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2009.07.02

中川淳一郎選手、三回目の演技です

 連載二回目が面白くなかったので、話としてはもはや終わりかと思いきや、実は三回目の記述が本論であったことが判明しました。

良いタイミングで「一抜け」した梅田氏
「ネット敗北宣言」の本当の意味【3】
http://www.nikkeibp.co.jp/article/nba/20090628/163402/

 中川氏の立ち位置がはっきりしたので良かったですね。dankogaiも何か言ってますし。

梅田望夫と中川淳一郎の共通点 - 書評 - ウェブはバカと暇人のもの
http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51230000.html

 前回までのあらすじは、一連の梅田望夫「残念」発言問題で「ウェブはバカと暇人のもの」著者中川氏が登場するも、中川氏の担当するというその現場では馬鹿と暇人向けにチューンされた荒涼としたニュースサイトが存在しており、お前がそれを言う資格があるのかという疑念が渦巻いているというお話です。詳細については以下私のエントリーをご参照ください。

「ウェブはバカと暇人のもの」中川淳一郎氏の迎合発言を糾弾する
http://kirik.tea-nifty.com/diary/2009/06/post-f70b.html
おい中川淳一郎。ちょっと待て。何だそのクソサイトは
http://kirik.tea-nifty.com/diary/2009/06/post-fe2e.html

 で、今回論述されている中川氏の話の趣旨は、「ネットを含む社会全般の著名人の実態と虚像の問題」から「梅田望夫氏のネットでの虚像が彼の不用意な発言で崩壊し、支持を失った話」へ敷衍し、ついで「梅田氏はネット界隈からの”卒業”をするのだから暖かく見守ってやれ」という結びで終わっています。論旨的には50字程度で要約できる内容であり、金をもらっているんだからもう少しちゃんと書いたらどうだろうかというような運びではあるが、本論としては筋の通ったお話であります。

 前半の岡田有花記者の話は完全に蛇足であり、ネットユーザー向けのツカミ以上の内容になっていないのは残念でした。インタビュアーとしての岡田女史の立ち位置とか内容の読みこなしとか、その本論に繋げるのであれば岡田女史について書くべきことは他にあるだろうに(笑)。

 結局、中川氏のドグマというか論述の拠って立つ話は、「ウェブに時間を費やしてサイトとか見ている人は馬鹿で暇人である」という大前提以外なくて、どうしても硬直した内容になってしまっています。そういう文章を読まされたネットユーザーの感情的にどうであるかより、それは中川氏がそういう商売しかしていないからウェブのしょうもない側面から梅田氏や岡田女史の論評をするほか、方法がなくなっているように読めめるわけですね。

 だから、梅田氏は地位的にハイエンドであり、本音を漏らして無知蒙昧な信者が神父に突き放されて右往左往しているという構図しか読み取れないのではないかと思います。で、阿呆なネットで梅田氏がバッシングされている、と。では、中川氏というのは梅田氏の個別具体的な業務内容、外形的に分かる内容でもいいからそういったものをフォローして、彼がシリコンバレーやその界隈でどういう立ち位置でどんな評価を受け、クライアントがどんなところなのか理解して書いているのだろうか、と。ああ、別に調べろっていうわけじゃないですよ、念のため。

 ただ、ベイエリアの状況を考えたら、とてもじゃないけど「一抜け」とか表現できる状況には、梅田氏はいないんじゃないですかね。ニュアンスは黒坂氏の記事にもあるから、そっち参照。

から騒ぎ
http://japan.cnet.com/blog/kurosaka/2009/06/04/entry_27022804/

 要は、ウェブはいま、ハイエンドがやばいんですよね…。それこそ、梅田氏のいる。だから、ぼつぼつマイクロソフトやグーグルのリストラの話があったり、大手通信で巨額増資の話がまとまらなくなったり、キャッシュ吐き出してしまったベンチャーが身売りもできずにひっそり潰れていたり、不採算サービスが突然休止したり、そういう事例が続出しているのが現状です。それは、ネットユーザーが馬鹿で暇人で残念だから敗北宣言、という文脈とはまったく逆の話でね。

 川下の水が汚れている! と中川氏は言うけれども、川上では水が干上がっているわけ。ああ、もちろん干上がるというのはないけど、でもかつてより相当水位は下がってしまいました。汚れていても川である限りは、支流にあるアメーバニュースも存続できるかも知れんけど、水が流れづらくなったら支流は大変だろうと思います。

 もちろん、現象面としての梅田望夫「残念」発言問題は中川氏の議論はとても有効だけれども。まあ、中川氏に関してはここまで、ですかね。面白かったです。これまでお疲れ様でした。


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Comments

私達は市民革命を経て成立した社会システムの下で暮らしていて、その色んな長所を享受しているわけだけど、隊長は市民革命を起こしたのもその結果たる社会システムの設計を選んだのも「市民」だとか言うんだろうか。あるいは戦前の日本の満州事変ちょっと過ぎた辺りの世論の盛り上がりなんかもそうだけど、「一部の権力者が動かした」という言い方の否定は「市民が選んだ」というのとは一致しないでしょ。メディアも行き届かなかった時代に農民がどんな政治的意思を行使したと言うのでございましょ。

