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2010.06.03

ネットだからプロとアマの垣根がなくなるというアングルは、終わってもいいんじゃないか

 ちと猛烈に忙しく、忙しいためか手慰みな感じになっちゃうけどご容赦。

大量のプロの表現者が食べていける時代は、終わってもいいんじゃないか【湯川】
http://techwave.jp/archives/51457840.html

 ここでいう、「大量のプロ」というものを、読み手がどう想像するかによって、実は結論が異なる。私は、大量のプロは新聞社であり出版社であり広告代理店であるというような大企業で働く記者や編集者や広告マンのことかなと思って読んだ。文中には、「作家やミュージシャン、カメラマン、ジャーナリスト」とあるが、彼らかてこれらのプロフェッションの対価はそれなりの割合が新聞社や出版社や広告代理店で得ているだろうからだ。

 彼らの存在が脅かされる対象として、アマター、すなわち無料の表現者によって市場を蚕食され、対価を貰わないシステムがネットの中で完成し、完結することによって収入が下がってしまい、プロとして自活できなくなるさまを表現しようとしている。

 理屈としては… 否定しない。だけどねえ、その手の議論はもうとっくに終わってるんだと思うんだよね。梅田望夫さんの快著、ウェブ進化論のテーゼそのものじゃないか。プロのマスコミ対井戸端会議の2ちゃんねる、という構造の焼き直しであって、もはやポストプロセスの問題、つまりは業界再編やら合理化のためのリストラやらの問題になっちゃってるんだと思う。

 だからこそ、それは情報産業で働く人々の流動性の問題だ、と主張する人も出る。まあそれはそうなのかもしれない。でも、装置産業としての新聞社や、事業モデルとしての新聞社といった切り口から見ると、彼らはそれらのシステムを回すための雇われでありパーツであって、ネットで表現している無数のアマターと比較されるプロの集団では元々なかったと思うんだよね。

 事実、新聞社で第一線で活躍してきた記者の人が、リストラに遭ったり独立したりして、アマチュアに混じってブログを書いたりネット論壇の一角を担っているだろうか? もちろん例外はいる。佐々木俊尚氏とか湯川さん本人とか。でも、地方新聞あわせると新聞業界だけで1万人近くが職を失い、出版社や代理店、テレビ局なんかをあわせると3万人以上が情報産業から転出している。でも、比較的ネットを見ている私ですら、あまりそういう情報産業OBが鈴なりになってネットで情報発信をしている姿は見受けられない。彼らは、本当にプロだったの?

 音楽や映像などの、純粋な表現者のプロたちはもっと状況は酷い。湯川さんに「大量のプロの表現者が食べていける時代は」とか講釈垂れられる前から、すでに仕事が充分にない状況に陥っている。メジャーになろう、とかそういう意識以前に、結構昔から表現者は喰えない。だから、バイトを続けながらバンドをやったりとかそういう苦労話が連綿と続く。

 確かにネット時代となって、そういう人たちが日の目を見られるようなサービスが盛り上がっているから、それでプロが割を喰ったといいたいのかもしれないけど、ネットによって彼らの存在が一般人に視認されるはるか前から喰えない表現者というのはずっと存在していて、ようやく知ってもらえる場としてのネットが隆盛して、アイデアひとつでメジャーにいかなくても有名になる方法が見つけられるようになった。これは進歩だ。

 一方で、いろんな人が進歩の方法を見つけた結果、多様性とは裏腹に、喰えるのに充分な支援者を集めることが困難な時代にもなった。マスコミもメジャーレーベルも同様に、お金を払ってもらうための仕組みが磨耗した結果、その存在を維持できなくなった。

 文化は多様化するのは素晴らしい、と安易に結論付けているが、クラスターが細分化されていった結末がアトム的に分散し放題の分断された社会となり、世間一般の常識が失われ、ちょっとしたことですぐブームになったり、ちょっと考えればすぐ見破れるようなオカルトを信奉する人々が集団で発生したりする。エリート主義的な言い方は好きではないが、そういう群盲を教導し、本来あるべき「質」や時代の志向性を知らしめるのが本来の集合知でありプロの仕事じゃないのかなと思う。

