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2010.07.02

もっと自然体で起業に取り組めないだろうか?

 日本証券業協会の面白規則変更に抗議の声が集まり、磯崎せんせや佐久間せんせなど、その道のプロの皆さんがブログなどで大反対し、twitterでも盛り上がっておりました。まあ、未公開株詐欺に引っかかる爺さん婆さんらをどうにかしようということで何となく加えておいた規制変更案だったそうですが、文字通り「泥棒が犯罪に使うので風呂敷は使用禁止とします」という類の話なのでしょうがないんですけどね。

個人から出資を受けたらIPOできなくなる日本証券業協会の規則変更に大反対します
http://www.tez.com/blog/archives/001648.html
個人から出資を受けたらIPOできなくなる規則変更にパブコメを書きました
http://www.tez.com/blog/archives/001650.html
日本証券業協会
http://hsakuma.cocolog-nifty.com/blog/2010/07/post-50ea.html

 そういう話もあって、IPO界隈や起業とは何ぞやというような議論も日和見感染症のようにぼつぼつと話題に出始め、それはそれでいろんな仕事に対する取り組み方や経営論のようなものが垣間見えて面白いわけです。

起業家でい続けるために。ー小川浩( @ogawakazuhiro )
http://news.livedoor.com/article/detail/4860002/

 なんか、起業という単語に対してはみんな何かアツい。というか、暑い。会社を興して業を営むことって、そんなに特別なことなのかねえ。やりたいことがあって、それを実現するために独立したり私財を投じたり人を雇ったり、まあそりゃあ最初のうちは慣れないことばかりで、人が少ないうちは雑務も山ほどあって、納税の仕方から社会保険の出し方から様々あるのでしんどいのだけれど。

 夢を持って、起業に取り組み、社員を率いて会社を経営する、それは素晴らしいことだ。ただ、起業そのものは手段であるはずで、考えていることを実現するためのツールに過ぎない。自分のやりたいことを実現するためには会社でなければならないというわけでもないし、なにか起業に対して過大な期待と、起業をしていることに対する満足や優越感を持つ人も多いように思う。

 そりゃあ社長だって人間なのだから、仕事が上手くいって数千万数億数十億と利益が出れば嬉しいし、自分は商売の天才なのではないかと天狗になることだってあろうよ。信頼していた幹部が営業先や部下を引き連れて独立してしまって歯噛みすることだって、経営していればある。山があって、谷があるのは当たり前でね。

 私自身、自分で会社を興して14年、ファンド始めて9年経つけど、少なくとも、自分のケースでは起業というのはそんな踏ん張らなければできないような、特別なことではないだろうと思うし、そうであって欲しい。誰でも携わりたい仕事や実現したい計画があれば、すんなりと会社を持つことのできる世の中になったらどれだけいいかと感じる。それは、起業家たるべきと力みまくって夢を実現とか部下を率いるとか躍動感に溢れた語彙を並べずとも、自然に、会社を興しているという状況だ。

 余暇で会社から帰ってアフィブログ転がしてても、ヤフオクで転売厨やってても、合法である限りはすべては業であり、なりわいだ。iPhoneアプリ作っててもサンデー企画者でもいいから、何か事を為して人に喜ばれ対価をどうであれ得ていればそれは起業家だ。別段、特別な存在じゃない。

 起業を自己実現するための宗教のようなノリにしてしまう現状は、結局起業を志す人のハードルを上げまくっているのではないだろうか。私のように、人様の下で働く組織人に向いていないので業を興しましたという人だってたくさんいるだろうし、成功した人の中には就職口がなくてやむなく自力で会社を立ち上げたという人もいる。

 会社を興す、自分で仕事をする、ということが価値ある尊いものだとして、必ずしもAppleやGoogleを目指さなければならない理由はないし、上場を目指すだけがベンチャーのあり方でもなかろ。それなりに自己実現の方法が多様化している現在、ビジョンだ戦略だと打ち立てる方法論だけが起業のあり方じゃないように思うんだが、どうなんだろ。どうでもいいか。


