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2009.06.26

「マネタイズ」は収益化のことなのに、"hacks"と言うのはおかしい

 題名から難癖を付けてみたけど、どこの会社も本音はやはり言わないようで。うちの社員もtsudaっておりました。

ネットサービスにお金を払ってもらうには mixiやpixiv、はてなの“手の内”
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0906/25/news052.html
pixivが指南する、Amazonアフィリエイトの稼ぎ方
http://news.livedoor.com/article/detail/4219560/
【募集締め切りました】第三回マネタイズHacks 参加者募集のお知らせ テーマは「ユーザー課金」
http://blog.livedoor.jp/ld_directors/archives/51206033.html

 どことは言わないけど、ネットでの広告料金を率先してダンピングしてきた会社が偉そうなことを言ってるんだな。問題は、広告不況なんじゃなくて、ネットに対して割高なサービス料金を払って無知を晒してくれた大手企業が干上がったことのほうが大きいだろ。それを、いつまでも個人のネットユースの延長線上でARPUを算定していくら以上有料課金会員を集めたら黒字、みたいなネトゲ会社の如きビジネスプランを書いていたら、いつまで経っても見えない敵と戦い続ける結論にしかならんと思う。

 ネットで完結しているビジネスだけでマネタイズを成立させようとしたら、そりゃ行き詰るのも当然だよな。だってネットでCGMに時間を潰すような奴らは基本的に貧乏なんだから。月間平均3冊程度の本をamazonで買うのすらふうふう言っているような奴らに「1,000円以上お金を使ってくれたら」とか夢みたいなこと言ってたら広告外での収入でサービスが黒字化するなんてことありえませんって。

 結局、ここ二年のネット関連ビジネスで黒字化しているのは、ヤフーとか除けば物販依存かゲームのようにパッケージに対して相対的に安価なコンテンツぐらいしか利益が出ていないわけですよ。そうでなければ、クリック誘導もどきで顧客騙して広告クリッコさせるコンテンツあたりでしか利益は出ないでしょう。

広告効果が異様に低いメガサイトのネット広告枠の問題について
http://kirik.tea-nifty.com/diary/2009/06/post-f7d2.html

 だから、どうやって稼ぐか、つまりマネタイズをどうすればいいのかに関心が集まるんだろうけれども、大枠で言うならば、サービスは赤字でもいいから受託開発で稼ぐというカヤックの貧相な社長が言っていたようなアプローチしか考えられないだろう中堅以下は、というのが実情だ。だって一番利益率の高いところは受託開発なんだもの。しょうがないよね。それの営業をするには人を雇うか知名度を上げざるを得ないわけで、話題になるサービスをやって、それを名刺代わりに利益率の取れるビジネスを受注するという以外にどういう利益拡大策があるのかという話だ。mixiみたいに、emaercury時代の人材ビジネスの片手間に事業が伸びてくれればいいんだろうけれども、シナリオなんか終わっちゃったわけだろ。広告が激減して、単独のマネタイズでmixi年賀状でどれだけ下落を埋められるんだ、という。

 だいたい、元記事を書いてくれているITmediaだってお前らのマネタイズは大丈夫なのか。親亀こけたら大変なことになるのは分かっているだろ。ビジネス誌だって、本誌で利益は取れないからセミナー商売やったり社長相手に会員制サービスやって、赤字を埋めて暮らしているんだよ。結局、金があって利益率が見込めるリアルのビジネスとどう連関してマネタイズしていくか、ビジネスを設計していくかしか方法がないんだ。

 この並びでいくなら、サイバーエージェントを呼んでくるべきだったな。


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Comments

emaercury->eMercury

単純に、水商売の、接客技術を売ることはできると思うよ。単純に、ネットで酒を売って、接客すればいいんだよ。あとは、実業の範囲をソフト開発以外に増やしていくしかないのだろうね。飲食店経営なんだろうけど。あと、不思議なのは、オタク商品をなんで海外向けにネットショップを作らないのだろうか。絵を無料で描かせているところなら、外人はすごく財布が固いけど、品質がよくて希少価値があるなら買うよね。ただ、複製の数が多かったり、複製の複製は絶対に買わないけど。結局、実業を知らなすぎるってことなんじゃないか。あとは、宗教かな。宗教ビジネス。こちらは、貧乏でも金をだすし。あとは、知らん。ま、いままでは、企業側は広告効果を測定するために、鼻から信用してはいないで、広告効果が小さいとなれば、どっと減るんだろうね。欧米人には、クリック広告はそれなりに効果はあるだろうけど、日本はあまりないと思う。いろいろオレもテストしているけど、間違ってクリックしている量の割合の方が多いんじゃないかな。それに、どこも、間違いやすいところに、日本のブログは広告をおいているしな。この点、外国の広告は、間違うようなところおり、目がいきやすいところに配置されている。ハッキリ違いが感じられる。ネット通販は、もっとネットでしか買えないものを扱わないと。というか、日本の商品を外国に売るってことだな。代わりに外国の珍しいものを日本人に買いやすくすることだろうね。ま、いずれにしても、ネットビジネスは、来年の今頃は、おおきく変わるんじゃないか。興味深いのはSo-netだな。富くじがあったりして、どうなんだろ。珍しい。売れすぎると社会問題か? あとは、あれか、ネットで反復学習かな。通信添削か。検定試験もできるか? ま、どれもオレには関係ない。ネットビジネスは、終るから、残念なのかも。

貧相いうなw

マネタイズとかいう言葉を使うと「ビジネスはうまくいってる。あとは利益を稼ぐだけ」みたいな印象を受けるけどようはだめなビジネスをやっててそれを世間の目をそらせるって事でしょ。
何だかんだでヤフーは凄いんだなと。ネットビジネスのほとんどの利益はヤフーに吸われちゃってる感じだな。

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    やまもといちろう

    ブロガー・投資家・イレギュラーズアンドパートナーズ代表取締役。
    著書に「ネットビジネスの終わり (Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など多数。

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