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2009.01.07

「新聞が信じられない座談会」で

 去年暮れに、新聞を含むメディア不信や経営悪化の件での座談会に呼ばれたはいいけど、なんか上がってきたゲラが大変偏っていたので… どうも気になるわけですよ。仔細は述べないが、Aであり同時にBであるからCであるかもしれない、みたいなことは確かに言ったけど、なんかBだからAみたいな発言をしたことになってるし。ちゃんとテープを起こしたりしてないのかな。さすがにマズいと思ったので山ほど赤を入れて返送したけど、どうなることやら。

 自著でも一部論じたけれども、いくつかここでも書いておこうかな。

 佐々木俊尚さんがどこぞの記事で「毎日新聞はいまだにネットに対してアレルギーがある」的な内容を書かれていたけれども、たぶんそれは事実で。そのうえで、座談会では「通信社も新聞社もみんなネットが嫌い」で、かつ「広告代理店もテレビ局もネットが嫌いになりつつある」状況じゃないかという話に。

 理由は儲からないから。

 新聞が嫌いだ、信用できない、とネットで騒いでいる人たちもまた、ネットを通じて新聞ソースの事実関係を知って議論しているわけで、いまのところ通信社や新聞社なしには正確な情報を入手することはなかなかむつかしい。記者クラブ批判とか再販制度問題とかいろいろあるけれども、職業人としての新聞記者が一定の良心を持って正確な報道をしているからある程度確かな情報が流通しているという現実はある。

 で、新聞が苦しい、新聞が読まれなくなった、という議論があるけれども、それは紙媒体をパッケージとした宅配新聞や駅売り新聞がメディアとして低迷し続けているという話であって、通信社記者や新聞記者が執筆する正確な情報というニーズは変わっていない。

 マスコミ批判というのは、突き詰めれば新聞記事という情報ソースの信頼性に対する不信感というよりは、新聞社が自ら入手した情報をもって行う欺瞞的な何かが引っかかるのだろうというのが一点。もう一点は、プロ化・専門化している読み手との差が部分的に埋まってしまっている実情なんじゃなかろうかと。いわゆる大本営発表というのは、何らか意図があって宣言しているものであるから、そこに欺瞞があったり、専門性が欠如していたりすると容赦なく「クソ記事だ」と言われることになるのかなと思う。

 議題設定効果については、情報工作の観点からして新聞は機能を喪失しつつある状態であることは間違いないと思う。まあ、言われているほど新聞社説は読まれていないよ、という穿った理解でそう相違ない。

 ネットは儲からない、なので資本をどこぞから導入してきて垂れ流してブレイクイーブンでも媒体価値はあるんです的なネットメディアと、従来から足で取材をきちんとして記事を執筆することを前提としている新聞社では情報ソースの密度や正確さに差があるんだけれども、その足で取材をするのもコストであって、そのコストをパッケージとしての紙の新聞が賄いきれなくなったので、どこからお金を稼いで持ってくることを求められているのか? というのが新聞社問題の根幹だろうと。

 だから、死にそうなテレビ業界地方局であったり、乱立している雑誌社がネットに押されて苦しい、というのはまず誤解もかなりあって、国民が情報を得るために支払う資金の総量に比べて、情報を提供する業者が多すぎるというオーバープレイヤー状態というのは本来指摘されるべきだと思う。だって、良く分からない都道府県を規制エリアにしてテレビ局は各県で抱えなければならないなんていう非効率はありえないだろう。新聞だって、同じような通信社の記事を、やはり同じように報じなおすパッケージと考えれば、大手新聞なんて何社も要らんよね。雑誌社も然り。ただ、情報自体のニーズはある、だから新聞社や通信社がネットでタダ同然で記事をばら撒くというのは、本来ナンセンスなんだけど、先に資本を集めたネットメディアが安値でこれらの情報を買い叩いて信頼性の高い情報を貧乏人に読ませて広告で収益を得ている状況というのは何気にヤバい。

 じゃあどうすればいいの、という答えも簡単で、新聞社が本当に彼らが思っているほど社会を動かす力を持っているんだと仮定するならば、ネットで情報が流通するための単価を上げてしまえばよろしい。青少年の保護とか匿名性の脅威とか、そういうもっともらしい大義名分を掲げて、自在な情報の流通に関所を作ってしまえばよい。再販制度の維持とかに政治力の全てを捧げても、利益率が減る一方の紙パッケージの利権が守れるだけですし。

