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2009.09.01

選挙前からほぼ確実に政治情勢を言い当てていたのな

 選挙のワイドショー化が進んで、政権交代選挙なるものがメディアに煽りに煽られた一方で、かかる情勢(自民大敗、民主単独過半数or単独安定多数)を読み切って、さらに選挙後、脱官僚依存がどういう経緯で動くのかまである程度見通していたメディア関係者は結構いるらしい。

 そんなわけで、少々「実はちゃんと報じてました」記事など。

 フォーサイトでは、選挙前から白石均氏が思い切り「民主党政権後の官僚依存絶ちは困難」とか書いちゃっている。興味深い。会員登録すると全文読めるよ。

民主党は「労組への従属」から脱却できるのか(09年8月号)
http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20090817-01-1501.html
民主党の「脱官僚マニフェスト」を検証する(09年9月号)
http://www.shinchosha.co.jp/foresight/main_frame/main3_2.html

 結構強力な記事になっていて、藤井裕久氏らがメディアに出て散々主張している財源の捻出から失速する脱官僚の方法論まで、マニフェストに関する不明点や懸念点を率直に書き記しております。安全保障については触れられてないけど。かなり明確に「過去の成功体験に寄りかかり、権限と財源を手放さない現在の官僚制度がこのままの形で続いていいはずがない」という趣旨で官僚批判をしているのだが、その官僚支配から脱しようとしている民主党のあり方についても、まさかのダメ出し。「民主党政権が、麻生自民党よりましな選択であることは間違いない」とか書いちゃってるし。

[引用]民主党が「新たな財源」として掲げる「総人件費削減」にも触れておきたい。「総人件費二割削減し、一・一兆円の財源」というのだが、これも具体的方法論になると極めて怪しい。民主党マニフェストで最初に掲げているのは「地方分権推進に伴う地方移管」、つまり自治体職員に身分を替えるというが、自主財源で国家公務員を新たに引き取れる自治体などほとんど存在しない。国家財政にとっての負担は変わらないはずだ。
 さらに、給与を下げるのかというと、「手当・退職金などの水準を見直し」とわざわざ書いてある。人員削減もせず、本俸・給与体系にも手をつけず、どうやって人件費を削減できるのか。やはり労組の顔色をうかがっていることが明白ではないか。

 ただ、問題点の抽出や見通しがえらい正確なので、変にネットとかで民主政権成立後の見通しを読み散らかすよりこれ読んだほうが早いと思う。画餅を宣誓して、できる限りのことを中央突破でやろうとするんだろうが、実は選挙前に一定の争点の腰砕けというか先鋭点の丸めはしていたんだろうと想像。鳩山氏が現実路線へシフトするかどうかは、個別人事を見てから、ということになるのだろうか。

 で、さらにその個別人事や方針にまで踏み込んで記述しているのがFACTAの記事。誰が書いてるんでしょうね、これ。

いざ出陣「鳩山政権チーム」(09年8月号)
http://facta.co.jp/article/200908065.html
鳩山「お坊ちゃま宰相」の真贋(09年9月号)
http://facta.co.jp/article/200909029003.html

 こちらは、白石氏の記事よりももっと中立的。イデオロギー色はほぼ排除で、民主党人事とその支柱(支える柱のことじゃないぞ。天秤を支える中間点のことだぞ)になる鳩山由紀夫氏の人柄を政治遍歴や人事推移から読み解こうという代物。いや、誰が書いているんでしょうね、これ。ほんとに。

 鳩山政権のお友達体質がそのまま国家戦略局人事という肥大化した官邸組織に移植してきて、デカイことをやらかそうとするに違いない、と読む。鳩山氏の言うことは壮大、理想的なんだろう。他のお坊ちゃまに比べて、博打が打てる分、才覚があると評する。

[引用]人事の成否は政権の命運を分ける。鳩山氏は新党さきがけを離党して旧民主党結成に走った時、邪魔になった武村正義元蔵相を切り捨てたことが「排除の論理」と指弾された。10年前、最初に民主党代表に就任した時は、代表選の露骨な論功行賞で中野寛成氏を幹事長に指名し、党内から総スカンを食った。実は折り紙つきの人事下手である。

 一般教養で戦後政治史とか受けると必ず出てくる流れでね、これ。政治に興味があっても意外に忘れられている物件かも知れぬ。とはいえ、鳩山氏がこれらの失敗を汲んで、考え方を修正するかもしれないし、小沢氏が横から出てきて人事は俺が決めると言い出すかもしれないし、まあこれも模様眺めになるのかね。

