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2008.12.01

ネットのプロバイダ業者とか、今後ほんとどうするんだろ

 そんなこと話している場合じゃないだろ、という気もするけど、やっぱり気になるので。取材が来たり、取引先と話してたりする中で、人気になるのは「新聞はもう大変だね」という話だけれども、プロバイダ業者もネット業界的には媒体としての新聞なみに「役割が終わった」と思われるタイプの事業だと思うんだよね。

 「何をいまさら」と思う人はとても正しい。そういう議論はもう二年ぐらいやってたもんね。でもなんでいまさらそんな話をするのか? 答えは簡単、景気が悪くなってきて、資金が詰まってきたから。ITメディアでさえ売上三割減、mixiもDeNAも来年は分からん、富士通やNECも含めて業界全体としてみると全体的に潮がひいて、どこも苦しいし、下がってきている以上はどうにか対応策を考えるほかない。

 でも、景気後退は社会が経済効率を高めるために必要、とばかりに、景気が持ち直してどこに改めて客がカネを払い始めるのか? 少なくとも、プロバイダ業者にはカネは落とさないわな。別のもんにカネを払う。クラウドでもネクスト何とかでもいいや、訳の分からない標語のもとに新しいサービスに客はどっと集まるだろ、web2.0がそうだったように。

 ただ、プロバイダ業者には客は戻ってきようがないんだよな。NGNがどうとかいうレベルでなしに、何を手がけ、どういう事業で収益を上げようとしているんだろ、という青写真自体が見えづらい。各社頑張っていろんなことをやろうとしているんだろうけれども。

 新聞でいうと、単に新聞対新聞でコスト対獲得顧客という尺度で考えるなら、産経新聞IZA!が善戦した。それはきちんとカネの使い方や頼むべき開発業者に恵まれて、いいサービスができたんじゃないかという話にはなる。でも、産経新聞という枠を新聞業界ではなくて媒体社さんという一個上のレイヤーで見ると、フジHDから外れて他の新聞社にフジに乗り換えられかねないという補給線の途絶という実に微妙な情勢になりつつある。毎日と並んで、産経が厳しい、とされる理由もその辺。

 同じく、プロバイダ業者という目線で考えると、ケーブルテレビ会社も含めてウェブと客を文字通り繋ぐ役割という意味で果たした役割は大きい。だが、来年業績が急落して、手持ちのキャッシュを吐き出したあと、誰が彼らのビジネスを好意的に評価して増資や提携に応じてくれるだろう。業界内で合併するのは仕方がないにしても、それ以上のところに何らか魅力が残るんだろうか?

 ソフトバンクグループがどうとかプロバイダ各社がどうだって各論もそうだけれども、情報商材以外の商流というのは厳然とあって、そこにネットがどういう役割を果たしていて、どういう収益構造になっているのか、という目分量がないまま、肉食資本主義だ市場原理主義には屈服しないだという話はおかしくないか?

 まあ、どうせ増資には応じないからどうでもいいんだけどさ。


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Comments

インターネットが無目的多角的ネットワークだから駄目なんだろ。
次に安くするのは、光だといっても、インターネットに接続しない、日本だけの映像音楽専門のネットで、まぁ、有線放送の全国版だろ。プロバイダ料金でなくて、あくまで、映画が見られたりで、そもそも、無線を使ったテレビって、アンテナで、駄目だろ。有線電話もつながっていなくて、電気もきていないなら無線ならわかるけど。
ということで、未来図は、
放送用国内だけの光通信網の国家的インフラの整備と、
インターネットはプロバイダにたよらず、
その国家インフラのときついでに、
各家ごとにミニ、サーバーを設置して、
イーサネットLANのバケツリレー方式だろ。
ただし、こちらは、映像は厳禁。テキストと写真と簡単なFLASHまで。
日本はアメリカと違って、国土が狭いのだから、
イーサネットと光通信網の両立。
で、従来のテレビ関係はでっかい画面で見られる。ぐらいかな。
だいたい、新しいテレビを買ったのはいいけど、
つまらない放送をしたら、国民的に激怒だろうし。
というわけで、大変革しなければ、このままジリヒン。
飽きて、ま、だらだらテレビを見たり、新聞を読んだり、
でも、新聞なんかは、コスト高くて経営が難しいかも。
なるようになるんじゃないの。

妄想でした。

新聞は、新創刊すればいいのに。
毎朝新聞とか。日読新聞とか。
古い名前にこだわりすぎだよ。
銀行も合併したのだから、
いい加減合併して、安くちろ。

結局、最後には、プロバイダも、電電公社グループ、国際電信電話グループ中心に再編されるんじゃないでしょうかね?