 そう考えるので、お前らustream観ろとか微妙すぎる結論にして書き飛ばして記事数とPVを稼ぐような雑な仕事で黒字化を目論もうとするのはどうなんだと思った。あと、既存のマスコミに対するルサンチマンもやめろとも感じた。結局、商売で売文をネットでやってるだけじゃないのか。

 そういう暴論を書く無名の表現者がネットから出てくることを湯川さんと一緒に私は希望しています。


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Comments

湯川さんの紹介してるustは音声が酷くてとても見れたもんじゃない。自分自身で自爆してる。

ネットをやったら、外国に売るんだよ。世界の中で存在価値がないことをやっているのは、どうかしている。なんで、引き込もるだよ。弟子じゃないけど、ネットでイラストを書いているネェーちゃんだと思うけど、ちゃんと外国からも仕事をもらっているよ。もう、最初から、頭が鎖国している連中には、ガッカリさせられるばかりだ。

日本の酷いのは、オリジナルより、複製の方が中心になっていること。野球は、球場が最高なのはずなのに、テレビやら動画やらテキストやら。結局、本とCDしか買わないやつが大杉なんだよ。こんなバカなことをやっているのは日本だけだよ。

それと、池田先生のことを、優しいかもしれないとか書いてしまうっていうのは、名誉を棄損しているのと変わらないのもわからないのかなぁ。人柄を論評したってしょうがないだろ。仕事を論評しろよ。

とにかく、食っていける、食っていけないなんて、関係がねーよ。いい仕事をしていて、駒っていたら、誰かが助ければいいだけ。なんで、助けないんだ。勉強がちょっとできるような輩ほど、人を助けない。おかしいだら。

ちなみに、マルセル・デュシャンは、まったく売れない現代美術の巨匠。賭けチェスとかも収入の一部だったんだろうけど、基本的には、勝たせていた友人とかいたんだろ。中国の麻雀だって、仲間に勝たせて助けているんだよ。

ホント、あほだ。助けることを知らない連中。むかつく。

とにかく、尊敬されていないっていうのが、最悪だよな。ワガママなだけで。上の連中ほど。そう。

とにかく、尊敬されていないっていうのが、最悪だよな。ワガママなだけで。上の連中ほど。そう。

ま、平和だからというか、本当の競争に参加しない、学歴とか目立ちたがりだけで、やってられるのなら、それでいいんじゃないの。仲間もなしに。笑

ちなみに、太宰治と村上春樹、どっちがホンモノで、歴史に残りつづけるかというと、そんなの、その人の人生を見ればわかるだろ。こういう基本的な分類もできないで、売れているからいいみたいなことをやっていられるんだから、アホだ。

「硫黄島から手紙」のままの日本人がネットに多すぎ。最初から、おまえら負けているんだよ。永遠に勝てないのだよ。

表現というのは、個人のもてる独創性を武器にした戦いなんだよ。

ああ、朝から、ムカムカする。友愛も愛国も同じ、結局、また、アメリカに易々と負けたのだよ。最初から負けているから、美辞麗句で誤魔化す政治で、イライラすんだよ。

頭の中が負けている連中は、さっさと退場しろ。

ま、平和だからというか、本当の競争に参加しない、学歴とか目立ちたがりだけで、やってられるのなら、それでいいんじゃないの。仲間もなしに。笑

ちなみに、太宰治と村上春樹、どっちがホンモノで、歴史に残りつづけるかというと、そんなの、その人の人生を見ればわかるだろ。こういう基本的な分類もできないで、売れているからいいみたいなことをやっていられるんだから、アホだ。