結局、その気がある人間が黙々と事を運ぶというのが中心にあって、そこに扇動が加わると、ああマスが動いてますな、という話になるのが、古今東西の社会変革の基本的枠組みじゃないのかしらん。その気がない人に、失ってみて分かるものの大切さ、を説いたって伝わるもんじゃないかと。

そういう風に考える小生的には、中川氏の方が地に足が付いていると思う。その内実は具体的でも高尚でもないとしても、ネットに対して確固たる期待を持ち、自分の視野から得られる情報に従って、当人なりにやっていこうとしているのだから。隊長が理解者として味方に付けるべきなのはこういうレイヤーの人なのでは?もっちーじゃあるまいし、失望した、と言うもんじゃないでしょ。

参考になりそうな発言があったので引用しておきますね。

http://kirik.tea-nifty.com/diary/2009/06/post-77b4.html
> 本来なら、残念と切り捨てたい相手こそが、対話し気づいてもらうべき相手だったわけだよ… 残念だが、それが現実なんだ。

梅田さんはマンダリン・オリエンタルな世界の人です。リッツ・カールトンの人と言っても構いません。あるいは帝国ホテルの人と言っても良いでしょう。梅田さんはノーブルな人です。梅田さんは、マジになると洗練された文章を書きます。あんな文章は、才能と膨大な読書量がなければ書けるものではありません。

ただ、梅田さんは、今までマンダリン・オリエンタルな世界の人としか接していなかったので、ネットもそういう洗練された、尊敬すべき人々が交流する場になると、結果として現実の日本人の水準を無視して、梅田さんは自分の身の回りにいる人々があまりにも洗練された人々であるがゆえに(実際は、選ばれし人々が集う場にいただけ!)ネットに過大な期待を寄せてしまいました。

案の定、日本のネット空間に現れたのはマンダリン・オリエンタルではなく、あちらこちらに破られた窓が無数にあるスラム街でした。梅田さんはそんな日本の現実に嫌気が差し、「もう小銭のために、自分の内なる声を押し殺してまで、スラム街には関わりたくない」という結論に到達されてしまいました。

梅田さんは日本のネットと関わるには、あまりにノーブル過ぎました。いつの世も、どこの国も、色と金と自己保身にしか興味が無い俗物が最大派閥なのです。

ところで隊長は朝生に呼ばれないの?
ホットカフェが呼ばれて隊長が呼ばれないなんて
おかしいよね。
隊長の事わかっていないと思うなぁ。


それはそうと隊長は彼と仲いいんだろうか?・・・


結果として蜘蛛の糸へ焚きつけてる当事者が「あっはは、見ろ、人がゴミのようだww」というポンプ野郎だった失意、そして梅田氏は蜘蛛の糸で言うところの諦めの早いお釈迦様wwって感じですかね。

おそらく隊長がエントリしなければ何の問題視もしなかった自分としての総括は「ネット発ムーブメント」には正直興味ないわけで。早めにXBRLが確立して使いまわしたいねくらいで。ただネット付近で起きている事は、繰り返し営まれてきた世界に対する「何かしらの新感覚」をもたらすんジャマイカというちょっぴりとした期待、恋心に似た淡い気持ちがあって。それは初夏の雨上がりに立ち上るイカ臭さくらいなんですが。

んまぁ、梅田氏に晩年のシモン・ボリバルを重ね合わせてしまうのは何ででしょうかね。

朝生はまともな議論をする番組じゃないから呼ばれないんだと思うな。ありゃ理路整然と意味不明な演説をする人しか呼ばれないからな。

ハイエンドな人曰く

S/N比が多い所で発言するメリットなんて無くね?
           ↓
じゃぁ何言ってもシグナルもノイズも来ない所で発言してたら良いじゃん、俺天才!

終了。

まぁ、向こうやこっちのハイエンドな人が発言するしないなんてどうでもいいことで、Googleを中心とするベイエリアのハイテクピラミッドが大変というより、カリフォルニア州自体が死にそうなニュースが沢山聞こえてくることのほうがやばい。

ハイエンドな人曰く

S/N比が多い所で発言するメリットなんて無くね?
           ↓
じゃぁ何言ってもシグナルもノイズも来ない所で発言してたら良いじゃん、俺天才!

終了。

まぁ、向こうやこっちのハイエンドな人が発言するしないなんてどうでもいいことで、Googleを中心とするベイエリアのハイテクピラミッドが大変というより、カリフォルニア州自体が死にそうなニュースが沢山聞こえてくることのほうがやばい。

岡田有花と中川淳一郎がいい仲だというのは本当か?

とりあえずコメント欄の一番上の人の頭の中には、二極化していてそれぞれの極内は恐ろしいまでに均一化した人間像しかいないみたいで、それを基に主張しているのが最高に頭が悪そうに思える。

「インターネットはからっぽの洞窟」
なんて本もあったね

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    やまもといちろう

    ブロガー・投資家・イレギュラーズアンドパートナーズ代表取締役。
    著書に「ネットビジネスの終わり (Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など多数。

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