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2007.10.17

岡田斗司夫氏「こら、罪人ども。この蜘蛛の糸は己(おれ)のものだぞ。お前たちは一体誰に尋(き)いて、のぼって来た。下りろ。下りろ」

原作:


  芥川龍之介
  http://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/92_14545.html


現代語訳:


  いいめもダイエット顛末記 
  http://www.itmedia.co.jp/bizid/articles/0710/16/news008.html


出演:


  観陀多(かんだた) 岡田斗司夫

  御釈迦様 丹波哲郎(友情出演)

  蜘蛛の糸 いいめもプロジェクト提供

  罪人 デブの皆さん


講評:


 問題はデブがそれだけ多いことであって、岡田氏やいいめもプロジェクトが浅ましいからではない。無論、第三者的には「きっと岡田氏は『この野郎、便乗しやがって』と思っているに違いない」とか、「何だ、その大手町ビジネスイノベーション何とかは。相手は有名人だしとりあえず出展明記してダマでやっちまえばいいやぐらいに思ってたんだろ。死ね」とか邪推するに違いない。しかし、それはただの感情論であって、本来するべき議論であるとは到底いえまい。


 一番の問題は冒頭に述べたように、それだけ現代の地獄にはデブが山ほどいることによる。憎むべきは体脂肪であって、岡田氏でも大手町何とかでもない。つまり、地獄、すなわち解決しなければならない問題に直面している個人と、蜘蛛の糸という解決にいたる方策やアイデアとの関係は、本人が気づいてもいないような善行や才能(小さい蜘蛛を助けたこと)によって超越的な力であるお釈迦様の気まぐれによって与えられるものである。一番最初に登ったデブが一見蜘蛛の糸を登りきってデブ問題を解決しても世間に向かって蜘蛛の糸占有を主張した結果、デブ問題とは別の地獄に転落していくさまが現代事情を克明に示しているといえよう。


 もう少し議論を進めるならば、「ノウハウとは誰のものか」というもっと本質的な問題に立ち入ることになる。何らかの必要に迫られて痩せることに成功した岡田氏が、特定の方法に沿ってダイエットを実施し痩せたところまでは良いが、それを著述にして新書を出版したからといって「このノウハウは俺のものだ」と言えるかどうか、または、言ったら著述者としてどう評価されることになるかという議題である。


 これは、出版社と原作者と漫画家と同人(インディー)の関係とも言える。漫画家は当然自己の表現の結果として作品の著作権を主張できるが、原作の内容についてはきちんと著作権で保護されきっているとは言えない。したがって、同人作品が漫画家の絵柄に沿ってコミケに出品するのとは別の意味で、プロットやシナリオを転用し別の作品にリパッケージする類の商業・創作活動はどこまで許容されるべきなのかという課題を有する。


 本件の場合、明らかにノウハウ、アイデアの域であるため岡田氏が何を言おうが撤回させることは本来むつかしい。狭義では地獄にデブが存在する限り、広義では人に欲望ある限り、効果的なノウハウやアイデアは常に模倣され再生産されることが宿命付けられている。しかも、作品そのものが模倣されているわけではないため、法的な保護の対象にはならない、だから本来「パクられ損」の領域であり、金銭的名誉よりも「一番最初にそのような主張をしたのは某」というような社会的名誉を優先させることのほうが多そうだ。


 だが、そこを分かってか知らずか岡田氏は敢えて「この蜘蛛の糸は俺のもんだ」と指摘した。直接の表現が分からないので何だが、記事では「それをダイエットに結びつけているという点で言えば、私の著作の核心と同一ですので、著作権の侵害に当たる可能性が極めて高いと思います」と主張したとされる。いやそれはどうだろ。当然、被害者は途中までせっせと蜘蛛の糸を登って切られた地獄の現役デブ5,000人である。地獄からの怨嗟はサービス主である大手町某ではなく岡田氏に逝ってしまうであろうから、本来パクられ損の領域で先駆者として地獄のデブから賞賛されるべきポジションにいたはずの岡田氏は何とももったいないことをしてしまったことになる。


 まあデブは食事の記録ぐらい自分でしろってこった。


(追記 06:36)


 もちろん、論理的には観陀多を岡田氏とすると、罪人は大手町某であり、このアイデアは俺のもんだと言ってる図というのも成立するんですけど、初めてあの記事を読んだときパクって見切り発車する大手町某とアイデアの占有を主張する岡田氏、そして見捨てられるデブという構造がビジュアルで思い浮かんで、面白さゆえにこちらの論理的構造を採用しました。


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Comments

朝からクソ笑ったwwww

ほそ~~~いクモの糸に捕まった地獄のデブ5000人というのを想像するだけで笑えるw
しかもアイデア考案したのは岡田ww

器の問題だろうな

茶化してるようでいいとこ突くな

>問題はデブがそれだけ多いこと
>憎むべきは体脂肪

正論すぎてわろたwww

理想体型というバベルの塔を建てたんだけど、
これから、悪魔がどんどん集まってきて、
最後は、天罰がくだる図しか……

たんに、イライラしていたんだろうね。
治まればいいけど、これから寒い冬もやってくるし。
真剣に読んでいた読者の恨み辛みもあるかもしれないし。
大相撲>ボクシング>ダイエットと連鎖しそうだよね。

