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2007.09.26

ツンデレって、ようは悪女のことだろ

 雑誌の対談で激作家の人といろいろ話し込んでいたんだが、児童文学作家は次々と一般文学やエンタメで活躍するのにラノベ方面で売れた人は結局長続きしませんという話になり、うるせー馬鹿という流れになった上で、議論の結果、ちと言い方は悪いが、表題の通りのような結論となりましたのでご査収ください。


 ヲタが持ち上げ様式美となってるツンデレってのは、女との経験が乏しく脳内世界観で完結した経験の浅い読者が女性描写を満足にできず不当に持ち上げられているだけのものだ、ってことでありまして。


 ただし、私が言いたいのはヲタというのは欠けている表現や不充分な記述を脳内妄想で補完しながら自分の好みや都合の良いように修正しながら登場人物や世界観にのめり込んで逝く性質が強い。ちょうど、えんぴつ書きのラフ画は見る人全てが一番都合の良いラインで評価してしまうため、仕上がりや塗りを見て「なんだこりゃ」になるのとほぼ同様のことではないかと。


 私はそれはそういう市場がそのような様式を持っていて、特に中高生のような若い読み手が中心となって勢いのあるなしが決まっている状況だと、映像や文学の「プロ」が思うかくあるべしとはズレていくのは致し方ないことであって、そこで”読者の啓蒙”だの”レベルの引き上げ”だのというのはどうも賛同しかねるなあ、と。同時に、読み手に甘える書き手が悪いとか、ユーザーの審美眼の悪さや表現の画一性によりかかった出版社や編集者のレベルがどうこうという話になると、副業ライターである私なんかは「しょうがねえじゃん、世の中そうなってんだから」と思ってしまうわけです。


 あと、やはり出たのがそれ界隈の分業制について。これはもうしょうがないと思うんですよね。以前、筒井康隆氏の小説でもあって、その後東浩紀氏が筒井氏に某小説を読ませて品評を聞くというような流れで興味深かったんですけど、レーベルのやり方にもよるもののライトなエンタメ志向の作家としてかどうでないかに関わらず、職業物書きとして一人で食べて逝こうとすると、どうしても多産体質にならざるを得ません。


 ストーリーテラーとしてどうなのかは別として、スター作家が構想から執筆から出口政策まで全部やるケースもあるものの、やはりいくらか、あるいはかなりは分業になっていく。一人の名前で作家が長編を書き上げるのに数年かかる場合、その人がどれだけ出世作を持ち二次利用が幅広く行われ評判が良かったとしても、その後の読み手がちゃんとついてきてくれるのかという問題があるわけです。だとするならば、文章力や表現があるけど社会に評判を受け続けるような作品を”量産”しようと思ったなら、己が弱い才能の部分を外注に出さなければならない。


 広告代理店が丸抱えみたいな感じで原作をこさえて出版社が出口政策を邦画に決め打ちするような場合とかもいろいろあるんでしょうが、やっぱりテーマや設定は編集者やブレーンが「こういうのでやりましょうよ」という仕掛けを作って作家を誘導してやらないと”量産”ができない。逆に、当初は充分量産できてたはずの作家が、数年経ずして枯渇して次の展開を模索しようにも素材がないという状況が到来する。


 そうなると、作家が手がけているのは「作品」なのか「商品」なのかという永遠の命題になる一方、昔ながらの名前のある作家が実質刷り部数二千部か三千部で印税だけは二万部ぐらい支払っている、なんていう生活費補填みたいなことが平然と起きるわけですかね。まあ、具体的に見聞きしたわけじゃないので実情は知りませんが。ただ、一番お金になる出口政策、例えば「誰それ主演で映画にしやすい素材を単行本書き下ろしでお願いします」みたいな話があったとして、いまのライトな作家が素材や設定を用意されてなお書けるかどうか? と聞かれると、やはり唸ってしまいます。


