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2009.09.02

小林良彰教授「マニフェスト選挙ではなく業績評価選挙」&ダイヤモンド政治関連記事のガラパゴス化について

 もう「そうですね」としか言えないみもふたもない議論が小林教授から。

http://diamond.jp/series/tsujihiro/10083/

 最後の辻広氏の誘導尋問にも見事に引っかからず、さすが、としか言いようがありません。

[引用]

―民主党の圧勝には、小沢代表代行の豪腕も寄与した。百数十人もの小沢チルドレンを抱え、党内権力が集中する危険はないか。

 危険はあるが、人事を見なければ判断できない。

――鳩山首相が、個人献金問題で辞任することもありえるか。

 新しい事実があるかどうか、だろう。可能性はない、とは言えない。

 あまりに小林教授のインタビューが正しすぎて何も言えない状況なんですが、それ以外の政治関連記事の酷いこと…。いや、言わんとすることは分かるけど、実証つきで反論できそうな論述が山ほどあって、もう少し精査して記事をこさえたほうが読者のため、ひいては広告主のためではないかと思うような内容が続出しております。

例:小選挙区制と争点のあいまいさがもたらした民主党の圧勝
http://diamond.jp/series/hoda_news/10033/

<寸評>

 分からなければ、語らなきゃいいのにという適例。投票行動分析とリンダール均衡やホテリング定理による立地均衡のモデルでは状況が違っていて対比がむつかしいと思います。いや、そういうモデルが成立する選挙も一部にはあると思いますけれども、今回自民党が地すべり的大敗をした経緯は、立地均衡のジレンマではなく、従来からの自民党支持者が地方組織の磨耗と共に現自民麻生政権の政策評価をせず民主党に票を投じたためだということがすでに分かっています。NHKほか各局の支持党別の投票先の初歩的な情勢分析は報じていましたので、知っていて然るべき内容だと思われます。

 当然、モデルとして拠って立つ前提が間違っているので、その後の議論も全部おかしなことになってます。後段で語られた「通常、選挙においては最後に公約を表明する人間が最も有利である」という原則については、そうであることもあるけどそうでないこともあります。毎回それが成立したら、常に公約のもとに動く現職は必ず不利ということになりますので、あまり関係がありません。「上述ホテリングの立地均衡で理解した通り、両党ともが大衆受けするポイントを狙ったからである」についても、大衆受けは基本的にバラマキ政策であって、それへの批判は無駄遣いと財源問題に集約されるので、少なくとも今回の選挙結果においては利潤関数とホテリングの補題とはもっとも遠い概念だと思うのですが。

 今回選挙におけるより単純化された投票モデルについては、この辺を読んだほうがいいと思います。

テレビで勝つ選挙戦略―大統領を創るイメージの攻防
http://www.amazon.co.jp/dp/488553089X

民主党政権に立ちはだかる脱官僚の高い壁
http://diamond.jp/series/kishi/10053/

<寸評>

 全部主観による論述で、ある意味とても潔いし、同感できる部分もあるけど、結局何を言いたいのか分からない駄文になっているのが興味深い。いや、マニフェストがだいたい小泉-竹中路線への反動になってるのだから、小泉政権に積極的に加担したお前らが両党のマニフェストを評価しないのは当たり前だとは思いますが。

 脱官僚のために作る組織が小泉政権時代に組成した委員会と同じ機能、という指摘は正しく、さすがに岸さんだねと思うんですけど、よく考えると「だから何なんだ」という反駁が心の中に残り、何とも言えない論理的残尿感を醸し出します。それにしても、「幸い、自民党の改革派の重鎮の多くが比例復活で当選しました」とか書いてて、要は中川秀直氏が中国で比例復活しただけの話じゃないかと思います。「俺助かった」みたいな感じでしょうか。

 本当に、何を言っているんだか分からない記事でした。

圧勝した民主党政権の最大の使命は「ガバナンスの回復」
http://diamond.jp/series/admin_change/10007/

<寸評>

 やたら長いインタビューで読むのに一苦労。しかし、神保氏は有識者にインタビューする側であって、何で神保氏がインタビューされて、しかも長々と答えているのかがまず気になりました。「日本の財政赤字がそこまで膨らんだ原因は、今の日本政府が完全にガバナンス(統治)を失っているからではないか」とかそもそも論に回帰しちゃってるあたりは精神的に腰が抜けましたが。

 中盤から後半にかけても、あまり選挙と関係のない価値のない議論が続いていて、神保氏の価値は「むつかしい話を取材してきて、神保氏なりに考えて平易に噛み砕いてメディアで論述するから面白い」ということなんだろうなあと再確認しました。電車の中で全文三度読み直したけど、びっくりするほど内容がないよ…。

 神保氏は有識者との対談の中で、素朴な疑問から矛盾点を見つけることで相手の話を引き出す場合は凄いいい仕事をするので、そっち専門でやって欲しいです。

God Bless You, Mr. Aso, or Father in secret
http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2009/08/god-bless-you-m.html

 改めて、池田信正氏の論述を読むと、力の抜け加減というか、彼我の対政治観の熱量差のようなものを感じる。それで飯を喰ってない故の岡目八目というか。


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Comments

(^o^)ノ<最後の人の名前間違えてるぞー

池田信正は戦国武将やがな

少なくとも郵政選挙は自民党に入れたわけではなく小泉さんに入れたわけようなもんだから。四年前に小泉さん(自民党)に投票したものとして小泉さんから総理が変わるならきちんと解散して欲しかった。にしても自民党がやったからという理由で民主党も来年の参議院でも勝ってしまったら、たっぷり3年間は友愛改革と田中角栄直伝の地方の人のための一郎づくしがはじまってしまうのは怖いですねえ。

少なくとも郵政選挙は自民党に入れたわけではなく小泉さんに入れたわけようなもんだから。四年前に小泉さん(自民党)に投票したものとして小泉さんから総理が変わるならきちんと解散して欲しかった。にしても自民党がやったからという理由で民主党も来年の参議院でも勝ってしまったら、たっぷり3年間は友愛改革と田中角栄直伝の地方の人のための一郎づくしがはじまってしまうのは怖いですねえ。

>対政治観の熱量差
つかあたりまえじゃん。。。。
株屋のネット政治ゴロを基準にしたら、世間のほとんどの人は「熱量差」の向こう側にあるよ

ポンデリングのあたりで挫折した

鳩山さんってよく考えたらスタンフォードのPhDを持っているんだよな。今度からドクター鳩山と言わないとな

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    やまもといちろう

    ブロガー・投資家・イレギュラーズアンドパートナーズ代表取締役。
    著書に「ネットビジネスの終わり (Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など多数。

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