ちなみに、ダイエットして、
金になる人はうまくいくけど、
金にならない人は、挫折してしまうものなんだよ。
ボクサーがそうだよね。
ある意味力士は、逆に苦しくても食えるんだよ。

ということで、メモ開発者側は、
直感がすぐれていたかもしれない。
早期撤退は、兵力を温存できるというわけだね。

言い得て妙だな
少し違うような気もするが

岡田さんは最近精神的に余裕がないな
どうしたんだろう

マンガ夜話でいしかわと大川に皮肉られる姿が今から目に浮かぶようだ

なんというか「こっそりやればっ」の一言。

特許取っておけば良かったのにねえ。

この切り口は新しい

西武大久保が納得できんのはわかる
だが、あんまし「デブ、デブ」と
いじめないでくれまいか
基本的におとなしめ&自覚ありで
おかわりしている生き物なんだから

俺?
俺はデブじゃない
ぽっちゃりだ!

それにしても隊長、ノリノリである。
自分が痩せてるからって。

> 何らかの必要に迫られて痩せることに成功した岡田氏

落語ライターの女、だっけ?

 国内にいるデブの数に比べればたかが5000人…とも言えなくも無い。とりあえずいつでぶの購入者数とは比較にならない。「本は作者だけでは発行できない」というのが核心なのかもしれない。

友情出演した丹波哲郎氏が文中に
出てこなかったのは残念。

てゆか、デブは痩せても強欲ですかwww

ダイエット産業は昔からの定番
岡田の文句は、著作権侵害というよりは、自分の名前と著作が勝手に使われたという、
むしろ商標を侵害されたということだろう。

>さとしす
それ、激しくミスリードしてんぞ…
わざとか?

 デブは元々ネジが一本足りないから太るんで、たまたまそこを締めてもそのうち他が抜けてまた太るから、いつまでたってもデブなんだっての。運命っつうか。宿命っつうか。
 サービス買って努力して一時的に痩せても、どうせ周囲に餌か資金かストレスが有り余るかどうかして、また太るんだから。数年後にまた商売の芽が勝手に生えるんだから、ありがたいことこの上ないじゃない、って話なんじゃないの?

 岡田さんも、訳の分からんことで著作権主張せんでも、やりたいこと勝手にやって言いたいこと勝手に言ったら、後追いはテキトーに泳がせといて時たまボソッと要らんこと言って、縛りと睨みを効かせておいた方が後々得なんじゃないの? ってことに気付いて欲しかったよね。
 そういう意味では、所詮発想がデブなんだよ。ダイエットの延長で余計な脂肪分(いいめも)落としたら、今度は痩せすぎになっちゃってさ。こりゃヤバイで食い出したら、また止まらなくなって大デブに逆戻りすると。

 どこまで逝ってもデブはデブ。

特定健診で電子メールを使った指導が認められるので、
この手の生活指導サービスを計画してるところはいくつもあったと思うがなぁ。
岡田さんが今から立ち上げる気でも既に半周遅れなのですが、気づいてないのかも。

http://www.kajisoku.com/archives/eid1776.html
この辺読むと総スカンだな

昨日久しぶりに自宅にデリヘルを呼んだんだけど

電話して数十分してチャイムがなったので出てみると、絶対NGな
推定50歳ほどのオバサンが玄関に立ってたので
『チェンジ!!』
と一喝して追い返した
やがて時を待たずチャイムが鳴り今度はナイスなギャルがご登場したわけだが

最初に訪れたオバサンが実は近所に引っ越してきて挨拶にきた方と
判るまで時間は要さなかった。

と言うか、最初痩せた岡田斗司夫をテレビで観たとき、絶対癌にかかったんだと思った。

デブだからケツの穴が小さいのか?
ケツの穴か小さいからデブなのか?
どっちにしても、性根が腐ってるから宿便(笑)とらなきゃダメなんだろうけど

おもしろすぎです。

http://www.d-sp.net/introduction-diet_record.php
この辺だと2005年にはカロリー管理できる日記サービスみたいなのを始めてるみたいだねえ。

この場合、オタキングの著作権侵害ってことだよね?

カロリーログを個人が権利を有する著作と言い切っていいものやら(普段(生活上)採用しない比較化で減量するなんて、要はスポーツってことじゃない。
インテリが大題かつ意図的に商売として減量(スポーツ)するのが珍しい=新しい事務方型スポーツの誕生=「オレ、高祖」←「どっちかって言ったら中興の祖じゃね?」(大手町)という構図なのかな?)……

なんか岡田さん自身が「二匹目のドジョウ」を狙っている気がしないでもないなぁ。
亜流傍流を乱造させておいて、
「元祖だからこそ出せる発展型がある」みたいな企画があったりして……

岡田は過去のオタク知識しか持ち合わせてなくて
現在のオタクシーンについて来れてない。
既にオタ商売で食ってくのは難しいから
こういう小さな部分にしがみついて必死になるしか
ないんじゃないの?

>「元祖だからこそ出せる発展型がある」みたいな企画があったりして……

 そんな知恵があるならこんなことで目立ちません

>>さとしす
>それ、激しくミスリードしてんぞ…
>わざとか?

でしょ。本店でも突っ込まれてるし。

http://putikuri.way-nifty.com/blog/2007/10/post_16ad.html

みんなITmediaの記事に踊らされすぎ

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    やまもといちろう

    ブロガー・投資家・イレギュラーズアンドパートナーズ代表取締役。
    著書に「ネットビジネスの終わり (Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など多数。

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