 ぶっちゃけた話、ヤフーが一個潰れるだけで情報産業の風景というのは随分変わるわけだ。ちゃんと金を払って情報を得る、または、スーパーパワーな大メディアが、きちんと新聞業界発で出ればよいという話で。政治力があると豪語するなら、ちゃんとそういうコンペティターは潰してレジーム回帰しないと駄目なんじゃないの、といったところで客が来たのでまた今度。


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Comments

新聞は、まず、ネットにコラムニストを出しなさいよ。なんで、シロウトのブロガーとかのコラムを読まなければならんのよ。新聞は、読み物なんだよ。てめーらの文章力が落ちているだけなんじゃないか。それで信用が落ちているんだよ。それと、ネットにFocusを再発刊するって流れはないのか? 写真ゴシップは、携帯電話でも読まれるだろ。なんで、シロウトのゴシップを読まないとならんのだよ。ネットにシロウトばかりいるから戦えないというなら、シロウトの読者をバカにしてんのと同じだろ。

で、NHKの方が進んでいるかも。ラジオニュースのバックナンバーが放送終了と同時に聴けるようになった。これが便利だから、文字のネットニュースは、RSSで流すだけでとくに読まない。聴きながら、ネットウオッチができるから。情報は音声だけという、新しいラジオになるだろうね。別に、音声読み上げソフトもかなりよくなっているみたいだから、機械読みでもいいけど。死んだ親父は儲かりもしないのに、株価をラジオで流していて、自分の指定した株だけをしぼって、音声だしてくれると、それもいいんじゃないか? よくわからんが、マルチメディアの使い方が、ヘボすぎなんだろ、メディア産業たちがさ。

新聞情報の囲い込みは難しいすよね。そのうち、外国の新聞が日本語でガンガンだしてくるんじゃないの。ネットで。それに、商品の売り込みも、ネット通販は、力入れてくるだろ。言葉の壁なんて、翻訳機械の精度が上がれば上がるほど、なくなっていくわけだし。

とにかく、テクノロジーを、バカにすぎ、日本のジジーは。古いままで新しさを受け入れないというのは、国際競争で負けるってことだろ。日本は、とくに、古いまま。古いままっていうのは保守とは違うぞ。


直前のエントリとこのエントリはセットで、五大全国紙が1紙になって一番困るのは、御用マスコミに「複数の全国紙が読者である全国民の民意を汲み上げている」という建前を欲している政治家や官僚なので、大義名分の元でネット上の自由な情報の流通が阻害されることになるだろうという話になっているのでしょうか?

直前のエントリとこのエントリはセットで、五大全国紙が1紙になって一番困るのは、御用マスコミに「複数の全国紙が読者である全国民の民意を汲み上げている」という建前を欲している政治家や官僚なので、大義名分の元でネット上の自由な情報の流通が阻害されることになるだろうという話になっているのでしょうか?

正直素人の妄想ブログの方がプロとやらが書いた記事よりも客観的に見ても価値があると思いますよ。メディアは「同じものをマスに見せる」っていう前提がある以上マスからのコレクトネスの圧力が上がっていって、創作者としては何も出来なくなるんですよ。
「共同通信コピペ会社はけしからん」って言うなら、東京の大本営新聞もあんまりコピペ新聞と代わらないと思う。正直聖教新聞のビジネスモデルのほうが合理的かもしれない。

 ・・・お疲れ様です。  1/7書き:【現実は 誰人も厳しい】。パナ○ーム静岡退社後の第一期ニート時代!?【サラリーマン編】実家に戻り 、面白い画像も存分に楽しんで見て下さい。コメント等いただけたら幸いです。

 

詰まるところサイバーエージェントは週刊大衆と女性セブンを足したような存在だ、ということですか。

新聞って情報ソース書かないし、記者名かかないから、匿名メディア(=2chとblog)とそんな変わらないでしょ。
省庁からの漏れ情報と政治屋の会見ぐらいしか独占情報がない。逆に、情報は独占されているから新聞を頼らざるをえない。
個人的に新聞に期待したいのは、政治経済の多角的分析と海外情報。海外情報は探すコストがかる。政治経済の分析はお抱えの論説委員がメチャクチャなこと言い過ぎ。

