな・・・

鈴木ユーの体感ゲーム。「勢いだけで動く筐体つくりました」シリーズの熱き魂。やっぱり「あの頃は良かった」になっちゃう。

あのコナミが「ル・マン24のクルクル筐体」作ったんだから、時代が熱暴走してたのかもしれないなぁ。

ケータイゲーム満足するちびっ子には、あの恐竜のような筐体はどのように見えるのかな、と思った次第。

私はクリエイターが報酬を得るのにコンペ方式というのを提案したいと思います。クリエイターをプロゴルファーのようなものと見なしてコンテンツの人気投票を行い賞金を獲得させるのです。

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    やまもといちろう

    ブロガー・投資家・イレギュラーズアンドパートナーズ代表取締役。
    著書に「ネットビジネスの終わり (Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など多数。

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