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2009.01.14

渡辺喜美氏が何に対して怒ってるのか、結局いまだに良く分かんねえ

 もはや栃木の顔はU字工事であると声を大にして申し上げたい。

 前置きはともかく、帰りしな渡辺氏が離党届を出して方々へ檄文を送りつけたというので、サイトへ見物に逝った。長ぇ… 分かりやすいように四文字熟語あたりに凝縮して結論だけ伝えて欲しいのだが、要するに「馬鹿野郎」ということのようである。

 頑張って読んでみたけど、何か「俺がやった公務員改革をひっくり返しやがって、馬鹿野郎」という風にしか感じない。その意味では、あんま読む価値がない。でもまあ、正論の人であるようだし、まあなるほどと思う部分も大であるので、暇人や好事家は全文読破推奨。

 私の立場は、基本的に定額給付金とか正直どうでもいいから、さっさと予算通して欲しいという一点である。どうでもいいじゃん、定額給付金。予算から切り離せ、ったって、そんなもん総合経済対策からすればたいしたお題の話でもないだろう。だから、定額給付金の是非に拘って、挙げた手の降ろし時を間違えた麻生政権もセンスねえなあと感じるし、徹底抗戦とかしてる民主党や社民党は早く死ねと思います。

 もう一度言う、 早 く 予 算 通 せ 。 

 なお、渡辺氏のサイトトップに何故だかご近所溜池通信のバナーが貼ってある。知識人たるもの、犬は放し飼いにするべきではないと声を大にして言おう。

http://www.nasu-net.or.jp/~yoshimi/

 以下、珠玉の作品群を堪能されたい。

○ 2009/01/09 麻生総理へ公開質問状
http://www.nasu-net.or.jp/~yoshimi/2009/090109shitsumonjou.html

<寸評>

 内容としては、天下りに関する渡り斡旋に関することばっかりである。話が前後してて何だか良く分からないが、閣僚が知らないうちに法案が骨抜きにされてどうしてくれるんだ馬鹿という話であって、あんま麻生首相自身が重要法案でないと見切りまくった状況を憤怒の気持ちで詠みあげた長文。

 新聞が観測気球気味に当日朝刊で「渡り斡旋は廃止へ」とフライングしたのが、現場で覆ったのがお気に召さないらしい。「官僚専制内閣になってしまったのでないか、との疑いを禁じ得なかった」というあたりは日刊ゲンダイを超える感傷的でダイナミックな叙情が、読む者の心に北風を吹き込まずにはいられない。

 何より、長文の結びに「私が先日申し入れた7項目の提言は全面的に否定された、と判断するよりほかない」と書いてあるが、現実に渡辺氏の発言は全体に何の影響も及ぼさず結果として全否定されているという諸行無常が響き渡る。

 お前が勝手に首相に直訴、提言して、もう話は別の事情で動いてるのでいまさらどうにもならぬ、ならぬのは分かってるけど麻生首相にはとりあえずキレておこう、相手は不人気だし、という大人気なさが良い。素晴らしい作品である。

○ 2009/01/05 麻生総裁へ物申す
http://www.nasu-net.or.jp/~yoshimi/2009/090105monomousu.html

 その呼び水になった、全否定文書がこれ。序盤に、また叙情的な前口上が二段落ほど枕になって並んでいるのが美しい。時候の挨拶の長文バージョンと言えるだろう。

 そんで、いきなり2兆円の定額給付金の話に辿り着く。反対であるらしいが対案はない。微妙なところだ。で、予算案の硬直化の話に繋がって、ようやく本題の官僚批判開始となる。「官僚内閣制のもとでは、総理大臣は誰でもよく、使い捨てを常とする」とか政治学者もびっくりの面白定説が提示され、天下り批判は雇用能力開発機構に及ぶ。まあ、言いたいことは分かるけどね。

 勢いあまって「100年に一度の大津波に際しては100年に一度の危機管理プランを作り、100年に一度の政治体制をもって実行せねばならない」とか書いちゃうあたりも興味深い。金融対策のような緊急性を要する危機管理の話と、政治体系の転換のような広範な政治過程を伴う日本の社会構造そのものの話と、長短丸ごとちゃんぽんにしてお前は長崎人か。

 で、提言7か条。こんなのまともに議論して体面が保てる麻生政権だったら、ここまで支持率が低迷することもねえだろうがよ。つーか、自民党内から「とっとと解散しろ」とかって、お前が選挙に負けなさそうだから「次は俺様が再編の軸だぜベイベー」とか思ってるに百ディナール。まさに一流スタンドプレイヤーとも見紛う良い議論である。

○ 「麻生内閣は霞ヶ関守旧派の代弁者」 渡辺元行革担当相・離党声明の全文
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090113/plc0901131619008-n1.htm

 そんで今日。なんかいきなり偉そうな前説あり。序盤が黄巾の乱で張角が「蒼天已に死す 黄天當に立つべし」とか言ってたのとカブる。三国志ネタですみません。序文を読むに、「国民は官僚の代弁者麻生政権を打倒する運動をしましょう」という話らしい。早期解散を否定されたので離党、とか言ってて笑える。お前が首相になったら存分に解散しろよ、とか言われそう。