 だから、児童文学というかヲタ向けラノベの世界やテレビドラマ切り出し見込みの漫画なんかは、もう仕掛けを伴ったマーケティングであって、そこに文学性とか書き手の個性とかどう求めていくんだというのは二の次となった主従逆転の状況が続くんでしょう。逆に、出口である邦画ってのが最後のDVD販売という粗利の大きいはずの業態に依存しているにも関わらず意外に金にならず、国際的に知名度の高い日本人俳優も育ってなくて螺旋状にしょぼくなり続けて逝ってるのもあるんですけど。日本人なら98%知ってる某SMAPがアジアでは12%程度の知名度で、欧米圏に至っては当然のように誤差の範囲であり、素材が西遊記で売上のほぼ過半が日本市場という状況で、ハリウッドに立ち向かえるコンテンツを製作して逝きましょうそうしましょうといっても「無理だろ(ぷ」という話に。


 逆説的に、日本人的美的感覚は世界に通用している状況であるため、アニメの世界ではかえって知名度の低く演技力も乏しい日本人俳優を使わなくて済むという理由から、まだ健闘する余地があるのかも知れず、といっても某米ソフト流通はコケたわけですが。


 だから、ポストテレビ構造とかいって、安価な娯楽装置の王道だった許認可伴う地上波テレビのシステムが電通などと結びついていた構造が崩れつつあって、その先が携帯電話だネットだといっても、その先にいるのはプアな人たちが鈴なりになってぶら下がっている構造であることに変わりがない。youtubeやニコニコが究極には権利者の受益が伴わない限りは螺旋状にしょぼくなり続ける下り階段の先でしかない可能性はあります。だって金を払わないという意味合いにおいては、winnyつこてる連中やワレザーどもの精神構造と変わらんだろ。フリーライダー以外の何者でもなく、角川グループとか先行的に試す企業は出てもJASRACやテレビ局大勢が支持するようなポストテレビ構造として地上波に置き換わるとは思いにくいわけです。一種、白田せんせが書いていたこの流れと近いかもしんないけど、まだ私は分かっていません。あれ、ブクマしといたんだけどどっか逝った。


http://wiredvision.jp/blog/shirata/http://wiredvision.jp/blog/shirata/
http://wiredvision.jp/blog/shirata/200708/200708081049.php 


 何にせよ、コンテンツ業界全体の構造が特殊な日本市場に依拠する企業、商品、サービスがマジョリティである以上は解決すんのは無理。ジャパンクールとか、世界に誇るヲタ文化とか、特殊であることに甘えている(甘んじている)うちはどうにもならんと思います。


 アニメスタジオが上場してコンテンツファンドが立ち上がって少しは状況が改善するかと思ったら、全然。むしろ潰れそう。私たちのGDHとかはどうなってしまうの。そのうち音楽業界とかも書くけど微妙な感じはします。


 なお、今日締め切りの原稿はまだ一行も書いていません。


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Comments

電通の犬とは誰のことじゃ

>昔ながらの名前のある作家が実質刷り部数二千部か三千部で印税だけは二万部ぐらい支払っている、なんていう生活費補填みたいなことが平然と起きるわけですかね。

 そういうこと言っちゃダメでしょ。とか。誰と指定してないからいいんかもしれんけど。コンテンツ業界がユーザーに対してある種かっ剥ぎ体質になるのはしょーがないよねー? と、そういう系の話を聞いたとき、私なりに思いました。
 売れなきゃ追放即死上等でいいってんなら、随分風通しも良くなるんでしょうけどね。多分それは「寒いだけ」だと思います。

 昔聞いた話で今は状況も違うだろうし、こうして現場に関わる人がポロッとリーク(?)したら重みも違うよね、とか思う時点で私の意見はどうでもいいんですけど、10年前(私が話聞いた頃)も20年前(私に話を教えてくれた人が先代から聞いた頃)も、あんま変わってないのね。という感じ。

 世間は厳しい。

まずはコンテンツ製造側が自前で広告ゲット出来るようにならなきゃ駄目だと思うよ。
でもこれさえ出来ればyoutubeだのニコニコだのとうまくやっていけるかもしれん。
と思う
ユーザが求めてるのは無広告じゃなくてロケフリ&タイムフリーだと思うのよね。