英語読めないとせっかくの
ネットも狭いよな。

単なるプロバイダー業務ではベンダーロックイ
ンが効かないんですよね。水や電気と同等です
から、せいぜい回線品質でしか比べられないで
すね。ソネットのブログペットのような上位サ
ービスとの抱き合わせも手段としてあるとは思
います。ですが、動画などの上位コンテンツを
売る側としては、独占供給ではなく可能な限り
の全方位外交をしたほうが、多くの場合は結局
は金になるし自由も効くわけです。仮に独占供
給して、そのプロバイダーさんが一生面倒見て
くれるというわけでもないでしょうから。

また、顧客としてもベンダーロックインをされ
たくないわけで、Gmailの普及の背後には、プ
ロバイダーへの依存性を切りたいという思惑も
あると思います。

ハイエンドルーターといった設備投資が高額に
なるにつれて、他のビジネスと同様に、プロバ
イダー事業も統廃合が急速に進むんじゃないで
すかね。

みんな光プレミアムかケーブルテレビに集約されてしまうんですかねぇ。
プロバイダが潰れたらメールアドレスが変わるから困るな。

今プロバイダっていくつあんの
2001年頃に見たインプレスの雑誌についてくるプロバイダマップも満載で破裂しそうだったんだけど。

水平分業の壁でしょうかね。上流から下流までの役割を考えて中流から役割が終了していくって先をよまずに評論してきたプロバイダ経営者の怠惰ぶりのツケでしょうね。

法的な援護もなく上流連中にあらされて悲鳴をあげるだけが精一杯、これ現実。

下流(サービス/コンテンツ提供)以外は税金で補うべきじゃないかと思いますよ、ほんと。気の毒すぎる。

プロバイダって労働集約型産業ですからね。
常に顧客の数を横目でにらんでサーバ・回線の増強コストとのおっかけっこ。そこには学習効果も規模の経済なんてありゃしない。

ハードも売れない今ではNやFあたりのSIerだってとうに放出したいに決まってるけど、じゃあキャリアが引き取るかは疑問。だってプロバイダの客層なんてキャリアになんのロイヤリティもない連中ばかりですし、今までプロバイダもキャリアの色を消し続けてきたわけで。

じゃあどうするかって言えば古い手だけれどもSLAとかQoSとかの概念を持ってきて金を落とせない顧客にはサービスレベル落として逝くんだと思います。いきなり従量制ってんじゃなじまないですし。

実際、末端のギガサービスなんていったってIXでのキャリアとの接続点ですら100Gの冗長構成とかそんなもんだし、1回線あたりの単純平均のレートなんていまだ256kbpsぐらいの設計じゃないかしらん。

プロバイダって労働集約型産業ですからね。
常に顧客の数を横目でにらんでサーバ・回線の増強コストとのおっかけっこ。そこには学習効果も規模の経済なんてありゃしない。

ハードも売れない今ではNやFあたりのSIerだってとうに放出したいに決まってるけど、じゃあキャリアが引き取るかは疑問。だってプロバイダの客層なんてキャリアになんのロイヤリティもない連中ばかりですし、今までプロバイダもキャリアの色を消し続けてきたわけで。

じゃあどうするかって言えば古い手だけれどもSLAとかQoSとかの概念を持ってきて金を落とせない顧客にはサービスレベル落として逝くんだと思います。いきなり従量制ってんじゃなじまないですし。

実際、末端のギガサービスなんていったってIXでのキャリアとの接続点ですら100Gの冗長構成とかそんなもんだし、1回線あたりの単純平均のレートなんていまだ256kbpsぐらいの設計じゃないかしらん。

キャリアのエンジニアに何年か前に
『ユーザーの共有度は1:100くらい?』ときいたら
『もうちょっとはいいはずです』といってたのでさすがに
256kということはないらしい。
100M接続だったら1Mちょっとくらい?

まあこの先 何年かでIPv4枯渇によるIPv6対応とか
キャリアグレードNATの導入とかそれなりのイベントが
待ってるんで対応出来ないISPは脱落するんじゃないかと。

対応できても経費かかるだけで売り上げは上がんなさそうだし。

プロバイダに限らず、多くのネット関連企業は再編・統合されるのだろうと思う。それは企業自身が最初からある程度分かっていたはずではないかと思う…。
 
考えてみれば、現在、高速大量送信が要求されるネットの動画配信が実現し、SNSなどでコミュニティが常に生成消滅し、ブログで個人が容易に情報発信可能になり、iPhoneなどの携帯端末でどこでもネットを見られるようになった。企業の中身は情報システムにどんどん集約されつつある。オンラインゲーム上では子供たちがアイテムを巡って金銭のやり取りをしたりする…。おそらく、想像可能なネットの進歩は全容が見え始めたのではないだろうか。逆に言えば、これ以上の大きな進展は想像しづらくなりつつあるのではないだろうか。
 
