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2007.04.03

WEB2.0の知(笑)って、集合してるんだろうか?

 寝る前にうっかり以下の記事を読んだ。ちくしょう、面白いじゃねーか。ちょっと気になったので、のんべんだらりと書く。別に議論をまとめようというわけではない、いま思いつくままに書き記しておこうそうしようということである。もちろん、WEB2.0的集合知(愚)というコンセプトは私なりに理解したつもりだ、という前提つきで。


http://d.hatena.ne.jp/ykurihara/20070403#1175529758


 最近批評はどうですか。


 さて、私が気にしているのはいくつかあって、1)語るべきものを持たない個人が、ネットという原則無料のツールを与えられ、何か語らねばならない衝動に突き動かされ、他人に無意味かつリソース的無駄なつぶやき系日記やウェブサイトクリップがネットでばら撒かれてしかもそれらが大勢を占めていること、2)人間が一人で持ちうる知見は限られていて、興味対象であったとしてもそれらを正当に評価する能力を欠くか、正当に評価する能力があっても論じる能力を欠いた結果、集合知どころか単なるオーディエンスに堕する結果となっていること、3)インターネット初期の原理主義的な(あるいは共産主義的な)情報発信は誰もが等しく行え、社会的な地位や本人の価値を問わず対等に議論できるという空論が信じられ、結果として特定の問題に特化して時間を湯水のように使える暇人がネット上のポピュラーでない論調をコントロールできるような状況になっていること、4)特定のオピニオンリーダーが相互に相反する主張を行ったとしても、両方のオピニオンリーダーの名声や正論の質を吟味することなしに称賛し、その結果、対立したり矛盾する立論両方を「同感」「禿同」などといって無原則に支持するネットユーザーがマジョリティを占め、空気的うなずき系ばかりが量産されること、5)ネット系の情報はマスコミから自由だと頑なに信じるネット狂信者がいる割に、特定の問題を認知させ議論を紛糾させる技法がネット上である程度の再現性を確保できるところまで確立され、存在しない問題や質の低い本質的でない議論があったとしてもそれを排除する自浄能力をネット自体が持たないこと、といったあたりでノイズが増えるのだろうと思ったわけです。


 「この『批評の死2・0』、それなりにビッグ・ウェーヴではあるものの、本質的に新しい問題をふくんでいるわけではない」はまったく同感な一方、ネット世界に適切な批評が過去に存在しており、それらが経験則として社会的に機能するところまで確立しているのであると仮定するならば、草の根BBSやパソコン通信からインターネット上のコミュニティに至るフレームや構造的問題、あるいは瑣末なマナーまで凡そ一定の周期で問題が再燃し、事件が発生し、議論が沸騰するのは解せない。ネットにおいては2.0がどうとかいって批評の死と銘打たれる以前に、批評が生まれてもいなかったのではないかという眩暈のような錯覚を覚えるのである。


 また、上記に付け加えるならば、6)批評する人間の大多数は批評、あるいは罵倒されることに対する耐性を持たないため、非常に簡単な論理ミス、議論誘導の失敗、根本的なところにある思想のズレやそれに伴う頓珍漢な内容をやってしまうと一気に叩かれ炎上してしまい、それにメゲて二度とネットで批評や時事評論を掲載したくなくなるという問題があって、結局叩かれ強い人間しかその空間で生き残らない。しかも、そういう人に限ってノイズを流したりする(自分のことを棚に上げて言うが)。


 そして私は猛烈に眠くなった。


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Comments

いきなり変なTBきてるw

高校の弁論部、新聞部、写真部、とかの、レベルをいつ脱するのだろうな?

つまり、人間力がお子様なんだよ。
道徳に縛られているうちは、ガキ!!

>(自分のことを棚に上げて言うが)。
>そして私は猛烈に眠くなった。

↑要するにこれが「結局叩かれ強い人間」の基本コンセプトだってことでしょ。自分のことを棚に上げられず、一旦話が紛糾すると寝ずに解決しちゃおうとする人間が「負ける」んでしょ。
 議論云々以前の問題で、そりゃ単なる「ネット過労死」なんじゃないの? とか思うんだけど。疲れるまで動くなよって、感覚が麻痺すんのかね? 知らんけど。

>つまり、人間力がお子様なんだよ。
>道徳に縛られているうちは、ガキ!!

 道徳は判断基準のひとつだし。ある程度縛られてないとそこから逸脱することも出来ないんだから、別にいんじゃね? と思うんだけど。感覚的に「縛られる」というより「結局そこ逃避して安住しちゃう」のほうが(私としては)しっくりくるかも。言葉の綾の問題だから、結局似たようなもんかもしれんけどね。
 縛られる人間よりは縛りに掛かる人間のほうが都合良いとは思うね。
 縛るツールを道徳だけに依存しないって感じかな?

