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2009.07.14

いっつ あ すごい赤字わーるど

 日銀がハイブロウな記事を上げていましたので…。

国際金融ネットワークからみた世界的な金融危機
http://www.boj.or.jp/type/ronbun/rev/data/rev09j09.pdf

 内容はお通夜の式次第のようなもので、オーソドックス、かつ、市場感覚とのズレもなく、過不足ない感じでまとまっています。まあ、分からない人は「戦争はこれからだ」的に考えていただければありがたく。

 本件が病気のメカニズムの解説だとするならば、個別事案は紛れもなく症状ということになります。二週間か三週間ぐらい前に面白経済問題を扱っているうちに抜き差しならない記事も出てくるようになりましたのでご紹介。

米ノンバンク大手のCIT、破産法申請も 米紙
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090713AT2N1300N13072009.html

 結構前から心配されていた米経済の最も「弱い輪」が破産法とのこと。産業セクターに対する影響が甚大で、借り手保護とか言い出しちゃうともう収拾つかないですね。どうするんでしょうか。

 これから、ノンバンクが仮に一部救済とかやられ始めると、今度は州年金基金の破綻とか、カリフォルニア州以外の財政うんこ州のデフォルト気味ニュースが出てくるのかなあと思うわけで。

米財政赤字、初の1兆ドル突破 09会計年度、9カ月累計で
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090714AT2M1400H14072009.html

 オバマ大統領の決死の覚悟で当面の経済危機は乗り越えてみたものの、乗り越えるためにかかる費用をどう捻出するのよ奥さんという事案がこれ。1兆ドル突破ですが、これは09年度の赤字額の類型に過ぎず、当然これからCITも含めていろんなもんが破綻したときに大なり小なり政府支出を伴う対策を採るわけですから、危機がおわるころには10兆ぐらいになっているかもしれないし、数兆で済むかもしれない、これは誰にも分からない、という話になります。

 これ一発でドルの信認が揺らぐのどうのという言説も一部で飛び交っていますが、まあ他の代替通貨については以下記述の通りクソさ加減では似たり寄ったりなので、あんまり説得力はねえなあ、と。むしろ、信認は低下しているのにデフレでキャッシュの価値は上がるという不思議な現象が続くと、それこそ池の中の鯨同様に日本、中国の膨大な外貨準備の取り回しや長期金利の変な動きが出たりして、人類初体験の経済ジェットコースターが実現するのかと思ってしまいます。

 絶対、金本位制に回帰しようとか言い出す奴が出る。

中国の国債入札、今週2度目の札割れ-資金供給の抑制観測で
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90003011&sid=arlZ3AKzjsBE&refer=jp_asia

 で、ここにきて俄然注目される中国経済なんですが、また曲芸みたいなことになってます。本来ならとっくに破綻していると思うんですけどねえ。でもどうにかなっちゃってるというのは、中国政府というのは経済運営が物凄く優秀なんだろうと思います。これ、皮肉とかじゃなくて、ガチに優れていますよ、中国の経済閣僚の差配。

 その中国の国債入札が札割れに。外貨準備高は積みあがっているけど国家財政は火の車で、経済成長は6%台キープであるにもかかわらず新規の融資激増なのに短期金利が上がってて引き締め観測が出ているという訳の分からない状況に。これを中国経済雑技団と言わずに何と言うのだろう。

 もちろん人民元にドルなみの信認などあるわけなく、破綻しそうで破綻しない状態のまま、ブックメーカーの対象になっているような感じですけどね。

欧州、赤字国債が急増 独は10年11兆円、仏も年内に追加
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090713AT2M0601S12072009.html

 国内メディアがようやく報じつつあるのがこれ。欧州ヤバい。EU加盟の財務条項で縛っておきながら、財務の健全性が確保されづらい状況で不況がやってきて直撃、経済蓄積の弱い国同士が経済破綻の共鳴を起こしながらEUの盟主国である独仏の経済の足元を侵食してピラミッドの頂点から凹んでいくパターン。

 中国みたいに「手続きなどどうでもいいから、打てる手は今日にでも打つ」のと違い、経済政策の手足をお互いに縛りながら、一大経済圏になってアメリカに対抗した極を形成しようという実験がEUなのだから、山頂の景気が失速すればそりゃあ即座に問題になりますわなあ…。

Bank of England Maintains Bank Rate at 0.5% and continues with £125 Billion Asset Purchase Programme
http://www.bankofengland.co.uk/publications/news/2009/059.htm

 経済危機という観点では、もはやうんこ山盛りの状況になっているイギリスですが、なんかもうぐちゃぐちゃです。「買い入れプログラムの期限を延期するかは期限が来てから決めるお」とかいって、アテにしないと生きて逝けない政府受注が主力の民間各社が総じて涙目の状況であります。