未だにネット=2chなんですから。
もっとネットユーザー個々が考える力を出して使用していかないともうこの分野も成長打ち止めでしょ
その後法の整備がきちんとなされて上手くシステムを考えると思いますけど。

>新聞って情報ソース書かないし、記者名かかないから、匿名メディア(=2chとblog)とそんな変わらないでしょ。

そういう問題じゃないだろw

>未だにネット=2chなんですから。

そんなわけないだろw

とりあえず北海道の地方局は全部消えても地方ニュースNHK一択だけで何も困らない
延々東京のスポット紹介の番組が流れても東京の電波で放送しろや
地上波F1総集編が越年放送ってギャクかよ。
あー水曜どうでしょうだけは残んないかな

一時期mp3って簡単にDLできたけど、最近探しにくくなってきてる。検索してもはずれ、はずれ、はずれ、はずれ。時間をかけて探すなら200円払って正規品DLしたほうが早いぞというメッセージ。大抵あきらめるが、中には払う人もいる。

歌詞も一時期探せば一発ヒットだったけど、最近はそれっぽい検索結果をクリックしても、はずれ、はずれ、はずれ、はずれ。歌詞見たいなら入会しろ、入会しろ、個人情報よこせ、金払え、広告クリックしろ。検索結果は既にデコイで満たした、絶対簡単には見せないぞ、って状況になってきてる。

デジタルな新聞記事も今は簡単に複製を入手できるけど、検索に引っかかりにくく探しにくくすればいい。

信頼性のある情報をネットから根絶する。偽情報を流しまくる。金を払わないとロクな情報が見つからない状況にする。ググってもクソ情報しか出てこず、イライラさせまくる。見たいなら入会、入会、個人情報、個人情報。年齢・性別を教えろ、住所は、職業は、趣味は、年収はなんだ、さあ教えろ、早く教えろ。そしたらしぶしぶ金払う人も、ネットに愛想を着かして紙媒体に回帰する人も出てくる。

とにかくネットの情報、検索エンジンをクソ情報でかく乱することが大事。人々が情報にたどり着けなくする。人々から徹底的に情報を奪い取る。無料文化の終焉は、ネットの破壊。

言ってることはごもっともだけど、新聞屋がじぶんとこで無駄に使ってる紙媒体にしがみつく行為をやめないとまずだめでしょ。

いつまで配達屋とかの中間業務に金落とす気なのさ。それ削ってこっち側で関所作ったって利益なんてあがんねーよ。ヤフーが潰れればって割り切って言うけどさ、あいつのおかげで流通コスト減らしたり消費機会増やしてる小売だっているんだぜ?まずはあっち側からこっち側へ来るための関所を彼ら自身がくぐらんとなんにもならんだろJK。

新聞社でこれから生き残れるのは、さっさとネット専門の子会社作るか分社化して、ソースは通信社でも親会社の記事でもいいけど、それに対していろんな記者(あるいは専門家でもコラムニストでも)が署名でいろいろ書くようになったところだと思ったりする。
今のネット展開は紙媒体のより抜きレベルゆえ、どうしたってデスクやら社の政治指向とか縛りに左右されてしまうから、そこから独立して、スター記者や左右入り乱れた専門家に炎上コラムニストまで抱えて、特集ページもオリジナルの動画やFlashで見せるとかすれば(要は新聞+雑誌+TV+朝生)、それなりの媒体を作れると思うけどな。
J-CASTはスポーツ紙レベルだけどある意味いい実験サイトだと思うし、雑誌なら日経BP、テレビなら米CNNレベルまで徹底して、もっと硬派で全方面に、記者同士が人気を競い合うくらいな感じで・・・うーん、無理だろーか。

自分のよく知らないことは知ったかぶりで書かない。
よく知っている専門家に論説を頼む。
複雑な問題は両論併記。

それだけで、マスコミの信頼なんてかなり回復すると思うんだが。
大した知識も見識ないのに、自分が世論を代表してるみたいな顔して、恥ずかしい社説を書きつづけるなら、読む動機付けに困る。
新聞社こそアウトソーシングを進めて、専門家と読者をつなぐ本来の媒体としての機能に特化すればいいんだよ。別に情報に需要がなくなったわけでもないし、単純に読者が欲しい情報が、新聞やTVでは手に入らないってだけでしょ。手に入らなければ、手に入る場所に行くのが自然でない?

