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2009.05.15

日本企業や日本的組織に馴染まない帰国子女の処理法

 帰国子女が嫌いとか、駄目とか言っているのではなく、彼らの主義主張が間違っているというわけでもない。

 でも、SFC初代もさることながら、大卒の帰国子女が外資系に入ってジョブホップを繰り返しながら30代半ばで業界そのままマネージャーになっている場合もあって、扱いに困るという。しかも、こちらが客だったりする。無理を言っているわけではないのに、こちらの要求に対して何か正論を言われて、そうですかねといって引き下がることがあり、後から「なぜ客であるところのこの私が、担当に遠慮して要求を取り下げているのだろう」と思い返す。で、後日またそういう要求を投げると「先日やめたと仰ったじゃないですか」とか言われて今度は腹立たしいという。

 最近だと、彼らが起業してて決算説明会とかやってて話を聞きに逝くと数字の分析とかそういうのもありつつ、全体として「いまはこうだが、将来ビジョンはこうであります」という、七つの習慣みたいな将来ビジョンを説明することに時間をかける傾向があって。いや、私は結果である数字と、それに対する前年度の経緯を聞きたいのだ。だって、赤字だったらいろいろ落とさなきゃならないだろ。お前の数年後なんていまはどうだっていいんだよ。そう思うわけである。

 私の周辺にいた人達だけかもしれないけど、議論好きでね… これはこうしよう、と組織で意思決定していることに対して、平気で反論してきたりする。もちろん、そういう議論は歓迎だ、とは言うけれども、機関決定しているものについて、現場にいる社員が現場の知見だけで全否定しようと喰ってかかるのがいる。まあ、クビにしちゃったけどねえ。

 英語力の問題もあるかもしれない。私は英語は当然ネイティブではないので、読み書きは大変得意だが議論になると言葉に良く詰まる。がんがん言われると、逆に非ネイティブの切り札「私はネイティブではない」を駆使して逆質問したり言語優位性を使って煙に巻こうとしているのかとか定番の逆襲をするのだが、日本語でわーわー言われたときは正直面倒くさい。

 ここのところ気づいたのだが、そういう議論をするにあたって、理路整然と、因果関係を含めて議論を通じて納得を引き出すことよりも、彼らは立場を超えて主義主張をしている状況を周囲に認めてもらうことが重視されているのではないかと思い当たった。相手が客だったり、株主だったり、上司だったりするけど、何でそんなことで議論してんだろ、と思い返すと、周りに人がいるんだよねえ。

 だから、最近は「私は上司の立場で話している」ことと「君の立場で分からないことを知っている私が判断している」と前置きをすることにした。あんま好きなマネジメント手法じゃないんだけどさ… まあ、多少は好転したので。

 要するに、私はあんま部下に強制するタイプじゃないので舐められていたってことなのかなと。そういうつもりはお互いにないのかもしれないが、緊張感がなかったのではないかと反省。


