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2010.07.19

参院選2010 雑感

 前回に続いて今回も直接誰ともどことも関係ない国政選挙でありまして、改めて推移などを見ていると感慨深いものも一部あったので、雑感風に。

 結果とか思い返したい人はこちら。

http://www.yomiuri.co.jp/election/sangiin/2010/

● 一票の格差とか

 例えば鳥取の浜田さん当選が16万票弱、東京の殿軍当選が松田さんで65万票あまり。そろそろ頑張って是正したほうがいいんじゃね、と東京に住民票のある私は思う。

http://www.yomiuri.co.jp/election/sangiin/2010/kaihyou/ye31.htm

● みんなの党躍進とか

 海外にいると、日本で経済重視政策の泡沫政党が躍進したと聞いて「なんで経済政党が"Your Party"なんだ?」とか質問される。こっちが聞きてえよ。

 心情的には景気が回復する前に増税はいかんと思う私は支持したいんだが、選挙速報で渡辺喜美氏が破顔つーか満面の笑みを湛えてVサインしているのを見て、どうだかなあと感じてしまった。二大政党がなぜか増税路線で一致しているという不思議な選挙だったんで、一時的に浮き上がったに過ぎないとも思われかねないはずなんだが。

● 小沢外しとか

 途中まで小沢さんとその周辺が頑張って選挙戦術を組み上げている途中で、幹事長になったのがあの枝野さんであることを考えてしまう。支持率の急落した菅政権を掲げての選挙がうまくいくはずもないと思うのだが、それでも責任論が出るのもむべなるかな。

 今回、別に小沢さんが幹事長を職権放棄したとかそういう話でもないので、ただ二人区に両立てして見事に一人しか当選させられず上積みゼロというのはどうにも。

● 敗因とか

 選挙速報とかでは消費税増税で支持を失ったのが敗因となっているようだが、支持動向や得票推移を見るに、三日前までは49議席から53議席ぐらいの予測でずっときて、最後の局面で菅さんが「普天間や金の問題を解決した」とか余計なことを喋ったのでどどっと互角なところが壊滅したという雰囲気で。

 争点のはっきりしない選挙であることは誰もが認めていて、そういう場合はまず景気、つぎに政治改革をという雰囲気のような話が主題になりがちなので、とにかく失点を減らすしか勝ちに繋がる方法はないのだ、ということが改めて良く分かった選挙でした。

● 菅降ろしとか

 民主党の中がどうなっていくのか、外部からはちいとも分からんところではありますけれども、九月の代表選、党大会へ向けてあれこれ策動があるとかないとか。安倍政権から始まって、福田、麻生、鳩山と一年前後で政権が投げ捨てられてきた現代政治において、ここで党内事情で菅さんが政権から放り出されるとかなると、こりゃもう頭が頭痛な感じがして馬が馬鹿だという風にも思うんで、もうちょっとどうにかしようよと。

 そうこうしているうちに、国家戦略局も結局はただの知恵袋組織になってしまいました。もう次官会議でも名前変えて復活させたほうがいいと思うんだけどね。

● いろんな人の浮き沈み

 選挙区見てたら、やっぱりいろいろありますねえ。

 ・ 千葉法相

 神奈川県民が叩き落した千葉景子女史、70万票に届かず堂々の敗戦。辞意を示して慰留されての留任というのもちょっと。まあ、ポリシーがありますから、法相には居続けたいんでしょうね。

 ある意味、菅政権が「本格的左派政権」とするならば、まさに政策スライダー的にはもってこいのど真ん中左派であることを考えると、政策論争をする上での命綱でもあるんで辞任は最初から菅さんの選択肢にはなかったのでしょう。

 ・ 輿石東さん

 まさかの大苦戦となった輿石さん。前日、某所で山梨県の県民性についてお話させていただき、どんなに苦戦してもクビ皮一枚で大物を通すのが山梨なんですよ、というような予言どおりとなって、個人的にはホッとしてますが社会的にはふざけんなの様相であります。早くも山梨教職員組合の違法集票の嫌疑が報じられるなど、最後の最後で背に腹を随分やらかしたツケが出てきているようであります。山梨なのにトロピコの選挙みたいでかっこいいです。

 ・ 民主比例

 なんか有田芳生・谷亮子両氏のツートップ。これはなんでしょう。その割に、八代英太、喜納昌吉、工藤堅太郎、などといった高齢地味メンが軒並み落選の憂き目に。潮が向いていれば通ってたんでしょうなあ。池谷幸雄とか桂きん枝が5万近く票を取っていることを見て、心ある有権者としてはどう思うべきかは触れないでおこうと思います。

 ・ 自民比例

 上位5人がすべて女性で、しかもあまりお目にかかりたくない皆さまばかりという状況がまた野党・自民の壮絶さを醸し出しているのであります。一方、清原を巨人から追い出すという快挙で球界に新風を巻き起こした堀内恒雄さんが惜しくも落選。自民でも保坂三蔵さんなど、昔の顔が及ばずで世代交代でありました。神取忍女史はなんだったのかは次回選挙で明らかに!