ただ、人間が変わりつつあるのは確かだ。年齢が若いほど、人工物に囲まれて生きている、逆に言うと、自然を知らない。人間の手がつけられていない自然という状態のリアルを知らない。若者はアナログの時代を知らず、デジタルな時代しか知らない。ネットでは人を騙そうとする連中がいるが、その真偽の判断が若者にはつかない。若者には、元になるベースがないからだ。若者は万事において損得=金銭という判断基準に頼ることになる。推理小説において誰がその犯罪によって得をするかと考える原理に似ているが、万事にそれを適用する。また、欲望を満たすことに戸惑いはない。欲望を満たせるか満たせないかは金銭の有無によるからだ。また、分からないことを保留しておくことを好まない。短絡的に受容するか拒絶するかで、複雑な見えない自然を受け止めようとはしない。自分で自分なりの答えを考えずに、ネットで検索して答えを探して選択して安心して終わる。一見整理されているようだが、人間として深さがなくなりつつある。
 
今までの日本は費用をかけずにコンテンツを生み出し続けてきた。これからはコンテンツを生み出す人間の数が減るだろうし、コンテンツを理解する顧客も減るだろう。減るとはいえ、コンテンツを生む人間は一定量は出るだろうが、理解する顧客が極端に減少するので、コンテンツにも偏重が生じるだろう。時間や技量を十分に掛けたコンテンツではなく、切り口を変えた簡単なコンテンツがポッと出ては消えてゆくのを繰り返すだろう。デジタルなメディアは十分に整いつつある。しかし、肝心のコンテンツは、中身の貧しい、つまらないものばかりになるのではないか。気がつけば、ガランとした何もない空っぽの部屋だけが残るのではないだろうか。

新聞もその一例になるのではないだろうか?ネットに飲み込まれて幾つかの新聞は滅ぶだろう。しかし、ネットは新聞の積み上げてきた複雑な言説空間よりも豊かなものになるだろうか?繰り返し言われてきた言葉、本当の豊かさとは何か?気がつけばその豊かさを失っているかもしれない。失ってみて初めて分かる時が来るのかもしれない。しかし、もう止めることはできないだろう。栄枯盛衰、生者必滅は世の常。昭和も本当に遠い過去になった。

なんだかどっかの作家さんが書いた文章をネットで見てしまったよー。やっぱりあの人の本てゴーストライターが書いてたのかなあ。
新刊出してもいつも同じような話しか書かないでしょ。もうなんてゆうか、がっかりだよね。
コンテンツが乏しくて深さがないのは、今のテレビや新聞や雑誌では?
インターネットの使い方は人それぞれで自由でいいよ。だって、紙やペンやインクや辞書や電話やファックスや居酒屋や便所の壁やオークション会場にもなる道具(場所)ですし。
自然に触れることとインターネットを使いこなすことって、そんなに相反することでしょうか?感覚的なものなので私はAさんが感じてる不安を理解することはできませんが、テレビや新聞の民衆の不在は戦争中の言論弾圧に近いのではないかと私は感じます。そういう不安は今感じます。

>自然に触れることとインターネットを使いこなすことって、そんなに相反することでしょうか?

相反するとは、どこにも言ってない。この2つは別の平面で語られるべきだろう。

>コンテンツが乏しくて深さがないのは、今のテレビや新聞や雑誌では?

つまり、かつては豊かだったメディアが現在では貧しいものになりつつあるのだと思う。それはなぜか?ひとつは、そのメディアに勤める者の世代間で技や歴史が継承されていないのが原因だと思う。もちろん、そればかりではないが。また、ネットは新聞を超えるために新聞を批判している。だが、新聞が無くなったとき、どうなるのか?確かに新聞の言説は完璧ではない。許容できたり許容できなかったりだが、それでも存在価値はあると思える。新聞の言説は複数の人間によって揉まれて築かれている点が良くも悪くもある。それは社会性を帯びている。また、言説は時代と共に変わりもするだろう。だが、新聞が無くなって、池田信夫のような独善的な言説が幅を効かせたり、ニコ動のコメントのように正論も大量の愚論よってかき消されるようなカオスも望ましいとは思えない。(タイムオーバー)

なあに、新聞がなかった時代に戻るだけさ

言論
A:(a)→(b)

B:(c)→(d)

があって、どちらかが「絶対的にある指標を持って優れているからどちらかに集約すべき」なんて言えますかね。

偶然と長い年月をかけた本当の自然と
所詮人間の考えた枠組みでは
自然な様に見えても、最初から
こうなって当たり前と言う事?

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    やまもといちろう

    ブロガー・投資家・イレギュラーズアンドパートナーズ代表取締役。
    著書に「ネットビジネスの終わり (Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など多数。

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