 天下り根絶すべし、と主張するのは良いとして、現役の中央官僚は給料が安くて、それは退官したのち天下りしないと生涯賃金が低くてとてもじゃないけど良い人材が集まらない、というあたりは無視なのかな。むしろ、馬鹿しか官僚にならなくて行政が間抜け揃いという状況のほうが怖いようにも思うわけだが。

 その後、党利党略批判になるが、そりゃ党利党略を詰れるわなあ、個人で好き勝手言ってるんだから。選挙に強いとは羨ましい。楽しそうで何よりです。

 とどのつまりは、渡辺氏自身が手がけた行政改革が今政権での重要度下落とともに棚上げ、骨抜き、先送りを受けて、政治家としての信条というよりは己の功績を否定されたことによる逆ギレなのかしらと思えます。もちろん、せっかく手がけた仕事を否定されて嬉しい人間はいないだろうけど、とっとと補正予算通して景気対策をやらなくちゃならない状況で後付け式に「定額給付金と切り離せ」と無関係の渡辺氏が言ってもねえ。それこそ、役人や政治使命とは関係ないじゃん。

 政治家の義命というならば、議会民主主義の原点に返って党議拘束は守ったほうがいいと思いますし、自民党の看板背負って出馬してきたんだから金を返したらどうですか、と感じますね。

 一方で、渡辺氏は良く知っていることだろうと思いますけど(渡辺氏の手がけた)行政改革の中身というのはポスト新自由主義経済の現在においては、地方分権を実施したり機動的な行政を行うために必要な「パワーだまり」というか権力の源泉のはずです。また、前にも書いたけど天下りを禁止するのであれば、高級官僚が優秀な日本人の人生を捧げるに足らない職業となるなら中央官僚が使えない人の吹き溜まりになることは警戒して然るべきだろうと考えますがね。

 天下り禁止、渡り制限という国民には分かりやすいパフォーマンスの札があるからそれをかざしているのだろうが… 渡辺氏は檄文読んでても口触りの良いところしか書いてない。これは政治家としての信義はどれだけ全うしていると言えるんでしょうかね。

 実際問題として本当に必要なのは各省庁を横断して機動的に行われる人事であったり、中央と地方の政策刷り合わせ&地方に役立つ行政組織の策定だったり、官僚と民間の人事交流をそれこそ一般企業同士の転職ぐらいに回転ドア方式に柔軟にするといった実効性のある内容でない限り意味がないでしょう。

 渡辺氏の行革プランのなかで、こういった実利のある議論では過去に結局譲歩しちゃってるから、いまこの程度のことしか言えないのかなと残念に思います。また、民主党との連携といって、自治労など民主党固有の支持基盤との調整を考えると、単なる自民党かき回し要員みたいな扱いになってしまう危険性は高いんでしょう。それでも、沈み逝くように見える自民党から一足先に離党することで存在感を示した、というあたりの計算はどう出るのでしょう。結果はともかく平沼さんもW亀井氏もそのぐらいのことは考えていたとは思いますけどね。

 一般論ですが、これ以上国民新党みたいなのが増えてもしょうがないので、渡辺氏には頑張ってもらいたいと願っております。


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Comments

言っただけで仕事できた気になっちゃう人いるじゃん
アレ系じゃないの。

勘違い

空気読めない勘違い。

考えてみれば公務員改革のお金(給与)の部分の話って、この前の不況のときに僕ら一般人が貧乏になって、景気のいいことの給与水準を維持している「公務員の給与が高い」とかそんな話で、貧乏人の妬み半分っていうのが本質だと思うよ。

実際のところ民間を見ても、銀行のブチョー殿が顧客企業の役員になってたり、ガスや電気の代理店のなんの資本的になんら関係のない地元工務店にこれまたブチョー殿が役員になてったりで、民間版の天下りは誰も批判しないでしょ。

ぶっちゃけ、天下り根絶すべしという主張自体がパフォーマンスであり、僕ら貧乏人への票集めって言っちゃ言いすぎかな?

法令を政令が覆す。この下りだけは戴けない。
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/080e4d083d3144f37172c2c1bdd58027

渡辺喜美=男・田中真紀子でしょうか?

渡辺喜美=男・田中真紀子でしょうか?