 でも、鳩山氏の下に既に直轄の「政権移行準備チーム」ができてあれこれやっているというから驚きだ。身体検査も満足に終わっていないのに、どうやって準備しているのか良く分からない。宴会の準備でもしているんだろうか。隠しダマが一杯あったら嫌だな。

 明日から通常業務に戻ります。


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Comments

いきなりこけてますよ鳩山人事
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/296258/
>鳩山氏は首相主導の政権運営を目指し、財務相、官房長官など主要閣僚予定者が他党との連立協議などを行う「政権移行チーム」設置を見送る考えを表明したのだ。
>代わりに、小沢氏ら現三役が政権発足準備に当たる。
>鳩山氏自身が掲げた首相主導の政治は出だしでいきなりつまずいた。

いきなりこけてますよ鳩山人事
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/296258/
>鳩山氏は首相主導の政権運営を目指し、財務相、官房長官など主要閣僚予定者が他党との連立協議などを行う「政権移行チーム」設置を見送る考えを表明したのだ。
>代わりに、小沢氏ら現三役が政権発足準備に当たる。
>鳩山氏自身が掲げた首相主導の政治は出だしでいきなりつまずいた。

ハイリスク・ローリターン

それにしても日本人って極端な方向に走るのが好きだな。前回の選挙よろしくパートのオバチャンや職歴がまともに無いような人間まで国会議員になるとはね。

ホント誰が書いているのでしょうねぇ…まさかっ!!

国家戦略局って,行政権限の1極集中ですよね。確かに意思決定は首相に1本化され,スピードアップも図れるとは思うんですが。
1番気になっているのが,意思決定過程の情報公開をどうするのか?です。非公開にしたら,政策決定過程がブラックボックス化してしまい,密室政治の最たるものになってしまいます。逆に,透明化してしまったら,外交・安全保障政策の戦略・戦術がバレバレになってしまいますし。
じゃぁ,部分的ブラックボックス化だとしたら,その区分の仕組みや判断,さらには,戦略局の中で,その区分を徹底できるのか?とか。
人事に加え,仕組み作りの手腕も求められるところで,どう対応するのかが気になります。

別にいいんだよ。どんどん、めちゃくちゃになって、国民が本当に怒りだして、毎日のようにデモとストが起きるようになるまではさ。民主主義っていうのは、お上から授かるものでなくて、勝ち取るもので、いい加減、いい子にしていたら、わけまえにありつけるっていうのは、可笑しいし、できなくなってしまったんだよ。

国際関係だっておかしくなったとしても、世界中、別にブーブー文句を言われるだけで、日本の軍事能力の低さで大安心状態だし、その上、日本が欲しいなんて思おう国なんてないだろ。国民の多くが、子供のままなんだし、日本人同士のままは、子供みたいなつきあいって平和だしさ、でも、外国にとって、日本をとって、いまさら、もう、民族浄化もできないし、日本人全員を、ベーシックインカムで支えるなんてできない。

とくにさ、日本は鎖国していない、してはいけない、国際的経済開放して、もっと豊か道をとか言っているけど、ネットはとくにそうだけど、精神的に鎖国しているみたいな輩ばっかじゃん。精神が鎖国しているのに、どうして、海外から認められるわけねーーー。

だから、いいんだよ。もっと悪くなって。自民党が歩んだ道は、民主党も同じ過ちを踏んで、政治家みなが混沌して、そのうち、数名の新人によって、ビッグバーンが起きるのだと思う。新人っていっても、若いか年寄りかどっちがどっちではないけどな。

次は上品な話題ではないが、史実として記録に残しておく意味はある。
民主党の細野豪志は山本モナと五反田のラブホテルで過ごした。
民主党の横峯良郎には半同棲状態の東京妻がいた。
民主党代表の鳩山由紀夫は選挙区の室蘭市にあるクラブママに愛人がいたことが発覚している。
残念ながら、9月16日に下半身友愛首相が誕生する。
鳩山社会主義下半身政権は、ばら撒きと増税の後退政権であり、新たな政権交代が必要である。

民主党に公務員改革などできるはずない。自治労が最大支持母体の政党だぜ。
地方の県職労から,今回の選挙は民主,民主の大騒ぎ(つまり公務員にとっちゃ,民主に票入れて公務員の待遇改善を!がスローガンだったわけで)。多くの公務員批判をしている国民は,この辺どう思って票を入れたのかわからねえ。

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    やまもといちろう

    ブロガー・投資家・イレギュラーズアンドパートナーズ代表取締役。
    著書に「ネットビジネスの終わり (Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など多数。

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