 ・ たちあがれ日本比例

 政党名が政党名なので、メディアでは「た」とか「たち」とか「たち日」とか「た日」とか訳の分からん略称となって、みんなの党なみに選挙報道の品位を押し下げた感じの本党。大方の予想通り1議席獲得で大団円… といいたいところだけど、通ったのは虎ちゃん。姫井女史に退治されちゃった、片山虎之助氏がいまさら政界復帰してどうすんのだろう。ますます老人党のポジションを鮮明にしようというのか、といいつつ何気に集票で大活躍したのは中畑清氏だったというオチ。いかがなものか。

 ・ その他

 キングオブ泡沫候補の幸福実現党が、第一位ドクター中松の3万票あまりで好き者と一緒に轟沈してたり、存在感がまるでなかった日本創新党が中田宏、山田宏の両ひろしが無事落選してたり、いろいろありました。ただ、全般的に泡沫は引き続き泡沫で、順調に落選しているなあという以上の感慨がまるでないところが残念であります。罰ゲームとしては、この中から一人選べ。

http://www.yomiuri.co.jp/election/sangiin/2010/kaihyou/yb852.htm


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Comments

>山梨なのにトロピコの選挙みたいでかっこいいです。

あわわわ。
私的口座に裏金貯めこんでるなんて言っちゃだめだってば!

国政をどうして、都道府県で区割りし続けるのかよくわからん。有権者名簿があるのだから、それで均等にグループをつくってしまえばいいだろ。いい加減、土地制度にしばるのをやめてくれ。

経済的平等なんてないし、なければならないのは、チャンスの公平であってさ。この矛盾を解決していないから、世界中からバカにされてんだよ。だいたい国防がめちゃくちゃって変だろ。自衛隊なんて名前をやめて、国防軍に改めて、強制徴兵はする必要はないけど兵役で訓練をしたものには、社会的チャンスを与えた方がいいんじゃないか。外人に自衛隊とは何かと尋ねられたら、日本でしか通用しない解釈を披露するのでなく、はっきり国防軍だと主張した方がいいんだ。

沖縄については、完全にアメリカにまかせきりだろ。国防上要所ならば、アメリカに出ていってもらって、日本の国防軍を配置すればいいだけだ。

経済的事情ばかりで、思想的道理がまったく見えない、悪くしているのが民主政権だよ。道理あっての友愛ならわかるけど、友愛というイメージしかない、次は、社会主義的イメージしかないみたいな。おかしいぞ。

だいたい、増税だって、日本はキッチリ等しくとろうとするから、実際は異常に徴収コストが高い。事務的なところからはじまって、増税するかわりにサービスの保証もしたりして、こんな損益計算であわないことをやっているだろ。だいたいおかしいだろ、貧乏人から徴収して、また返還するなんて。最初からとるなw

それと、年金も失敗するのは、徴収コストが高いからだよ。キッチリすればするほど、役人が増えて、増えれば、悪いやつも増えて、おしまいだろ。それに、月々、庶民から金をとったら、貧乏人に手取りが減って、ますます借金ができて、その利息で、結局、損益計算したらマイナスになってだな。そもそも、生活資金を国が潰しているだけだ。個人の生活資金を潰すのなら、企業の資本金そのものにも税をかけろって。だいたい、分かってない連中は、企業の資本金も、個人の生活資金も、種銭として同じで、種銭っていうのは、流動性をもっていて自己コントロールできることが大切なんだ。日本人の暮らしがよくならないのは、所得税、消費税、健康保険、年金、ローンって、生活資金がない連中を増殖させてしまったからだよ。これじゃ、経済奴隷でしかない。貧乏なほうが生活が楽、あるいは、資産がたくさんあるほうが楽という、二極化がすすんでいるんだよ。

ま、国政は先がない。市町村レベルの政治が自然充実してくるのを待つしかないと思うぞ。

ん?女性党?
永井久美子さんと塚本直子さんは、
私には同一人物に見えるなぁ。

選ぶ国民にも責任があると思うよ。。。。

こりゃ、訴えられますな。
訴えられなきゃ、貴殿が見下す相手から貴殿が無視されているという…(笑)
パブリックなんだから、仲間内とは違うので、本性出さないほうがいいんじゃないですかね?
俺だって、ありゃなんじゃ?とは思ってるけど。

公明党は?