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Comments

「社長」さまと「先生」さまに価値がありすぎるのだろw 男を呼ぶとき、どちらかで呼ぶと、売り上げがあがるとホステスの間でもちきりw

で、たいてい、ダメ人間の象徴でもあるな。さらに「英語」さままでつくとw

だいたい「社長」「先生」「英語」どれも、金ってことだろ。下品じゃないか? 人生、金がすべてだみたいな。金の心配ばかりしている。

www.weblio.jp/content/meritocracy の 批判の小見出しのとおり、「結果本当に優れた人よりも能力誇示に優れただけの人が高い地位を得る可能性」が高すぎなんじゃないか。今は。「社長」「先生」「英語」も能力誇示にしかすぎないし。あんまりひどいと、世界中からバカだと思われるだけだと思うぞ。

オレが匿名「名無しさん」が好きなのは、能力誇示することなく、自分の言葉の能力をためすことができるところなんだよな。

ま外国人の能力誇示のしかたもスゲー笑えるようなこともあるけど。なんだかな。

ただ資金の工面の仕方は、なんとかしないと。隊長は資金をつくりあげる才能があるので、なんだろ、金のいろはのいがわからないで、誰からも助けてももらえず、担保と連帯保証でしばられて悲劇が多すぎる。で、待機画面で客がつくよう待ち続けてる女子をながめていると、ああ、古来からある商売だけど、たいへんだなぁ。美女に見せないとならんし。勉強になるな。あと、最先端の外国のこの分野もすごいよね。おまえらエネルギーありすぎだろとか。

まぁ、たぶん、中国のカネモチが、そのうち解決するんじゃないかな。日本人の優秀さを一番しっているのは中国だったりするし。ただ、日本のいるバカには恐れてはいるだろうけどね。

あちゅいのはおぬしでござる。

Give and Take
即ち、愛でござる。

俺は他人に起業してほしいとは思わないけど
それは他者を見下しているからだなあと改めて痛感して鬱になった

良エントリ

『宗教のようなノリにしてしまう』 宗教は悪ですか?

『宗教のようなノリ』とはどのような事ですか?

宗教を馬鹿にしていませんか?

『宗教のようなノリにしてしまう』 宗教は悪ですか?

『宗教のようなノリ』とはどのような事ですか?

宗教を馬鹿にしていませんか?

おっとカツマーの悪口はそこまでだ

日曜大工のススメみたいな軽いノリの企業のコラムを量産したら
そう言う文化も変わるんでしょうかね。

週末にアプリ書いて小銭得るとか昨今のアプリ氾濫の状況だと珍しくもなさそうですが。

社長や役員、部長っていう只の役職で
宗教的に自分に陶酔してる人は会社内に多い。
まぁみんな上役には無難な態度してるから
勘違いしちゃうんだろーけどさ

起業も然りで、別段難しくない。
うわさと憶測が飛び交う世界って事じゃないかな。
人生の逆転をかけて「起業するから」とか言ってる人は
おそらく何もわかっちゃいないって事だけは
俺にはわかる。

ここまでの人生が駄目な奴は、大体その後の人生も駄目なのさ。

>宗教のようなノリにしてしまう

というのは、「起業」が、たいして深くも考えられていない「自己実現」を目標にした「新、、、新興宗教」への参加、のように認識されがちではないか、という話だと思います。

なるほど、と思いました。まあ、一見しただけでそのように見える「企業」もあるというのはよく聞く話ですが、「起業」そのものにそういう価値観があてられているというのは、「健全な市場活動」にとっては望ましくないでしょうね。

まあ、宗教にも様々な局面がありますが、いわゆる伝統宗教は、あまりお手軽に「自己実現」を助けてはくれません。彼らは、その長い歴史の中で、「人の救済」というのがそんなに簡単ではない、ということを「知」として蓄積してきているからです。それに対して新しい宗教では、よくいえばアクチュアルに、悪く言えば浅はかな考えで、もっと言えば「欺き」を目的に、「人の救済」「自己実現」を謡います。
あくまで傾向ですけれど。

「そういうもの」にすがりたい人の気持ちは、「そういうもの」にすがる必要を感じない人間としては推測するしかないのですが、まあ、条件としての歴史的状況、社会環境、人間の精神構造などなど、アプローチはいくらか考えられていて、まあ、一番手っ取り早いというか直接的なのは社会環境の話だろうな、とは思います。あるいは常識、原義的にいうところの「イデオロギー」の話。

正社員に副業とかを許さない、起業はみんなが止めに入る状況で「創業率が低い」なんて言ってるのはアンポンタンに感じるね。

以前、両極端な本を続けて読んだが、
「起業は楽しい」と
「起業バカ」
まあどっちもどっちな印象だった。
前者は明るい面ばっかりだし、逆に後者は成功の基準が「上場」って、サントリーは失敗企業なのか?

