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2009.10.27

【再】PHP新書『ネットビジネスの終わり』を上梓したんですけど

 どうも日経新聞に広告が掲載されたせいか、普段見慣れないところからのアクセスが急に増えたので、御礼がてらまた本の宣伝とか勝手にしたいと思います(照)。
 「新書なのに、なぜハードカバーなんだ」というお話も頂戴しておりますが、まあそこはそれ。

 前回のエントリーはこちら。

PHP新書『ネットビジネスの終わり』を上梓しました
http://kirik.tea-nifty.com/diary/2009/10/php-67ef.html

 書名の「ネットビジネスの終わり」というのは、内容からしますとちと煽り過ぎで、むしろ過剰に投資が過熱した先としてのネットビジネスがその不採算性が故に周辺業界を巻き込みながら勝手に自沈しているさまを描いているものです。

 適切な規制も存在しないため、どうしてもプレイヤーの寡占が進んでしまう弊害もありますし、その寡占した連中がどうしようもない奴らだったときに大きな揺り戻しが起きますよね、という話も含みます。何より、巨額の投資を繰り返しながらここ十年ぐらいはgoogle以降大きな技術革新を引っさげた大物ベンチャーが出るでもなく、似たようなビジネスと従来からのビジネス組み合わせが主流のあまりエキサイティングではない事業構造が問題視されてもいいんじゃないのという問題意識から記述しております。

 いまからネットビジネスに参入するのであれば、コアでクラスター化された専門知識をベースにしたカテゴリーキラーが中心にならざるを得ず、ネットで収益機会を大幅に減らされた既存の情報産業は事業性回復のきっかけさえつかめずリストラに追い込まれ、大手企業の破綻なんぞも表面化するかもしれないよね、という話です。ソフトバンクは早く借金を返すか潰れるかして欲しいと個人的には思いますけれども。

 どちらかというと、理知的で後ろ向きだけども、思想やここ十五年ぐらいの金融の流れを背景に「そんないいことばかりは続かないですよ」という意味合いの事例をたくさん書き連ねておりますので、ご興味ご関心をお持ちの方は是非お買い求めろ。


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Comments

新書の定義が最近良くわからない。

買いました。
読んでる途中で上司に奪われましたが。

はい。求めさせて頂きますです。

たいちょ、気がつくと隊長も説明に来る営業同様横文字を多めに使ってますゾィ。

最近の本はどっかのだれかの売れた本のタイトルのもじりが多いよね。。。。。

コアでクラスター化された専門知識をベースにしたカテゴリーキラー(キリッ
たいちょ~、これはチョット・・・笑いのセンスありすぎ(笑)

お布施のつもりで買いまする。

今まで隊長が投資してきた分野の総決算ともいうべき内容で憂哀精神あふれる内容だっと思います。総務省が諸悪の根源説の池田ノブオたんやユーザーのクオリティーに絶望先生こと梅タンをそんなの関係ねえと2,3行でばっさり切るあたりに隊長らしさを感じました。

本日お買い求めました。
ただ、帰り道の本屋で買ったので、アフィリエイト経由ではない。
申し訳ないがあしからず。

個人的には、夜中ということもあり以下の文でフイタ。
> アニメ制作会社が苦しい理由は、非常に単純な二つの理由に集約される。
> まず第一に、アニメを好きな層は基本的に貧乏であること。
こういう文章が市販のそれなりに売れるであろう本の中にサクッと出てくるというのはいい時代だなと本当に思う。

まぁ、私自身は基本的に貧乏なんですけどね。

買って読んだけど、本の横幅が狭いのにハードカバーは相当読みづらい。づらかった。

買いました。
隊長はtwitterについてどう思ってるのか聞きたい。

ご老人向けなのかなぜか無駄にQ数の大きい
新書が多いなかぎっしり詰まった組版で
就寝前の道入剤以上のご利益。ありがとうございます。

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    やまもといちろう

    ブロガー・投資家・イレギュラーズアンドパートナーズ代表取締役。
    著書に「ネットビジネスの終わり (Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など多数。

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