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Comments

うざかったら切っちゃえばいいのではないかと思う。

カヌカクランシーは特車2課にはずっといなかっただろ?
つまりはそういうことだ。

大変ですな。

アメリカビジネス+大学教育の弊害が顕著に出ている例ですね。

私も、日本の短大をでてから、アメリカの大学を卒業後アメリカの会社で働いておりますが、日本の美徳がアメリカでは不利になってしまうのを学びました。

アメリカでのビジネスでは、

1.自分がどんなに間違っていても、誤らずに正当化する

2.人が見ていないところでは、残業をしない

3.誇大広告

4.いつ首を切られるかわかならないので、まず自分の保身を第一とする。

5.仕事を多めに振り分けそうになったら、いかにもらしい理由をつけて、やんわり断る


会社のためにとか、同僚との協調性を尊重するとか、仁義とかは、命取りにしかなりません。

こういった価値観を残念に思っているところで、先日すずき自動車の鈴木修氏が書いた自伝を読ましていただきました。

謙遜、長期の会社の存続を念頭に入れた経営理念、借り入れをせずに自己資金でのビジネス拡大、頭が下がりました。

戦後の日本を全力で立ち上げ、世界第二位までもっていってくれたのは、こういった先輩だと常日頃感じています。

初めて仕事をする相手でも、自己紹介で私が日本人だとわかると必ずいわれることが、「お前は、正直で、働き者で、賢いはずだ」です。

世界で日本に対する高い認識を培ってくださった日本人の皆様に感謝しております。

アニメの世界では、演出の類いはそういう帰国子女系列が全体の三割を占めて自己主張しています。まあ、絵の描けない演出なんて作画から見たら出がらしのゴミなんだけどさ。

アニメの世界では、演出の類いはそういう帰国子女系列が全体の三割を占めて自己主張しています。まあ、絵の描けない演出なんて作画から見たら出がらしのゴミなんだけどさ。

日本の大学のゼミが図書館等で調べて良い・正しい内容のレポートを作成・発表するのが中心なのに対して、あっちの大学だと自分の意見がいかに正しい・相手が間違っていると論破するといったディベート形式を徹底してやってるからっしょ。

ガッチガチの企業だと逆にそういう空気読めない系は重宝されたりする。が、同僚や使われるほうの立場は本当にたまったものではない。だって、結局自分のためにしか動いていないのがよくわかるんだもの。めんどくさいことや都合の悪いことは結局放棄したり押し付けたりするんだよね。
そうでない人もいるけどさ・・・
そういう人は話してても面白くないのが定番っていえばそうかな。自分の将来以外はあんまり興味が無いわけだから、俗世の妙は理解できないんだろ。

人は図に乗る、ということで。

すごいよくわかる
特に帰国子女って向こうで
『議論できないやつはダメ』みたいな
強迫観念の中で暮らしてきた奴が多いから
内容よりも議論する事自体が目的になっちゃってる
やつがほんと多い
そういう奴に当たるととにかくMAXめんどくせぇ

もちろん日本の侘び寂びをちゃんと理解して
うまくやってる奴もいるんだけど

なんだここのコメントと変わらんではないか

日本ではディベートより気配りです。。。

海外の著名大学MBAを取得している人も同じようなもんです。プレゼンと屁理屈で高給もらっている。

おっかしいなあ
クリック一度しかしてないのになんで二度カキコになるんだ?
ちなみにブラウザはFIREFOX これってダメなのか

おっかしいなあ
クリック一度しかしてないのになんで二度カキコになるんだ?
ちなみにブラウザはFIREFOX これってダメなのか

よくよく聞いてると勢いだけで、議論の中身が全然ない人がかなりいるということがわかることがビジネススクールに行く一番のメリットだったりします…

一歩間違えると老害に向かって突き進み兼ねない手法だなそのオチは

見事に分析するけれど自分は何もしません。いまは「なぞなそ」を出して飯食ってます。受講生相手にいかに自分が頭がいいか、ということに酔っています。学生を優秀にするのがいい先生なのに。後出しじゃんけんで勝ったと喜んでいるようなもの。。。

そうか、帰国子女相手だと。
「私は非ネイティブだ。」
攻撃も使いにくいのですね。純粋なアメちゃんには結構有効なんだけどな。
後、白人ならお前はレイシストなのかとかww。

言い返さないから負けちゃうんじゃないの?
何も考えてないから、言い返すものがないとか。
おとなしい、とかわけわかんないとか思われてたりして。隊長。

群より個ですよねー。

コテコテの日本人の私は、帰国子女の相手をするとスゴイ疲れるです。(>.<)
こっちが妙な気を使う。(気配り疲れ)

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    やまもといちろう

    ブロガー・投資家・イレギュラーズアンドパートナーズ代表取締役。
    著書に「ネットビジネスの終わり (Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など多数。

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