「硫黄島から手紙」のままの日本人がネットに多すぎ。最初から、おまえら負けているんだよ。永遠に勝てないのだよ。

表現というのは、個人のもてる独創性を武器にした戦いなんだよ。

ああ、朝から、ムカムカする。友愛も愛国も同じ、結局、また、アメリカに易々と負けたのだよ。最初から負けているから、美辞麗句で誤魔化す政治で、イライラすんだよ。

頭の中が負けている連中は、さっさと退場しろ。

ヒエラルキーの崩壊でだいぶ風通しは良くなった

あとは新しい秩序をどう築いていくかだ

ヒエラルキーの崩壊でだいぶ風通しは良くなった

あとは新しい秩序をどう築いていくかだ

最後の一行に永遠の厨房たる隊長を見た気がした。

プロとアマの違いって、仕事の対価を得る者と得ない者の違いだけじゃないだろうか? 
仕事内容の優劣に関わらず金銭を得る器量の違いじゃないか? 

現状、素晴らしい作品を残したり仕事をしているのに、対価を受け取る手段を知らない人がネットの普及で溢れて出て来ただけで、仕事その物の価値が下がった訳では無いと思う。 

器量が無いにも関わらず、大企業に囲われてぬくぬくとしていた人たちがネットに不満を撒き散らすのはお門違いだとは思うけど・・・

岡田斗司夫のプチクリ論も似たような感じですね。
専業で表現者をやる人生はリスクが高いわけですから。
ボロ儲けして専業で食える見通しになれば
プロになればいい。
問題は表現活動をするための時間をとれるような
ワークバランスが日本のサラリーマン生活では
実現しにくいことだと思いますね。
副業の規制やら、サビ残やら滅私奉公的な貢献を
求められるとか。


ネットで金ない、金くれ、仕事くれって
物書きはせめててめえの電話番号くらい
教えやがれつの。

われわれ物販は法律で住所氏名連絡先が
丸裸なのにどうなんだ?

最近じゃ、ニコ動やピクシブの影響でミュージシャンやイラストレーターのアマターが増えてるんだっけか。

宇宙人的才能が無いと食っていけないな

ほんとうにお忙しいんですか?
( ̄ー ̄)ニヤリ

昔から表現のみで食える人は一握りですし、それはこれからも変わらないでしょう。
ただ、ネットで副業的にちょこっと稼ぐ人、みたいなのは増えるのではないかと思います。
ネット上での大道芸がしやすい時代にはなるのではないかと。

米欄が飛躍しすぎな意見ばっかりだな。
そこまで書くなら自分のblogで書けよ。

プロとアマの違いは、商業価値のある独自のパッケージングができるかどうか、じゃね?

>無料の表現者によって市場を蚕食され、対価を貰わないシステムがネットの中で完成し、完結することによって収入が下がってしまい、プロとして自活できなくなるさまを表現しようとしている。

っていうのは、製作物によりけりだと思いますよ。
例えば、写真なんかだと紙カタログのレンポジがWEB展開してストックフォトとなっても撮影者に支払われる単価は昔とかわらないしね。

まぁ、簡単に参加できるから素人(若干御幣あり)の参加人数が増えて過当競争になってるなんて指摘もあるけど、まぁやってる人はわかってのとおり、プロにはかなわん。

表現する人、表現にお金を払う人、表現する場の3つしかないんだから。自分がなぜ喰えてて、なぜ喰えなくなったか、どうすれば喰えるかであってネットがどうこう、というのは1つのケースに過ぎないと思う。

この件はつまり顧客の所得の減少による影響の一つのカタチ。

日本の方向性をリードしてきた報道機関がその結果を
こういう形で受け止めさせられるのって
因果応報の理は誰も逃れられないんだな・・・て思った。

しかも現状のままではトレンドの進行は止まらないから
更なる辛い目にあう可能性が高いんだけどな。

 で、なんでコメントが二重投稿になってる香具師がこんなにいるわけ?
リロードしすぎ?

