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2008.10.17

池田信夫氏はいったい何を言っているのだろう

 いまちょい忙しいので、いちいち触れるのも何だけど。しかし、これはないわー(笑)。

直接金融という神話
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/b1b431def224a4643ad510f612d714d9
Link by link
http://www.economist.com/displaystory.cfm?story_id=12415730

 エコノミストの記事を読めば分かるとおり、実務上の手続き論の話をしているのであって、間接金融と直接金融とで分けた規制のジレンマなんてハナからどうでもいい内容なんだよねえ… どう規制しても証券化されるわけでね。今回良く分かったのは、池田氏は長い論文や記事のなかで、自分の持っている世界観と合致した一部分をズームして、それが主題と取り違えて解釈し、さらに直接関係のないその他の文章や引用を持ってきて論理を補強しようとすることが違和感を感じる原因なんだろうと思う。

 というか、規制の失敗は池田氏がクローズアップしたいところであるというだけであって、商品設計上の手続きや商品の価値への試算がうまくいかない問題(レベル3問題)の外郭というかフレームの話。おまけに、どさくさに紛れて「リーマンを政府の補助金つきでバークレイズに買収させておけば、納税者の正味の負担は数十億ドルですんだかもしれない」と書いてあるけど、それは瑕疵資産への保証は全額税金なのであって、瑕疵を発生させつつあるリーマンの試算のその価値を支えていたレバレッジというか貸し出しの担保となる裏づけが全額税金で埋まるだけであって、これをバークレイズが資産劣化のためこれを処理しようとしたら税金がかかるという点ではすべて納税者の負担なんだよね。別の意味で書いたのかもしれないが、いったい何を言いたいんだろ、この人。実務が分かっていればこんな与太はあまり書かないのではないかな。

 リーマン発行の債権で回収できる価値が8%台だとするなら、バークレイズが入っていても早い段階で処理に追い込まれるわけでね。アメリカの裁判所を経由した破綻処理が効率的というのは池田氏の言うとおり。ただ、それを踏まえても政府が保障つき(要は税金で債務の裏付けをつけるの意)でLBを処理したら国民負担が二桁小さくて済んだはずだ、というのは、池田氏が政府の無策を強調したいがために適当に言ってるネタに過ぎないとしか思えない。つか、最終的な強制決済とか考えたら、政府保証つきのLBをバークレイズがそのまま引き受けたら政府保証つきのLBごとバークレイズが倒れる、それどころかバークレイズが7個ぐらいまとめて倒れるから、バークレイズもお土産つきも買えなかったってわけで。池田氏の論理で言うなら、規制当局がグズグズしててLBが破綻して納税者負担が増えた、というよりも、買えもしないのに挙手してLB救済の時間をむざむざ二ヵ月半も食い潰した韓国産業銀行(KDB)のほうが余程戦犯ってことになるわけでね。

 たぶん、池田氏は「規制」とかそういう単語が嫌いなんだろう。だからエコノミストが「規制の失敗」とか一文余計なの放り込んでいたから「うおwwwwなんぞwwwwww」とか池田氏狂喜乱舞ゲージMAXで自論を補強しまくったってとこなんじゃなかろうか。

cf)「サブプライム問題に端を発する」のか?
http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2008/10/post-7082.html

 これに関連して、最終爺老師が疑問に思っている部分は「ほんとにサブプライムが引き金なんすか」という話であるが、クライシスという点では、まあ実際そのサブプライムが引き金なので間違いではない。で、それに対して疑問を投げかけるnewsweekのコラムがまた微妙な出来映えであるので悩ましいところではある。もっとも、CDOに対する正確な報道が現段階でも少ない現状では、実務に関連しなかったり格付けと債券の値動きについて肌身で感じることのできない人たちが誤解するのもやむを得ないことなのかもしれない。