 1段落目と2段落目はよく分からんけど、3段落目は、そうだよね、と思いました。

 自前で広告ゲット云々と広告代理店にショバ代払って広い場を提供して貰うのは、どっちがリスクリターン上お得ですか? みたいな。広告代理店に頼ったほうが安くて広くて確実ですよ。多分。だから業種として成立するんでしょ。そこ無視して自前主義に拘ると、結局は「あの社長は偉かったから見に行ったけど後継者はアレだから」みたいな個人商店色が強くなりすぎて、恒久的な営業って、逆に期待できなくなるかもですよ。そうなると次の才能が入荷する可能性も減るわけで。競輪選手になれるほどの剛の者だからこそ可能な自転車操業だと思います。頑張ってれば、それに越したことはないと思いますけど。人それぞれ。

 youtubeだのニコニコだの は、どーやってもどー足掻いてもカネを払わないのが大前提だから、仲良くするのは生涯無理だと思いますよ。甘く出れば出ただけ分捕られるし、厳しく当たれば他所の事情の上っ面だけ引き合いに出してゴネるし。アレばっかりは、どーしょーもないと思いますが。

 どうなんですかね?

つまらんこと書いてないで、ネカフェ難民の自立支援に自社オフィスを解放したらどうよ、隊長。

おとなしく農業やってろ

「三峯徹の絵でも慣れれば抜ける」まで読んだ。

つーか、早く原稿書けや

ところでスカーレットなんとかの続編はまだですか
次はもっと童貞が喜びそうなシーンを入れてください

もう病んデレも済んだし次はヤツデレだ。
生活に疲れているのにデレなんだ。
ふう、と溜息ばかりだけどデレ。
もうやめてというぐらい頑張ってるのにデレ。
目の前で風俗のお客さんがボッカボッカと殴られてるけどデレ。
だからいつも死んじゃう。


待てよ、これって携帯の

ニコニコのプレミアって結構人入ってるみたいだけど、あれをテレビで言う契約料にできれば、共存もできるんじゃないかね?
月1万の超プレミアム会員は、削除基準多少多目に見ますよ、みたいな?
現状じゃ権利者に分配する以前に大赤字だけど。

で,隊長は今日も童貞,と.

>ラノベ方面で売れた人は結局長続きしません
>うるせー馬鹿
作者も読者も人生経験不足しまくりなんだからしかたねーだろ
ただそういう人口は今後増加しまくりだろ

いいから早く Link to the Stars 書籍化してくれ

こう言ってはなんだけど、ラノベは端からパロディとして隆盛してきたジャンルだから、結局は教養(文学でも何でも構わんが、王道)の破壊のカタルシスが肝。
破壊を脱構築と考えることも出来るし、実際そうである場合もあるけど、その性質からして消費的なところが強い。
多に類を見ない破壊(パロ)なら、それだけで名辞として活用できることもあるかもしれない。
しかし大概はそれ自体がネタになるような作例ではない。まぁラノベ適性自体がニヒリスティックな素養なので、ネタになったとは言っても範囲が狭いこともあるのだろうが、
だとしたら尚のこと、特に王道が意識される(娯楽だろ? めんどくさくない方がいいじゃん)一般に客層をもって飯を食うことは難しいんだろう。その少ない顧客であるニヒリストが高所得者適性を持つかっていったら、疑問だし。斜陽の人間を特にひきつける産業だから斜陽産業だって(下手な冗談みたいな)構図なんじゃね?

>なお、今日締め切りの原稿はまだ一行も書いていません。
流石

タイトルと内容がほとんど合ってませんね。
そんなにソーシャルブックマークされたいのか。

↑お前は文章を読み解く力がまったくないのか?

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    やまもといちろう

    ブロガー・投資家・イレギュラーズアンドパートナーズ代表取締役。
    著書に「ネットビジネスの終わり (Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など多数。

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