結局ネットじゃ暇な人が一番強いんだよ。
質より量。

 以前コメント専業(?)だったときに思ったんだけどさ。
 暇な人というよりは、自分の時間を完全に確保してそこからモノ言ってるときは強いよ。それが「暇」なのかもしれんけど。逆に、他人の時間に巻き込まれてそこからモノを言ってるときは流されるね。
 仕事でもそうだけど、自分中心になって人を使ってるときは幾ら動いても疲労を感じない(感じる部分は他人がやる)けど、使われてると疲れるんだよね。たいした仕事をやってないのに、やってるヤツと同じくらい(それ以上)疲れる。
 議論(?)疲れも、そんなもんだと思うけど。

>>批評が生まれてもいなかったのではないかという眩暈のような錯覚を覚えるのである。

 錯覚っていうか、こっちが本来の姿だと思うけど。あとまあ、仮に錯覚じゃなかったとしても、別に議論(笑)なんて全国一律同時同期でやってるわけじゃないから。単純に「そんなの知らねえ」な後進がまた似たようなことやらかして先進が「?」って思っちゃうだけっつうか。

単なる、学歴差別なんじゃねぇーの?
集合知はエリートで、衆愚は低学歴でといいたいだけなのかも。

そもそも民主主義って何よ?
裁判所だって、どこの誰かわからない陪審員だろ。

万年学生が、ネットを牛汁にはどうしたらいいかの、
階級管理しようとしているという構図だな。

はてなの司祭は、政教分離もできないアホかも。
心の問題ではどうにもならない人間に、
夢を解いて、結果は見えているようなものなのに。

 頭いい人ほど自分の知性と欲に溺れて賽の河原に安住しちゃうっつうか。安住しちゃうとさ。流動的な人はそれ見て「まだやってるよ馬鹿」と思っちゃうからさ。議論を吹っかけたり盛り上げたりする側の人って結局「安住する側の住人」になるからさ。そこを「まだやってる馬鹿」のひと言でひっくり返されて無化されると。
 そういう虚脱感に耐えられんのじゃないんかね?

要するに「バカどもに車を与えるな」ってこと?

というようなエントリーをネットのブログで読んだ。

始めに解ってる人達と面白がってる人達が少数集まって、
次にどうでもいい人達が集まって収拾が付かなくなってオワタの繰り返し

今は全てが混沌としているが、

平民がカフェでだべって、
ジェントルマンがサロンで雑談して、
貴族が舞踏会で社交する

というふうにカテゴリー化、階層化していくんじゃないの?
SNSがその芽生えじゃないかと思う。

みんなが自分勝手にわめけばこうなるのはあたりまえ。
しかしPCでカタカタやるだけで情報(ノイズ含)を得られると言う事は、素晴らしいことだ。
隊長みたいに元々情報収集力が高かった人は、その利点を過小評価している気がする。

批評家はぐだぐだ言ってないでメタデータ付ける仕事をちゃんとしろ
メタデータなしの散文書いてる場合じゃないぞ

>利点を過少評価
と思うよ。お業界から足抜けして3年ほっといてみ? マジでなんも分からんようになるから。

webはいわば汎用バスだからいいんよ。
それで。
レジスタにテラバイト入れようなんて考えちゃダメ。
人類の苦悩はレジスタが少ないことにあるんだよ。
批評はねー、エラー訂正でも無いよなー。
転送関連かなんかかなー?勢い調整な気がする。

ブログ以前は、重複した情報を書かないようにしようという考えが主流でしたが、ブログ以降はブログをアピールの手段にしようという考えが広まって、流行を追いかけた重複した情報が一気に溢れ返るようになりました(それを広めたのは主にWeb2.0の会社の経営者ですが)。
でも、検索して探すという場合はそんなに悪くもなってないです。
後、シミュレーションや統計解析あたりの濃い目の情報はあんまり情報が増えていません。

宝島は“行き着かなかった”死者で満たされていた。たった一枚の金貨を持って、彼は逃げた。結局それも大した値ではなく、十数年を浪費したと蔑まれた。投資の対象として適当でないと判を押され、縁故は寸断された。情はボロに照り返される。
しかし唯一の経験を活かすにも(船乗りは貴重なはずだ)、再び海に挑むには……
あの身分も様々な航海士達の朽ちた手帳には、
その最後の項には、一体何が書かれていたのだろうか?

すっかりくたびれてしまったが、私はまだ財産を手放していない。

ソース読んでないけど
すごい説得力でそれだけで満足した

過去ログにもこれに似たものあるんだろうけど
探すのはまた今度するので
またこういうの書いてほしいリクエスト

大学の授業で資料として使えたらいいけど
どうだろう

これ自体をソースとして使う方法論は
まだ誰の手にも終えないかも知れない

そういや、WEB3.0って物の予言されてんだよなぁ

そういや、WEB3.0って物の予言されてんだよなぁ

>>WEB2.0的集合知(愚)

 ここのトラックバックがすべてを物語ってるんじゃないの?

 さっきインターネットハーツやってたら79(俺)対91(米人)対95(米人)対99(蘭人)で蘭人にシュートザムーンされて逆転負け。
 いい勝負でしたとさ。

こんなまともなログを上げている間に多村がスペッた件

将軍、AAを綺麗に貼れるコメント欄の復活はいつになりますでしょうか。

どうも。やっぱり仕事上、立場上、なかなか大きなものを対象にものを考える方なのでしょうね、と思いました。いや白田先生が結構興奮してましたよ、あの山本さんですよってw。昔からそういうところにいた人ですもんね先生も。僕も楽しみですいろいろ。

まあでもようやく21世紀なんで好きなようにやらないと生きてる理由無いですよねw。目眩のような錯覚が具現化しますよ。

http://ask.doloso.com
将軍、AAを綺麗に貼れるコメント欄の復活はいつになりますでしょうか

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    やまもといちろう

    ブロガー・投資家・イレギュラーズアンドパートナーズ代表取締役。
    著書に「ネットビジネスの終わり (Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など多数。

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