それから、「当新聞の調査では、新聞を信用していると回答した人は8割に上る」みたいな恥ずかしい記事が定期的に載るけど、あれは止めなさい。あんなの逆効果にしかならないよ、ただ失笑を買うだけ。

Googleだって広告主あっての商売、所詮マスコミと同じ。カネになる情報は届けるなと圧力かけられる。今はまだGoogleも強さが残って独立してるが。売上ヤバくなってきたら広告主の言うこと聞かなきゃならん。

競合も出る。広告主の言うことを聞く検索エンジン。でももう検索エンジンとは言わない。ただのポータルサイト。企業はそこにしか広告掲載しなくなる。従来型の検索エンジンからは、ポータルサイト(金)に囲われたコンテンツは2chのようにログ見れなくなる。現行スレでさえ検索にかからなくなる。

それでもタダで提供するサイトも残る。でもきっちりカネ回収できるサイトがあるなら、クリエイタは当然儲けに出る。検索エンジン→ポータルサイト(金)へ全てを移動させる。検索エンジンの「すべての人に公平に情報を」という思想はカネの魔力に粉砕される。カネはクリエイタを釣る。mp3や2chやエロ画像動画など既に技術的には可能。マニアなら無料の希少資源にもリーチ可能だが、普通はコストかかるのであきらめる。



っていう夢を見た。整理してみるとそれってクリエイタがAdsやアフィリで小遣い稼ぐのと変わらんなーという気が。まあ、検索エンジンのアルゴリズムがカオスに負けだすのかどうかは分からん。対抗馬の出現しだいか。

>そういう問題じゃないだろw

朝日新聞の素粒子とか、便所の落書きレベルじゃねーかw

党首討論とか
雑誌や新聞の情報見るよりも
youtubeで1から動画で見た方が正確だしな。

紙媒体は無駄、個別宅配って何の意味がある訳?って言ってる人が凄い多いんだけど、日本の新聞社って収入の6割近くをそれ(正確に言うと販売店への販売)で賄ってるから、無くせないと思う。とくに去年から広告営業収入が販売収入以上のペースで落ち込んでるし。
でももう紙媒体は、あと5年持つかどうかって気がしなくもないなぁ。購読者の現象が止まらないんで。

朝日はマリオンの不動産収入で社員全員の人件費を賄える、毎日は同業者から不動産業って言われるレベルの土地持ち…
そういう所が経営戦略が適当な原因なのかもしれない。

金額の話はいえないけど、新聞社がポータルサイトとかへのコンテンツ提供の価格はかなり安かったりする。

そして某ポータルサイトとかは「(記事やニュースという意味での)コンテンツ制作は金がかかるからウチはやらない。」とか言っちゃったりして、某ポータルサイトはマネタイズ部分は強化するけど、掲載するコンテンツについては「マッシュアップでいいじゃん」的な話になって、原資になってるコンテンツ製作者が食えないのもネットなんだよね。

体調が指摘する…
>本来ナンセンスなんだけど、先に資本を集めたネットメディアが安値でこれらの情報を買い叩いて信頼性の高い情報を貧乏人に読ませて広告で収益を得ている状況というのは何気にヤバい。

というのは、実は新聞社だけではなくて、コンテンツの製作者すべてに言えることだったりするから末恐ろしい。

ネットはネットで
ソースが怪しくてもネットなので真実!
って連中が増えて微妙よね

> 新聞屋
アメリカの新聞紙は個別宅配は一般的じゃないらしいが

とかく活字は音声や動画と違ってあっという間にコピペされる性質があるから、
それを前提にした規模となると新聞業界は相当な圧縮を迫られるだろうな
ぶっちゃけ、保守系と革新系が一紙ずつ残る程度で収まるんじゃないか?

>閂
そうだよ、全国宅配販売店網なんてあるのは日本だけ

つかホントの意味の購読者から、収入の過半数を集めてるってのは、言論の独立性からすると有意義になってんじゃないかなぁと思うんだけどなぁ。
つーのは、それで喰ってるから正当化してるだけ、と我ながら思わなくもないですが。

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    やまもといちろう

    ブロガー・投資家・イレギュラーズアンドパートナーズ代表取締役。
    著書に「ネットビジネスの終わり (Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など多数。

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