 読み込みめちゃ重くて困るよヽ(`Д´)ノ ウワァァァン

コメしてる曙智志って奴みたいに、こいつの文体に憧れて知ったか顔で語る奴が多いのはブログ文化のせいなんだろうな(笑)

コメしてる曙智志って奴みたいに、こいつの文体に憧れて知ったか顔で語る奴が多いのはブログ文化のせいなんだろうな(笑)

立場によって彼らはプロたりえており、本当は皆アマなんですよ、と読めますね。
結局その仕事によって生活費を稼げてることでしかプロにはならない。
で、ネットでは微々たる広告費でしか現状稼げないので、プロが発生しにくい、と。
だったらネットで情報を売って稼げる仕組みを作んなきゃいけないわけですね。
広告ではなく、見ること=払うことになるような仕組みが必要でしょう。
個人的には、単価しだいでは(1ビュー=1円とか)ぜんぜんありだと思いますが。

切り込み隊長は、矢沢栄吉とか横浜銀蝿みたいに、今となっては殆どの人に痛々しいと思われていても、永遠のDQNみたいな立ち居地でやっていくんだろうなと、こう言う文面を見ると強く感じてしまう。

結局、パイの取り合いって事ですね。

表現者の多くは日本・日本語のマーケットに乗ってるので、日本のマーケットが縮小すれば、そこで食えなくなる人がでるのは必然。


>彼らの存在が脅かされる対象として、アマター、すなわち無料の表現者によって市場を蚕食され、対価を貰わないシステムがネットの中で完成し、完結することによって収入が下がってしまい、プロとして自活できなくなるさまを表現しようとしている。
 理屈としては… 否定しない。だけどねえ、その手の議論はもうとっくに終わってるんだと思うんだよね。


ここ同意です。プロ(大企業リーマン)、アマ(その他無z所属)の二対が問題でなく、果実に到達するプロセスが変わったって事でしょうね。


>エリート主義的な言い方は好きではないが、そういう群盲を教導し、本来あるべき「質」や時代の志向性を知らしめるのが本来の集合知でありプロの仕事じゃないのかなと思う。


個人的には、人を”教導”すんのは無理だと思います。主張が結果的に人を動かす事はありますけどね。狙ったようには人は動かないと。

>憧れて知ったか顔で語る奴が多いのはブログ文化のせいなんだろうな(笑)

憶測で、上から目線でコメントしてるえゃねぇか。そうゆうお前みたいなのを「知ったか」って言んだよ

結局、みんなプロレスをやりたいのだと思う。より正確にはアマレスなんだろうけど、実際のアマレスとは全く違う。プロレス的な何か。
言い換えれば、「副業」。副業でそれなりに稼げて、昼間は本業に精を出す。さてそういう姿勢でアーティストとして尊敬されるのかどうかは知らない。
せっかくネット環境が手に入ったのに、ネトウヨにしかなれない日本人。もともと精神が鎖国しているのだ。俺たち、世界に向けてプロレスするっきゃない!

ネットでアマがニュータイプに目覚めやすくなった
底上げされたのは確か。
だって何でも無料だし
何でも安いし
できることは無数に広がる。
しかも調べ物は何でもググれば一瞬で。

でもネットのすごさを宣伝する時代も過ぎたんだよな。

ネットでアマがニュータイプに目覚めやすくなった
底上げされたのは確か。
だって何でも無料だし
何でも安いし
できることは無数に広がる。
しかも調べ物は何でもググれば一瞬で。

でもネットのすごさを宣伝する時代も過ぎたんだよな。

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    真っ暗な未来を見据えて一歩を踏み出そうとする人たちが集まり、複数の眼で先を見通すための灯火を点し、未来を拓いていくためのサロン、経営情報グループ「漆黒と灯火」。モデレーターは山本一郎。詳細はこちら→→「漆黒と灯火」

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    やまもといちろう

    ブロガー・投資家・イレギュラーズアンドパートナーズ代表取締役。
    著書に「ネットビジネスの終わり (Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など多数。

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