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2010.03.08

ほんとにヤバくなってギリギリになるまで相談しない人々

 個人でも「医者嫌い」に分類される「どうしようもなくなってからでないと診断を受けたがらない人」がいるけど、会社とかでも「現金がなくなってから相談してくる企業」とか「絶対納品守れない状況になってから報告してくる下請け」とかがある。困る。困るので、「どうしようもなくなっても大丈夫な付き合い方をしよう」とか考える。あそこがコケても、少し頑張ればこういうリカバリーができる、というような、とても後ろ向きな将棋を指すわけで。

 一方で、土壇場でないと力を発揮しない人もいる。私もどっちかっていうとそっちのタイプだけど… でも、ここがギリギリという線を踏み越えてから対処するのはだいたいコストが上がってしまっているので、そうならないように予防線とか保険とかかけようとする。で、往々にして予防線は簡単に突破される。

 いつも予防線が突破されるので、いずれにせよ年がら年中修羅場になってるわけだが、修羅場をこなしているうちに、常在戦場みたいな組織が出来上がって、毎日ラットレースをしている敗戦処理のエキスパート軍団ができちゃう。戦況だけ見ると実に見事に負けてるんだけど、担当した局地戦だけはどうにかなっちゃってるというような。

 そういう組織は、人が内部から壊れていく。鬱になったり、病気になったりする。まあ、発展性のない業務に長時間据えられて、強いストレスに晒されながら安い給料で働くわけだからねえ。一個一個のデスマーチは、マーチである限り終わりはあるわけだけど、デスマーチは仕事の様態ではなく企業の仕事のとり方に起因するから、その業界や企業や経営者の考えが変わらない限りチェーン状に無限連鎖になってる。

 だから、生き残れるのはその仕事が好きな人、精神的にタフな人ばかりになって、そういう人は自分ができている、乗り越えているので、部下や下請けにもそういう状態を強いる。求める。駄目な奴は要らない、となる。修羅場に臆しない良い戦士は、必ずしも良い将軍、良い指揮官ではないのだ。

 いつまでも会社が苦しいのは、どうしようもならなくなる前に、どうにかするには何を為すべきか、きちんと考えることだと思うんだよね。どうにもならなくなって増資、駄目になりそうだから借入を繰り返していても、いずれは疲れ果てた最後にすべてを失う羽目になる。博打の場に座っていたいがために、勝ち目のない勝負にチップを張り続けるみたいな。

 まあ、しょうがないんだけどさ。結果的とはいえ、不義理を重ねたり、度重なる身売りをしたり、という話を聞くと、会社そのものよりそこで働いてる人たちはそれでいいのかと思っちゃったりして。


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Comments

いいのかと問われても、兵隊の意見を聞く経営者はおらんよなぁ。
 
言う事は言ったしドーセ吊るのは経営者だけだから
別に・・・、とか思うよ。

隊長、どうせなら名指しでキレちゃえばいいのに。

それ、先月に僕が辞めた会社だ。

不義理・・・というか、モロ・コンプラ違反だったり。

一本釣りしちゃって戦力に。

攻城砲とか、一国をなびかせるスパイになるかもしんないw

井原西鶴の頃からそんな感じじゃありませんか。商売人なんてそんなものです。

まさにこんな職場で働いてるので、かなり的確にとらえてるなぁと感じました。。。

employeeの立場として言い訳すると、環境的にミクロ>マクロの考え方になってしまって、自社が傾いてるのは分かっていながらも、とりあえず直面している自分の案件を無事にクリアさせることも立て直しにつながるとすりかえてだましだましでやってたりとか、会社はどうあれとにかく個人的な実績やキャリアを大事にしてしまったりとか、箱が変わっても行う仕事が同じであれば構わないとかっていう人多いんじゃないでしょか。。

ただ、結局多くの起因は業界全体の構造の歪みというか、おかしなことになってるってみんな分かってるんだけど、それでも同業他社は勝負してくるので根本にあるめんどくさい問題はお互い見てみぬフリで、ボロボロになりながらサービス競争して、ランニングとれなくなったところから倒れていく、、というこのデスマッチのせいでなかなか線をひきづらい状況になって、気づいたら手遅れ。しぬ。みたいなケースではないかと思います。
雇われに解決できる問題ではありませぬ。しょうがない。


少なくとも音楽業界とアニメ業界の下請けはこんな会社ばっかりなんじゃないかな 笑

ずっと修羅場に居ても臆さない戦士で居たいです。

日本株式会社のことでしょうか?

申し訳ございません。

結局そういう環境だと嘘がまかり通っているから業務はそっちのけで、新入社員へのいじめとか、カツ上げとか不正しかやらなくなってるんだよね。

中小企業の現場管理なんてこんなんばっかだわ。
所詮下請だから大手に「急ぎでこの仕事やって」
なんて言われたらやらざるを得なくなる。
そういう仕事って結局難易度が高いし、時間的な
制約でろくな準備も出来ないから結局トラブる。
そうするとあとは泥沼でその場の対処の連続。
人がどんどん壊れてくよ。だけどどうにもならん。
食っていくためには結局やらざるを得ない。

サプライチェーンならぬ、デスマチェーンだよ。

何人壊せば気づくんだろうと思うときがある。

自分の事としか思えないわ…
状況把握が出来てないし、どうすればいいかも分からないんだけど…
目の前の仕事に取り組む、までは分かる。
けど、その先が…
環境を変える力を持つまでにどのくらいかかるんだっていう…
やるしかないんでしょうけど。
って、やるしかないとは思ったが、今すぐ環境を変えなきゃ、とも思うわけで…。
ああどうすれば

不義理を重ねるってのはその通りの状況なんだろうけど、
短期的な観点から見ても、
得る物の少ない仕事に時間を費やすのを避けるって観点から見ても、
一見合理的ではあるんだよなぁ…。
大体の場合、状況はより一層苦しくなるだけなんだけど。

自分の事としか思えないわ…
状況把握が出来てないし、どうすればいいかも分からないんだけど…
目の前の仕事に取り組む、までは分かる。
けど、その先が…
環境を変える力を持つまでにどのくらいかかるんだっていう…
やるしかないんでしょうけど。
って、やるしかないとは思ったが、今すぐ環境を変えなきゃ、とも思うわけで…。
ああどうすれば

不義理を重ねるってのはその通りの状況なんだろうけど、
短期的な観点から見ても、
得る物の少ない仕事に時間を費やすのを避けるって観点から見ても、
一見合理的ではあるんだよなぁ…。
大体の場合、状況はより一層苦しくなるだけなんだけど。

いつうちの職場を見に来たの?

デスマーチという名の戦場からリタイアした私ですが、直る前ににっちもさっちも行かなくなり、また戦場に身を置くことになりそうです・・・
もうそういう生き方しかできないのかなorz

はじめまして。
どこでも似たり寄ったりかと思います。外資系も同様かと。
結果は都合のいいように公表されるようになるので,数字とか見るだけだと実態が見えないですね...

転職すりゃいいんです。

人間やらねばならぬことを先送りすれば、最悪の時に、最悪のタイミングで、最悪の選択をしなければならなくなる。

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    やまもといちろう

    ブロガー・投資家・イレギュラーズアンドパートナーズ代表取締役。
    著書に「ネットビジネスの終わり (Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など多数。

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