民意を青ってるだけで、ダメ政治の典型だよね。なんでファシズムのプロパガンダの手法をとるんだろ。バカじゃないか。

わたちゃんは、あれだ、理想に燃え尽きたのだよ。在野におちて現実を学べばいいんだよ。整腸のための反抗期ってことだろ。いい政治家にこれからなるんだよ。

あっそのおじさんは、スゴイよ。タフだよ。花道だよ。

いずれにしても、国民がきめることになるんだからいいんじゃないの。で、大企業は、大変だ。建設関係は、ただのはじまりだろうな。中小企業を搾取しまくっていたのなら、小さい企業からの支えがないというか、支えようとも中小企業も減って、派遣になって、派遣じゃ、一人一人が個人事業主みたいなものだし、力あわせようもないし。で、次は損保会社あたりが、どかっとキツクなってくんじゃないの。自動車と火災だろ。

ただ、実質の生活に関する仕事はなくならないのだから、ま、荒野から再スタートするってことになるんじゃないか。

だいたい、大企業は、創業者の苦労の「く」もしらないのだから、おそまつになってもしょうがねーよな。

で、結局、隊長みたいな会社が、これから、あらゆる分野でゴロゴロできてくるんだよ。夢のバクチ的起業でなく、必要せまった起業が増えるんだよ。ITなんて起業しやすいから、趣味の延長だろ、そういうんじゃないよ。

ぜひ、頭のいいやつは、身体が丈夫な友達やブレーンを作ることだ。今までは、割れすぎていたんだよ。まったく。どこの会社だって、創業のときは、いろいろなヤツがいたんだよ。今の政治も経済もダメなのは、頭がいいバカしかいないからだよ。

外資族議員からすれば、官僚は馬鹿で無能なほうが扱いやすい。
官僚たたきの狙いは日本の弱体化。
渡辺が福田に切られた経緯を見れば、誰の代弁者なのかは一目瞭然

 私は、共通言語圏(福島・栃木・茨城)の構成員として彼を応援したい気持ちは少しだけあるが、正直まったくおっしゃるとおりだし、彼の行為はミッチィー譲りの支離滅裂に見え、むしろ彼が小粒なだけに滑稽さが際立ち、何よりあの座敷童歩きが生理的に許せません。渡辺喜美さん成仏してね。

官僚経験者の総理大臣は優秀な人が多いようだし、日本人の体質からすると、むやみやたらにポピュリズムに走る傾向があるので、優秀な官僚制度を維持発展しながらよりよく生かすというのが現在の時点での正論だと思う。

大臣になるからにはその分野の政策通である必要があるので、専門(したい)分野をあらかじめ決めてから国政に立候補するとかすれば、1つの分野を勉強すればよいので大臣になった暁には、よりしっかりとした政策を提言できるのではと思う。
そして、閣僚は基本的にはその分野の中からそれぞれ選ぶ。

渡辺氏には「米政府が必要とすれば日本の外貨準備を公社救済のために米国に提供するべきだと考えている」という発言に対して今一度説明いただきたいと思う。なぜかというと、私には、それが正しいのか正しくないのか分からないので。
日本人の資産をアメリカに無償で与えるということの有意義性についてはっきりと分かりやすく説明して欲しい。その部分が納得できる説明があるならば応援するし、納得できなければ私は応援しない。

>日本人の資産をアメリカに無償で与えるということの有意義性についてはっきりと分かりやすく説明して欲しい

あー。100万けちって500万損するくらいなら、
あげちゃえばいいんじゃないの?という発想。

あなたの直感とゲーム理論の差じゃないの。
たぶん。

オザーさんが自民党に手を突っ込んで引っこ抜いたって話じゃないの?
民主が政権とったら行革担当大臣にするからって言って。
で、民主党政権で行革をやったら本当に天下りや渡りをなくせましたよ、どうです、民主はすげーでしょ…ってやるためだって。

その前フリのパフォーマンスでしょ。
ここで怒りぶちまけてみんなに覚えておいて貰わないと、あとで「ほーら」ってオチつけられないでしょ。
だからド派手に怒ってね…と。
そういう話だと聞いたが。

ご子息は親父さんの利息でイロイロし放題で本人の実力は60%程度。一寸勘違いか。  54歳の妄言ですみません。

この記事がフランス語?(カナダらしいからたぶん・・・)に翻訳されてるw
http://ca.economic-measures.slot.kuru2.st/item/5166.html

>集まらない、というあたりは無視なのかな。

未だにこんなこと考えている人いるんだ。
自分も15年くらい前はそう思ってたが。
「官僚に優秀な人材を」って思っているのかもしれないがもうそんな時代でもないでしょう。
区役所レベルの人材で十分。

>本当に天下りや渡りをなくせましたよ

だったらもっと天下りの部分を誇張しないと
異常なまでに誇張しないと。

>本当に天下りや渡りをなくせましたよ

だったらもっと天下りの部分を誇張しないと
異常なまでに誇張しないと。

さすがに、ここまでのバカ息子だと、ミッチーが築いた鉄壁の地盤もヒビが入り始めるんじゃないの?

ミッチーが草場の影で泣いてるだろう。

渡辺喜美は反改革派の麻生首相に付いていけなかったのであろう。しかし離党したのでは改革を行うことはできない。改革派と結集すべきであった。
麻生降ろし等によって、麻生政権が無くなれば自民党に復帰すると宣言してもらいたい。そうすれば、改革派に力を与える。
麻生政権の反改革派は、麻生太郎、古賀誠、野田聖子、小渕優子、鳩山邦夫などと多く、意図的に反改革派を集めている。
反改革派に国民の支持が得られるわけがなく、支持率は10%台である。

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