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2007.12.20

埋蔵金っていうか、露天掘りだと思うんだけどさ

 週刊上杉隆に以下のような記事が。


「霞が関埋蔵金」は国民の財産!
中川秀直氏に聞く財宝の真実
http://diamond.jp/series/uesugi/10010/?page=1


 面白かった。

 秀直さん全然関係ないし。元ネタはこれ。


http://www.amazon.co.jp/財投改革の経済学-高橋-洋一/dp/4492620664


 だから、最終弁当爺、ご名答。


http://d.hatena.ne.jp/finalvent/20071219/1198023607


 「埋蔵金」とやらの存在が確認されているのは05年4月の経済財政諮問会議にて。二年半前から分かっていたことなんですよね。


 ここのp2に、官舎に女性を囲っていて「男の甲斐性」を国家権力の中枢で見事披露してくれた本間さんがあたかも自分の手柄であるかのように何か発言してるけど、ユーこれ読んじゃいなよ。


http://www.keizai-shimon.go.jp/minutes/2005/0427/shimon-s.pdf


 もし気合の入ってる奴がいたとしたら、これも読んどけって感じ。


http://www.keizai-shimon.go.jp/minutes/2005/0427/item5_2.html


 主要なものをまとめると:


財政融資資金特別会計53兆円が現在23兆円
国有林野事業特別会計4.5兆円はそのまま4.5兆円
労働保険特別会計6.5兆円が現在5.1兆円
空港整備特別会計2.3兆円は1.9兆円
自動車損害賠償保証事業特別会計1.2兆円は同0.7兆円


 全部、書いてあるから。埋蔵金。埋まってないし。公開情報なんだよね。誰でも確認できるし。いわば露天掘り。本まで出版されてるし。書いたの高橋洋一氏だし。秀直さん関係ないし。まあ、せいぜい言えば何らかの理由か意向があって、議論の中核に秀直さんがいるように見せる算段だとは思うけど。政治だもの、大きく見せるのは必要だよね。器量って奴よね。


 今回の埋蔵金論争については、埋蔵金がある、ないと議論する必要はどこにもなくて、ある前提で、取り崩すべきかどうかで判断したほうがいいから。逆に言えば、埋蔵金はないとか言っちゃった国会議員は不勉強か別の背後関係があるだろうからさ。


 プライマリーバランスを考える人は使うべきではないといい、この時期に使わないでいつ使うんだと思う人は「適切に使おう」って話になるから。消費税アップにおける与謝野さん対高橋さんみたいな感じかもしれないしそうでないかもしれない。アングルの解釈ってむつかしい。ただ、最終弁当爺じゃないけど新聞各社は構造や事情はきちんと知ってるだろう。新聞記者は馬鹿じゃないと思うよ。だけど報じない。なんだろうね。なぜかは知らない。


 まあ、先読みの話になるんだけど。企業で言ったら、流動資産のとこの有価証券かなんかに55兆あって、固定負債のとこに220兆あるけど、将来インフレがくるかなあと思ったら遊休資金でさっさと借金を返したほうがいいし、いやインフレなんか来ねえだろうし金利も上がらんよと思ってたら安い利率で借金残して余剰資金は運用に充てといたほうがいいやって判断になるだろうな。ただ、今回の件は余剰資金は余剰資金でそのまま財務省に寝てるだけだから問題なんだろうが、かといって郵貯ってわけにもいかないだろうし、大変だよね。


高橋洋一さんへの苦言
http://bewaad.com/2007/11/03/321/


 突き詰めれば、このあたりの議論だ。「なぜ財政融資資金の累積黒字が生じたのか」。朝日新聞が語るべきは本来ここだな。たぶん、回答としては「七年前当時は、現在のような国際的インフレ圧力の増大が国家財政における資金運用部分の金利リスクを発生させることは予見しえなかった」という話になんだろ。早い話が、バランスシートでかくても資本コストが低ければ全然OKってことかな。事実、名目GDPもさほどの動きを見せず、少なくとも過去七年間で大きな金利リスクに直面しかねない予想は立たないね、ということになるし。


 言い換えるならば、カードを出すタイミングの問題。七年前の局面では、埋蔵金状態にしておいて、衆知だけど温存しておいてもそれほど問題にはならなかったし、あの当時の政治情勢で竹中さんがわーわー言って国のヘソクリがバレてしまうほうがヤバかったっていう判断だったかもしれない。で、その後状況が変わって、ゲームがどうやらインフレルールになりそうだという予測もあながち否定できない状況になって、じゃあそろそろこのカード切っちまうかと考えて、ちょうど上げ潮何とかが旗色悪くて大臣にもなれそうもないけど存在感だけは示しておきたい秀直さんに耳打ちして騒がせたらうまい具合に炎上した、めでたしめでたし、という感じなのかもしれん。


 そうなりゃ埋蔵金埋蔵金って騒ぐジャーナリストも出るだろうし、消費税増税議論を潰したい人は結託して機運を潰したいだろう。上杉隆さんがどっち陣営で誰からネタ取ってどういう言説をしているかって、いま物凄く重要な試験紙だと思うんですよね。面白い。本当に。福田さんだって”早い段階で経済的事情を考えれば消費税増税は避けたい”なんて趣旨の発言はするだろうしな。ただ、いずれ消費税を上げなければならないのは少し考えれば分かるわけだし、そもそも論として消費税が低所得者に不利という話は必ずしもそうではないとも言える。ただ、大事は大事だけどこんな面倒な話、二大政党制がなくなるかもしれないなんて時期にやるもんじゃねえと思うよ。年金だの何だのって争点が山ほどある時期に、拙速にやっちゃいけない。そう思います。


 だから、いま本当に必要なのは政策論争をいかにグダグダにするかであって、ここは満を持して論壇に池田信夫氏が登場し、話がぐちゃぐちゃになる展開を希望します。



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Comments

経済の話でなんでノビーなの・・・。

 

>いずれ消費税を上げなければならないのは少し考えれば分かるわけだし、

景気考えれば「今」はそのタイミングじゃないだろってことだと思うよ、反対してる人たちは。二大政党がどうとか別にどうでもいいわけで。

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    著書に「ネットビジネスの終わり (Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など多数。

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