 で、元はこれ。

Subprime Suspects
http://www.newsweek.com/id/162789

 曰く「貧困層やマイノリティへの融資は本質的にリスクが低い」。

--
Third, lending money to poor people and minorities isn't inherently risky. There's plenty of evidence that in fact it's not that risky at all. That's what we've learned from several decades of microlending programs, at home and abroad, with their very high repayment rates. And as The New York Times recently reported, Nehemiah Homes, a long-running initiative to build homes and sell them to the working poor in subprime areas of New York's outer boroughs, has a repayment rate that lenders in Greenwich, Conn., would envy. In 27 years, there have been fewer than 10 defaults on the project's 3,900 homes. That's a rate of 0.25 percent.
--

 そんなわけないから。リスク高いから。少なくとも、低所得者層向け債権を買った金額に対するリスクという点ではいまも昔もそれほど変わらんです。本件記事におけるリスクが低く見えている理由は、家(不動産)を担保に入れて、焦げたら家を剥がして転売する、その転売することでデフォルトリスクの金利の一部を相殺できるほど不動産市況が上がっていた(地域もある)からで、貧乏人に対する与信自体はあまり問題にならず、貧乏人が買う家など担保物件の相場が上がり続けていたから過去のリスク評価は低く見積もれるというだけだ。

 したがって「不動産バブルが崩壊しました」といった瞬間に、不動産に依拠しない貧乏人のナマのリスクをまとめて引き受けていたのがFMだのFMcだのだったし、それらの決済や信用補完で裏書してた金融に波及して、というのは致し方のないお話。ましてや、池田氏のいう直接金融と間接金融におけるレギュレーションのミスというのは全然関係がない、少なくともこの話の文脈では。どうせ証券化するし、証券化できるから。引用した部分にも書いてあるしね。どこがどう神話じゃいな。

 サブプライム向けのローン債権に、AAとか適当な格付けつけてCDOに組み込んで、GSやLBが成立していない相対取引とかの気配値で価値を算出して、さらにそれを担保に資金を借り入れているのが一般的な金融機関の投資銀行部門のスタイルだったし。金融政策のレイヤーなら違うんだ、あれは失敗なんだというかもしれないが、あんま説得力ないだろうね。だいたい、間接金融だって債権の区分が下げられたら債権回収屋に回ったりリスクの高い債権だけ束ねて証券化すんだから手法的には規制の失敗なんか関係ないはずなんだけどね。実際、サブプライムを組み込んでいたCDOが問題なわけだし。少なくとも規制してどうにかなる話ではないわなあ。

 だから、冒頭に戻って池田氏のネタは、まあ「何言ってるのこの人?」と実務から言われるレベルの話じゃないかな。それとも、池田氏の言うとおり「処理が銀行の破綻と同じく膨大なrenegotiationを引き起こすことに対して、規制当局の警戒が足り」てれば回避できた問題だった、とでも?


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Comments

韓国が悪い←ここまで読んだ(嘘
それはさておき、やっぱり実務やってないと分からないことがあるのね。

また起こりうることだってこと?
50年後のお話?

 毎度毎度のクソ馬鹿タレだからみーさんのご高説がよく分からんから勝手に野ぐそでも分かるレベルに書き直すんだけど。

>曰く「貧困層やマイノリティへの融資は本質的にリスクが低い」。
>そんなわけないから。リスク高いから。

↑コレさぁ。急な出費で当座の生活費が足りないから貸したとか会社の運転資金が足りないから貸したとかじゃなくて(多分、それであるなら比較的リスクは低い…わけないよ。それでも充分高いよ)、借りた金で家買って転売したら儲かるから儲かったら金返すってことでいい? って連中に金貸したら全員玉砕ってことでしょ?

 もちょっと俗に言うなら、これからパチスロ逝って軍資金殖やすから100万貸せとか、今超ツイてて宝くじ買ったら絶対当たるって占い師に言われたから1000万出せとか、そおゆうことを平気で言っちゃってるようなレベルのアホチンにマジで貸しちゃったってことよね?