 まあ… もはや打つ手もないから国内政局もしっかり見極めて最低限の対策だけでもきちんと講じながら状況が好転するのを待とうか、という話なのだろうと思います。が、今回は時間が解決する性質の問題ではなく、むしろ皆で悪化していく世界経済の中で誰にうんこをたくさん喰わせるかというマイナスサム・ゲームでありますから、世界的な需要不足を打破するために何をすべきか、という話になるんですよね。

 結局、需要不足なんだから、じゃんじゃん政府支出増やして需要を作るか、劣後の経済圏を椅子から蹴落として供給を削るか、あるいは戦争でもさせて一発解決を目指すか的な話にならざるを得ないんでしょうね。

 ロシアやシンガポールの話もあるけど、時間が来たのでまた今度。


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Comments

中国が、強いのは、まじ、占いで決めているんじゃないかな。サイコロふったり、手相をみたり。藁

経済成長は6%台にもかかわらず中国は就職氷河期という摩訶不思議な現象も起きてるようで卓越したバランス感覚がいつ崩壊するか心配で夜も眠れません> <

こんな状況だけど、民主党さんよろぴく。。消費税上げないなんて自殺行為だよなあ。。。経済状況関係なしに政治家って言うやつは権力握りたいものなのだろうか。。。。

ジム・ロジャーズの長期予想がだいたい当たるので参考にしています

http://jim-rogers.seesaa.net/

隊長がSPAに出てたよ
http://spalog.net/koino/

日本でも、経済が不調になると、政局で遊び出す人らがでるけど、どうなるんでしょうね。
この前の日本新党の時は、日本だけが不調で他国の好調に助けられてなんとか持ち直したけどさ、
今回政治空白作ると、マイナスサムの割食うだけじゃねーの?

隊長 中央公論 見たお

でも戦争って言っても、誰と誰が戦争をしたら誰が儲かるんですか??今戦争しても誰も得をしないような期が。

で、我が国は民主政権移行で沈没、と・・・

↑じゃあ自民が何かしているというわけでもないので、何をしようがするまいが経済は無反応といういつものパターンじゃないかな
民主が勝った場合、自民が溜めに溜めたうんこが一気に噴出し国を挙げての石原銀行状態が発覚してしまう可能性もあるが、それも核密約並の公然の秘密なので国民の混乱をよそに「織り込み済みですが何か」で済みそう

↑じゃあ自民が何かしているというわけでもないので、何をしようがするまいが経済は無反応といういつものパターンじゃないかな
民主が勝った場合、自民が溜めに溜めたうんこが一気に噴出し国を挙げての石原銀行状態が発覚してしまう可能性もあるが、それも核密約並の公然の秘密なので国民の混乱をよそに「織り込み済みですが何か」で済みそう

>消費税上げないなんて自殺行為だよなあ。

消費税上げないのが自殺なら、消費税上げるのはさしずめ自爆テロってとこか。。

>でも戦争って言っても、誰と誰が戦争をしたら誰が儲かるんですか??
戦争で、中国というダンピング国家が壊滅すれば、ダンピングにつきあう必要のなくなった産業は、全て儲かることになりますなあ。、

日本の問題としては50代以上が金融資産を8割押さえてるという資産の吹きだまりが発生してるのがマズいかと。
なので、年金受け取る奴は資産を全部没収して、死ぬまで毎年(払い込んだ年金+没収資産)/平均余命分支給してやれ(使い切れなかったら没収)て話をすると、何故か皆怒る。
経済回らないのは頭堅い爺さんが資産にしがみついてるからだから、そこを改善しないと。
生前贈与も緩くしてやるし、平均余命超えても毎年支給だし、どうせ使い切れないから国庫が潤うし、余った分で低所得の爺さん救う余裕も出来るし、何より経済が回る。資産没収されるのが嫌なら年金無し&医療費全額自己負担でそれも許してやるって。爺も死ぬまで資産に縛られるより、毎年派手に金が使えて良いだろうに。
でも皆怒るんだよな。

輪転機フル稼働で元を量産 →
国内に流したらインフレなので外貨買っとけ →
GDPに加算 → 国家財政放置 ですか?わかりません。

切込隊長さん、こんにちは、

日銀のレポートは大変おもしろいですね。

http://d.hatena.ne.jp/hihi01/20090716/1247707989

人も企業も死んでいくという意味では、戦争はこれからかもしれません。

>>any-key
リッチな高齢者から巻き上げようとすれば
彼らは、「なら金持ち優遇してくれる外国に
逃げます、サーセンw」って言って日本の個人資産が
どんどん減っていくだけ。そして貧乏人だけが残る。
とりあえず今の日本にできることは、
法人税を下げ、消費税を上げることだ。

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    やまもといちろう

    ブロガー・投資家・イレギュラーズアンドパートナーズ代表取締役。
    著書に「ネットビジネスの終わり (Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など多数。

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