実際、自営業やってる人達の話聞くと
「俺、会社勤めも役所勤めもムリだし、そうなりゃ社長やるしかないでしょ。」
というノリの人が多かったな。

世の中には、製鉄所や自動車工場、化学プラントなど、大きな組織じゃないと運営できない分野もあるので、そこの従業員や外注は誰かがやらないといけないのだし、どっちが偉いという話ではないと思う。
自分は昔ハードの技術屋だったけど、シンクロスコープや各種計測器など100万単位のものを使う仕事だったので、自分のやりたい仕事をするには、個人営業はムリだったですね。

以前、両極端な本を続けて読んだが、
「起業は楽しい」と
「起業バカ」
まあどっちもどっちな印象だった。
前者は明るい面ばっかりだし、逆に後者は成功の基準が「上場」って、サントリーは失敗企業なのか?

実際、自営業やってる人達の話聞くと
「俺、会社勤めも役所勤めもムリだし、そうなりゃ社長やるしかないでしょ。」
というノリの人が多かったな。

世の中には、製鉄所や自動車工場、化学プラントなど、大きな組織じゃないと運営できない分野もあるので、そこの従業員や外注は誰かがやらないといけないのだし、どっちが偉いという話ではないと思う。
自分は昔ハードの技術屋だったけど、シンクロスコープや各種計測器など100万単位のものを使う仕事だったので、自分のやりたい仕事をするには、個人営業はムリだったですね。

「平熱の~」を唱えるひとほど、

ハラワタは煮えくり返ってんだよなぁ。

ご都合主義ですな

コメント欄を読んだら世間知らずの馬鹿ばっかりであきれ果てた。

 まぁ起業そのものは昔に比べりゃ楽になったよね。
 ただし、継続し続けることこそが困難なわけだ。

 おいらも数年で挫折したw
 知り合いの菓子製造マニアも店を出したが1年しかもたなかったw
 オレンジページの最新号で、カフェ開業に燃えてる移動販売業のおばさんの記事を読んで、大丈夫だろうかと沖縄の他人事でありながら心配になった。
 自然体で取り組むには、なにかと金がかかるのが問題なんだと思う。

儲かっている企業は、そもそも上場の必要がほとんどない。
儲かってないけれど、お金はほしい、早くイグジットしたい、創業者利益がほしいという連中が上場するだけ。

新規上場株は必ず下がるから、誰も買わなくなっている。

居眠りしたり、遅刻して謝るのがめんどくさい、毎日満員電車に乗りたくないという理由で起業したオレ様が来ましたよっとw

脱サラ→人生を掛けて起業→成功!が美談になる世の中なので…
それこそ1時代前は社員に倒産の時に生命保険あてにして首を吊るなんて行為もあったとかw

大分よくなってると思います、それでも世界的に取り残されて行ってる気はしますけど…

それで、14年会社を経営されて、社員何名で売上と利益はどれくらいでしょうか?
製品開発をせず、成長を志向しなければ、(コンサルタントとか)、実は短期の黒字化は困難ではないと思っています。
しかし、設備投資が先行し、ある程度のスケールがないと損益分岐点を超えないといけないような、一見頭がおかしい事業を行うのが大変なのです。
そして、それくらいじゃないと成長が見込めないし、社会を変えるようなイノベーションはないと思っています。

個人事業主の延長のような起業と、ベンチャーの起業は同じようで異なると思っています。

それで、14年会社を経営されて、社員何名で売上と利益はどれくらいでしょうか?
製品開発をせず、成長を志向しなければ、(コンサルタントとか)、実は短期の黒字化は困難ではないと思っています。
しかし、設備投資が先行し、ある程度のスケールがないと損益分岐点を超えないといけないような、一見頭がおかしい事業を行うのが大変なのです。
そして、それくらいじゃないと成長が見込めないし、社会を変えるようなイノベーションはないと思っています。

個人事業主の延長のような起業と、ベンチャーの起業は同じようで異なると思っています。

このひでってのは、バカなのかな。

>製品開発をせず、成長を志向しなければ、(コンサルタントとか)、実は短期の黒字化は困難ではないと思っています。

そんなわけないだろ。

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    やまもといちろう

    ブロガー・投資家・イレギュラーズアンドパートナーズ代表取締役。
    著書に「ネットビジネスの終わり (Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など多数。

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