 それは、さぁ。駄目じゃん。普通に。なぜ貸すの? なぜ貸せるの? 遊びじゃなくて? マジに? って感じなんですが。テクニカルな問題とか実務知識がどうこう以前の問題なんじゃないの? どうなの? って感じなんですが。

 常識ある人間ならそんな馬鹿にはそもそも貸さないのが大前提かと思うけど、テクニカルな賢者が仲介したらば利益が出ちゃうわけ? 一時的にじゃなくて恒常的に。出るの? スッゲーーーー!!!! って感じなんですが。どうなの? そこんとこ。

そこまで言っちゃうと、普通の取引もできなくなるだろw

そこまで言っちゃうと、普通の取引もできなくなるだろw

野ぐそと池田信夫氏ね。

そもそも、低所得者向けローンは、クリントン政権発案で、痛い。金融がそもそも始めたもんじゃない。だから、どちらも無責任状態があって、こうなったんだろ。

あと、高見の見物学者やブロガーは、痛みに弱いから、危機的状況では、なんも役にたたないということだろ。とにかく、痛みに弱いやつ、恐怖を感じる臆病は、駄目なんだよ。

いっそのこと、「知」のために、低所得者でありながら、人徳だけで塾が開ける傑物をめざしてもらいたいものだ。そもそも、普通、日本の庶民は、頭のいいヤツを信用しないんだよ。本当は、頭のいい、もうちょっとでいいから、頭のいい政治家がそれなりにナンバー2になれるようになってほしいのだけど。

↑ 句読点多すぎ。
高説垂れてる割には下手糞な文章だなオイ。

>>野グソさん
少しちがくて、「有吉風に言えば『ごった煮クソ福袋』(磯崎先生のブログより)」。予信はどうでも良くて、そのクソ債券をカレー鍋に放り込んで「むしろ美味くね?ww」とか言ってる感じ。カレー味のウンコとウンコ味のカレー、正直どっちもカレーじゃね?とか、言ってるあいだに町内にカレーが行き渡り「やっぱウンコってヤバくね」で、町内大騒ぎ。
んでどうやらカレー鍋の周りに居たカレー職人とカレー好きが実はウンコまみれと発覚。あとはスカトロ祭り状態。

町内会の幹部が皿を回収して洗って各家庭に返そうとしてんだけど、ウンコだかカレーだか判らん物が乗ってた皿、幾ら洗ってみせても誰も信じて受け取らない始末。

挙げ句、どうやらウンコ盛りのカレー皿が何枚あんのか把握しきれてなかったりする。


そういうことなんじゃないかなぁ~

あると思います。

隊長がNHKにキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

>>THどん

 なるほど。じゃあウンコ味のカレーとカレー味のウンコに対して世間様が「正直どっちもカレーじゃね?とか、言ってる」あいだに、「いや、どっちもウンコでしょ」でウンコ食わなかった私は勝ち組(←古)? って感じ? 勝った負けたはどうでもよかったりするけど。

 んで、相も変わらず余丁町のおっさんが「田舎者の方が給与所得も可処分所得も多くて都会の住民は貧乏なんだから金寄越せ」とかブログで吠えてるんですけど、1970年代までなら兎も角、今日びそんなん言うたら詐欺なんですが。だから氏のブログにはホリエモンがリンクされてるんですか? って感じなんですが、そこんところはどうでしょうかね?

 世間知らずにも程があるし、知ってて言ってるなら相当性質悪いと思うんですが。>余丁町

>>野グソさん
祭りに参加せず、皿も貸してなければ、負けてねぇけど勝ってもねぇってとこですかね。

 ですね。どっちでもいいしね、そんなもん。

 都度言ってるけどパワーゲームに勝者は居なくて、尤も勝ってるヤツが最後に負けるようになってんのよ。今まさにそれなんだから、負けたヤツは素直に泣いてりゃそれでいいだけのことでしょう。
 参加せんと堅実に生きてて、買った負けたは特に無いけど生きてる分だけ確実に実りあるから、どっかの馬鹿がコケた分だけ相対的に、「言っとくけど私が最低水準だよ?」ゆーてる私のレートが上がっちゃってお前らどーすんの? みたいな。

 まぁ、負けても私水準より上なら別にいんじゃね? ってことで一から出直し。私以下の水準に堕ちるとか生きてけねーって面々は、さっさと死ねばいいと。
 そういうことで宜しいんじゃないですかね?

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    やまもといちろう

    ブロガー・投資家・イレギュラーズアンドパートナーズ代表取締役。
    著書に「ネットビジネスの終わり (Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など多数。

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