公明党は?

民主党の落ち込みは、書かれてるとおり、最後の余計な発言がでかいでしょうね。
後、消費税問題も碌な議論をせずにいきなり10%とかで一気にしぼませちゃうし。でかいことをぶち上げようと、自分の周囲ではいけると思ったのでしょうが、元々都市地盤の小政党出身という事もあり、この辺の読みは小沢さんの方が正しかったですね。
もっとも小沢さんも2人区で二人擁立にこだわりましたが、これも結果的には失敗し、本来ならいけるはずだった神奈川や大阪の3人区で二人目を落としてしまったのは何というか。内閣支持率が一定まで落ちたところで、あきらめるべきだったのでしょうが。
一票の格差はほぼ同意ですね。東京で5人で島根で1人というのはどうかと。
神奈川が3人というのもおかしい気がします。
衆院や参院で比例区減らすみたいな議論がありますが、むしろどちらかの院は比例代表制のみにした方が、日本の民意の反映という面では正しいとも思いますよ。
しかし創新党、一時期騒がれましたが、ものの見事に議席0。中田元市長の横浜博の失敗がでかく報じたりされましたからね。しかし、獲得票数で隊長の罰ゲーム政党と大差ないのがなんとも。

実にいい〆ですね。

争点はあったはずでしょ
民主もマスコミも消費税をタテにひた隠しにしただけですよ。
 
管がどうたらこうたらは党内事情つうより
民主自体に政権担当能力が無いって話なだけでそ
 
知識も経験も医師免許もない外科医に何時まで執刀させんのよ、って。
 
最早、変わる事がどうこう言えるレベルじゃないのが大問題。
 
 
みんなの渡辺さんはムネオ臭がして好きになれない
気のせいかもしれないが。

神取女史はなにもしてないのかと思ったら、
質問趣意書を出しては居たりするのですよね。

http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/174/syuisyo.htm

 そもそも山田が杉並から出たら区民の恨みで落ちるに決まってるだろ!と思う区民その1。

 おかげで民主の田中が区長になっちまっただろうが。
 「あたらしい歴史教科書」が来年の春から区立の学校から一掃されるのは目に見えとるがな。外環道もどうなるかわからんし。財政がどうなるかも不安てんこもりだし。

そいやぁドクター中松、いつの間に幸科信者になったの?

ビール党は?

選挙で政党の浮き沈みが問題になるのもわかるんだけど。なんていうか・・・
郵政前の状況に戻ったのかな。民主は都市部では戦えるけど地方じゃ勝てないみたいな。地方では公共事業を推進する人が強い図式に。

地方がもう長いこと公共事業で食つないで来てる状況であり、民主党は政権を取ってからコンクリから人へと転換を画策したわけだけど。

まぁ、何時までも公共事業で食わせていけるわけでもなく、必要な転換だとは思うが、公共事業は削る、人への方は何も進んでないでは地方も生きてけないだろう。結局、公共事業くれよ的な流れに。結局、国の形をどう変えていくのかって問題のだと思うんだけど、民主は国家戦略曲頓挫、自民は公共事業、他の党派は?・・・。

そんな地方や経済・雇用問題を放置して、普天間に向かって特攻する政権与党、ひたすら政治と金の野党。明らかに優先順位とか方向性を間違えてる気がするので、結果として当然じゃないんだろうかと。

ただ、経済・雇用を何とかすべき(と思うんですが・・)ときに、政治と金で盛り上がってみたり、選挙前に騒がれていた、公務員の天下りとか無駄の問題を注視してる人が極端にすくなくなったり。(官僚の問題は政権変わった直後が一番危険だと思うのですがw)なんだか、試験前に部屋の掃除がしてみたくなったり、関係ない読書はじめてみたりと、そんな昔を思い出すような現状をどう考えればよいのでしょう。

優先順位には色々あると思うんだけど、個別案件の前に全体を見て、何からやっていかないといけないかちゃんと仕分けて政治してもらいたいものだと思う今日この頃。

首相選任は衆議院にまかせちゃって、参議院は地方の代表を選任する選挙にする。そのため衆議院は完全人口比例で議席を割り振り、参議院は各都道府県から1名づつ、参議院で浮いた金で衆議院議員増加分はまかなう
これでいいんじゃない?

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    著書に「ネットビジネスの終わり (Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など多数。

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